eMAXIS Slim日経平均&TOPIXで取り崩し投資は何%?実際の取り崩し実験についても【新NISA】

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nikkei torikuzushi

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は日経平均・TOPIXでの取り崩し投資についてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

日経平均・TOPIXでの取り崩し投資

こんなご質問をいただきました。

「いつも有益な動画をありがとうございます。取り崩し投資など他のユーチューバーが取り扱わないニッチな内容が多いので参考になります。

それで現在eMAXIS Slimの日経平均とTOPIXを買っているのですが、これで取り崩し投資をする場合は何パーセントぐらいがいいのでしょうか?よろしくお願いします。」

とのことです。

日経平均とTOPIXの違いなどについては以前の動画を参照してください。

それでeMAXIS Slimの日経平均とTOPIXですが、前回の動画でボラティリティがNASDAQ100レベルあるのに、年間リターンは低いので、けっこうリスクのある投資という話をしました。

具体的に見ていきますと、

年率  ばらつき SR
日経平均 18.56% 22.02% 0.87
TOPIX  18.22% 18.75% 0.98
S&P500 42.34% 15.65% 2.33
NAS100 40.49% 20.54% 1.75

このように日経平均やTOPIXは年率18%程度なのに対して、S&P500やNASDAQ100は40%を超えています。

これはこれでべつに良いのですが、問題はばらつきです。ばらつきの大きさはリスクの大きさですが、日経平均やTOPIXはリターンがS&P500の半分以下にもかかわらず、リスクはS&P500よりも高いという状態です。日経平均に至ってはNASDAQ100よりもさらに高ボラティリティという、「それどうなの」みたいな状況です。

リターンが高ければリスクが高いのはかまわないですが、リスク高いのにリターン少ないのはさすがに長期投資としてはどうかとは思います。

米国株投資は高リスク=高リターンで素直に市場原理が反映されていてわかりやすいのですが、日本市場は市場原理以外のものが働きすぎるので一気に投資難易度が爆上がりします。日本人が投資を嫌う理由としては、この日本市場の難易度の異常な高さがあるとは思います。

ただこういう動きは高リスク低リターンになる動きは、株価が短期的に上下を繰り返すことによって引き起こされるので、短期投資には向いているのですね。短期投資で大儲けしている投資家が米国株より日本株をすすめているのもこういう点からです。

米国株の場合は右肩上がりになるので、買って売ってってやると、次買うときに高値で買わないといけなくなる場合が多いですが、日本株はだいたい似たようなレンジを行ったり来たりするので、高値で売って安値で買ってを繰り返すというのがやりやすいというのがあります。

昔日本株をやっていたときにシャープ株を買っていたことがありますが、だいたい1000円~2000円あたりのレンジで行ったり来たりしているだけだったので、1000円あたりになったら買い、2000円あたりになったら売りみたいにやってるだけで稼げていた時期がありました。そんな感じでひたすら似た価格帯を循環するだけで、右肩上がりとは無縁な世界だったのですね。長期投資では使いにくいですが、短期投資だとこの特性はけっこう悪くないわけで、日本株で稼いでいる人たちはだいたい短期投資でやっているとは思います。

株主優待で有名な桐谷さんですら、しっかり株を売ったり買ったりしてますしね。日本市場はそういう短期投資の市場なので、長期投資が報われにくい一方、うまくやれば短期的に稼げたりする市場でもあります。短期投資で才能のある人には天国、長期投資には地獄みたいな市場です。JALも商工ファンドも最後まで株握っていた人は0円ですし、シャープもひどいことなりましたしね。

そんなわけで、個人的に日本市場は売り買いがしっかりできる人のための場所とは思っているので、ほったらかし投資にはあまり向いていない市場とは思っています。日本だけでなく、中国とかインドとか新興国市場はだいたいそんな感じですね。ブームになってすごい上がるときはありますが、ブーム去ったとたんにズドンするというジェットコースターなので、ちゃんと売り買いしないと利益が出しにくいとは思います。

これはアメリカ以外の市場がまともではないというか公平でないということでもあります。アメリカは世界の投資家に見張られているような状況ですし、問題があれば修正の力が働くのですが、日本とかはそういうインセンティブが働きにくいです。しかも政府が株を買い支えるとか市場原理に反するようなことをしれっと長年にわたってやったりしますしね。

昨年3月の日銀のETF保有総額は約74.4兆円になっており、これは東証の株式時価総額の約7.4%を占めています。日銀がETFを通じて間接的に10%以上の株式を保有する企業は72社に上り、特にアドバンテストやTDKなどの企業では保有比率が20%を超えています。もはや国有企業みたいな感じになってきています。

言い訳としては、ETFで買ってるから直接株式投資しているわけではないみたいな言い訳が成り立たないこともありませんが、市場原理をゆがめまくっていることには間違いありません。国が大株主というか持ち合い株主みたいな感じですしね。あと出口どうすんねん問題もありますし、個人的にはけっこう詰んでいる感はあります。

どの国でもそうですが、会社がいくらすばらしくても、けっきょく国策には勝てませんしね。そして日本はその国策で経済成長を抑え込みまくっていましたし、今後もそれは続いていくでしょう。今年から団塊世代が後期高齢者になって現役世代の保険料も増えますし、国民の可処分所得は減っていきますので、内需はどうにもならないとは思います。人口自体が減ってますしね。すでにきれいな東南アジアみたいになっています。

それで話を戻しまして、日経平均とTOPIXの取り崩し投資ですが、S&P500で1%取り崩しがいけているので、それを考えると半分ぐらいのリターンの日経平均やTOPIXは0.5%でいいんじゃないかと思うのですが、高ボラティリティという点を考えると単純にそうはいきません。

米国関係は高ボラ=高利益と素直に比例するので利益部分の比較で取り崩しを考えればいいのですが、日本の場合だと、利益が少なくても高ボラであれば、できるだけ取り崩し金額を大きくしてボラティリティを抑えにいったほうが、損切りの効果が高くなったり、大きく上がった時の取り逃がしが少なくなるというのがあります。

それでS&P500と日経平均とTOPIXのばらつきを比較すると、

ばらつき 差
日経平均 22.02% 1.4倍 
TOPIX  18.75% 1.2倍
S&P500 15.65% 

となります。そのため、S&P500の取り崩しを毎月1%とすると、日経平均は毎月1.4%、TOPIXは毎月1.2%とも考えることができます。

すると、取り崩し範囲は

     取り崩し範囲
日経平均 0.5~1.4% 
TOPIX  0.5~1.2%
S&P500 0.3~1%

こうなり、日経平均は0.5~1.4%、TOPIXは0.5~1.2%あたりの範囲で取り崩すのがいいのではないかとは思います。

そこでせっかくなので実験的にeMAXIS Slimの日経平均とTOPIXをそれぞれ10万円分買って、日経平均を最大の1.4%、TOPIXを最大の1.2%で取り崩し実験をおこなってみます。取り崩し自体は1月は間に合いませんので、2月からになります。

あと楽天証券の自動売却は1000円以下になった場合に取り崩しがストップします。

10万円の1.5%は1400円、1.2%は1200円なので、けっこうギリギリなところがありますね。1000円切ったらゲームオーバーとさせていただきます。

現在取り崩し投資の銘柄が増えまくって、自分でもよくわからなくなってきていますので、また取り崩し銘柄のまとめ動画を出したいとは思います。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・昨年の日経平均・TOPIXはS&P500の半分以下のリターンにもかかわらず、ボラティリティはS&P500より高い。とくに日経平均はNASDAQ100を超えるボラティリティ。

・日本市場は長期投資には厳しいが、高ボラゆえに短期投資には向いているともいえる(才能があれば)。

・高リスク=高リターンという素直な市場ではないため、大きく取り崩すことでボラを抑えるという考え方もできる。

・取り崩し範囲としては、

     取り崩し範囲
日経平均 0.5~1.4% 
TOPIX  0.5~1.2%
S&P500 0.3~1%

日経平均は0.5~1.4%、TOPIXは0.5~1.2%ぐらいの範囲でやるのがいいかもしれない。

・10万円ずつ使って、最大レンジでの取り崩し実験をおこなう予定(2月から開始)。取り崩し額が1000円切ったら自動売却はストップしてしまうので、それをゲームオーバーとする。

となります。

そんなわけで2月から取り崩しをおこなっていきます。

FANG+やらゴルプラやらの取り崩し実験もあるので、かなりごちゃごちゃした状態になっています。机上の空論ではなくて、取り崩し手続きや心理面も含めた実際のデータを残すことが目的なので、老後が来る前のできるだけ早い段階でやっていければとは思います。