【新NISA】投資をしない若者に新NISAをすすめるのはアリ?ナシ?

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wakamono nisa

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、投資をしない若者に新NISAをすすめた方が良いかどうかについてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

投資をしない若者に新NISAを勧めた方が良い?

こんなご質問をいただきました。

「20代の甥がいて、現在某大企業の会社員を務めています。給料も悪くないです。

ただあまり考えずにお金をつかっているようで、貯金がほとんどできていません。彼の給料であれば、毎月結構な額を新NISAに積み立てられると思うのですが、投資の話をすると「危険なのでやらない」と言います。

甥の話だと、新NISA自体は考慮した事があるのですが、現在は株式のピークで、多くの経済学者やインフルエンサーが暴落が起こると言ってるとのことです。

とは言え、現在はそれらの予想とは逆に株高ですし、現金の価値も落ちていきますので、長期的に現金だけを持っている方が危険だとは思います。これについてどう思いますか?」

とのことです。

この動画を作っている時点で、ちょうど日経平均が5万円を突破していましたね。高市政権期待で上がっている状況ですが、その一方でドル円も1ドル153円前後のレンジで動いています。株高の一方で円の価値の下がっています。

昔のデフレ時代の円高の日本なら、現金だけを持つというのも一つの判断だったのですが、今は世界的に現金の量が増えすぎて、どの国も経済悪くてもコストプッシュのインフレ状態で、現金だけという選択は今後どんどん危険になっていくとは思います。

ただそうだからといって株の比率を増やすし過ぎるのも、このボラティリティの高い状況下ではリスクが大きいので、けっきょくのところはやはりバランスになります。

短期的に現金が一気に紙くず化する可能性は低いですが、株式に関しては短期的に一気に暴落する可能性は結構あるわけで、短期・長期を使い分ける必要があるのですね。短期的に現金は強いですが、長期的には現金は価値が落ちて弱くなります。一方、株式というかインデックスは短期的には変動が激しいですが、長期的には現金の価値が落ちる一方、相対的に株式は上がっていきます。

そのため、短期的には現金が必要ですが、長期的には株式などのリスク資産が必要になります。

じゃあどうすればいいかと言えば、やはりバケツ戦略とかでまず生活防衛資金や、子供の学費・ローンなどの短期・中期的に必要な資金を確保して、残ったつかわないお金を長期バケツでリスク資産運用するのがいいとは思います。

それで質問者様の甥の方ですが、大企業といっても日本の場合そこまで給料がいいわけでもないので、自分の生活費やら付き合いやら娯楽費やらで、そんなにお金が残らないんじゃないかという気もします。実際の収支がどうなっているのかを見ないと投資していい状況なのかどうかというのがわかりませんので、この質問だけでは判断することができないのですが、とりあえずは生活防衛資金の貯金はしておいた方が良いとは思います。

海外でも問題になっていることですが、「稼ぎが多くても貯金0な人たち」というのがいて、入ってきた収入だけお金をつかってしまうため、全然貯金ができない人たちですね。

HENRY((High Earner, Not Rich Yet)とか、HIFI(High Income, Financially Insecure)とか呼ばれている人たちです。高収入だけど経済的に不安定な人たちですね。

普通、貯金は収入が入った時点でその一部を強制的に貯金して、残りを使うというのが一番合理的とは思いますが、「稼ぎが多くても貯金0な人たち」はその逆をしてしまって、まず使って、月末に残ったお金を貯金するという形になっているため、貯金なんかほとんどできないわけです。

そんな状況だと、貯金自体ができていない以上、投資をするとかはまだまだ先の話みたいになってしまうので、難しいんじゃないかとは思います。

ご質問に「ただあまり考えずにお金をつかっているようで、貯金がほとんどできていません。」と書いていますので、そもそも貯金ができないタイプの人なんじゃないかとは思います。

この手のタイプは、案外仕事はよくできて、お金もよく稼げるタイプなのですが、そのぶん「お金が無くなってもまた稼げばいいじゃん」という発想なので、なかなか貯金できなかったりします。ある意味、自分の能力に自信があるタイプですね。大企業に入社できている以上、能力のある方だとは思います。

投資というのはある意味他人任せで稼いでもらうということなので、こういう自力で稼げる人たちにとっては、「投資が怖い」というのも他人に稼ぎをまかせるという運任せな部分が怖いのではないかとは思います。

ご質問で「新NISA自体は考慮した事があるのですが、現在は株式のピークで、多くの経済学者やインフルエンサーが暴落が起こると言ってる」とありますが、これは単に投資したくない理由を探してきただけで、そこまで投資を真剣に考慮していたわけでもないとは思います。

もともと投資したくないところに、自分にとって都合のいい情報があったというだけの話ですね。

そのため、性格的に投資したくない人とは思いますので、これを変えようというのはけっこう難しいとは思います。他人を変えることほど難しい物はありませんしね。

それでできることと言えば、投資よりも先に、まずは給料が入った時点で一部を貯金して残りを使うという形にすることと、生活防衛資金を貯めることを提案した方が良いとは思います。まずそもそもの貯金ができていない状況だと思いますので、そこができていないと投資にたどり着くのはまだ先の話になります。

そのため、投資の話より、まず貯金の話をした方が現実的かなとは思います。貯金が無いのに投資しろは無茶な話ですし、投資はあくまで余剰資金でやるものですしね。貯金が無いとそもそもの現金が無いので、インフレもくそもない状況ですし、インフレ対策だったら自分で稼げばいいじゃんみたいな話になってきますしね。

そんな感じで、今は投資より貯金をすすめた方がいいとは思いますし、ある程度貯金ができるようになって余剰資金ができれば、自分で投資とか考えるようになるとは思います。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・今は世界的にインフレ状態で、現金だけという選択は長期的には危険になるかと。

・ただ短中期的には株式の変動は大きいので、それを乗り越えるために現金も一定量は必要。

・HENRY、HIFIなど「稼ぎが多くても経済的に不安定な人たち」は、まず収入を使って、残ったお金を貯金しているので、なかなか貯金は貯まらない。

・収入が入った時点でその一部を貯金し、残ったお金を使うのがいいかと。

・仕事のできる人は「お金が無くなってもまた稼げばいいじゃん」という発想なので、性格的に貯金ができない場合も。(インフレ対策も稼げばいいじゃんという話になりますね)。

・現状はまず貯金で生活防衛資金などを貯めることが最優先。投資は貯金が増えて余ったお金ができてきてからでもいいかと。

・お金が貯まっていない状態で投資の話をしても、まだ先の話なので何も響かないかと。

となります。

そんなわけで性格的な問題もあるとは思いますが、まずは貯金をすすめてみるところからでいいとは思います。収入が入った瞬間にその一部を貯金、残ったお金を使うという手順に変えさせることですね。

貯金自体がないと、投資と言ってもまだまだ先の話という感じにしかなりませんしね。

たぶんその甥の方は、稼ぐ能力はかなり高いんじゃないかとは思いますので、貯金する手順を変えればお金も貯まるんじゃないかとは思います。

それができるようになって貯金額が大きくなれば、自然に一部を投資運用しようかみたいな話になってくるとは思いますね。