下落する米国市場、大荒れの一週間ーFOMC/円買い介入/英国大型減税【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
今週の米国市場はFOMCがあったり、日本政府の円買い介入があったりと大荒れでした。
さらに昨日はイギリスで大型減税が打ち出され、米国市場はズドンしています。
S&P500は前日比で-1.72%、年初来では-23.00%と弱気相場入り。
NASDAQは前日比で-1.80%、年初来で-31.36%と、またもや-30%を下回りました。
今回は米国市場とドル円の現状、今後についてです。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
下落する米国市場
さて、今週の米国市場です。
9月FOMCの利上げ後、パウエル議長がハードランディングも辞さずにインフレ退治をすることを明確化したことで大きく下げました。詳細については前回を参照してください。
このFOMCの後に何が襲ってきたかと言えば、日本政府・日銀による円買い介入です。
FOMCでの利上げ決定後、ドル円は急激に上昇。日本とアメリカで金利差が開くのですから、当たり前と言えば当たり前ですね。
145円を突破して、146円に迫ろうとしたときに、介入によるズドンが来て一気に140円台まで行くものの、また盛り返しての143円、からのまた140円台と、ジェットコースターのような上下を繰り返しました。
現在はまた盛り返してきて、143円台まで戻してきています。そのため、「円買い介入意味がなかった」という気もしますが、ただ145円突破でまた円買いを仕掛けてくる可能性もあるため、投機筋は以前のように気楽にどんどんドル買いできるような状況でも無くなってきました。145円あたりで心理的プレッシャーをあたえることができているかと思います。
ただ、そもそもの大問題である日米金利差の開きがどうにもならなければ、ドル円は時間と共に適正価格に落ち着いてしまうとは思います。
それと今回は日本の単独介入です。アメリカとしては、インフレ退治にはドル高のほうが都合がいいので、協力することはないとは思います。
ちなみに単独介入自体について、米財務省は「最近高まっている円のボラティリティ抑制のための行動だとしており、われわれはそれを理解した」と、一定の理解を示しています。
そして一番の問題というか、世界不況の引き金になりそうなのが、昨日のイギリスの大規模減税ですね。
ジョンソン氏の後任となったトラス首相が、5年でおよそ25.5兆円の経済対策を行う予定ですが、ただでさえインフレしているところに金をばらまくような行為をすると、さらにインフレが加速する恐れがあります。
経済対策の内容ですが、高額所得者を含む個人所得税を引き下げと法人税率引き上げ廃止、光熱費の高騰に対する約9兆5000億円の拠出、ロンドンの金融街シティーに対する規制自由化、バンカーのボーナス制限も撤廃と、聞いてるだけでますますインフレが進みそうな感じです。
「イギリスやばくね?」という話になり、昨日はポンドと英国債が売られまくるという状況になりました。
そしてこれを受けて、世界的なリセッションの懸念が高まり、米国市場でもリスク資産を手放す動きになってきています。
S&P500は前回安値を試しに行く展開になっていますね。現在3693ですが、3000まで下がるという予測も多く出ています。あと20%ぐらいの下落ですね。
少なくも陽線が1本も出ていないうちは、落ちるナイフ状態なのでつかまないほうがいいとは思います。
ちなみにゴールドマンサックスの年末S&P500予想は3600に下方修正されました。現在よりも低い数字ですね。
ただ恐怖指数のVIXですが、期待したほどには上がらないといった感じです。
そもそもすでにキャッシュを分厚くしている人が多そうですし、いまさら焦って売るような状況でもないかなとも思います。
Q太郎もキャッシュポジションは以前からかなり厚めにしていますね。キャッシュポジションの使い方についてはこちらを参照してください。
まとめとQ太郎の見解
現状、逆にキャッシュを貯えて下落を待ち構えている人が多そうですし、むしろ「もっと下がってくれ」みたいな感じとは思います。
いまさら「うわー、やばい、売ろう」なんて空気でも無いとは思いますね。
VIXの反応は、今後もにぶい気はします。
なんかみんな、こういう状況に対応できてしまってるような感じですしね。「VIX上がったら買おう」とか、みんな考えていることですしね。
ちなみにバンク・オブ・アメリカの発表では、21日までの1週間に現金の保有は303億ドル(約4兆3300億円)増加、一方で世界の株式ファンドの資金流出入は78億ドル、債券ファンドからは69億ドル、ゴールドからは4億ドルが流出しました。
とにかくキャッシュポジション分厚くして、「底値で買おう勢」が多くなっているかと思います。
バンクオブアメリカのストラテジストの見立てでは、S&P500は3300-3500のレンジまで落ちるとしています。あと10%ぐらいでしょうか。このあたりで一回エントリー、さらに3000まで下がったら再度エントリーみたいなシナリオを描いている人も多そうです。
そんなわけで、どこまで落ちるかはわかりませんが、陰線が続くうちは落ちるナイフなので触らない方がいいでしょう。