FANG+を買わない理由【取り崩し投資】
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、取り崩し投資でFANG+を買わない理由についてです。
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FANG+を買わない理由
さて、視聴者様から、取り崩し投資でFANG+を使わないのかというご質問がありました。
これについては、FANG+が良い悪いの問題ではなくて、現在のQ太郎の投資方針としてFANG+が適さないというのがあります。
取り崩し投資以外でも、いまのところFANG+の購入は考えていません。
今回はそのことについて話していきます。FANG+が良い悪いの話ではなく、あくまでQ太郎の投資方針と違うからという点はご了承ください。
FANG+とは?
まず、FANG+についてさくっとと説明します。
ご存じの方も多いとは思いますが、超ざっくり言えばアメリカの人気ビッグテック企業に集中投資しようというものです。
FANGの名称は、Facebook(Meta)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)の頭文字からきています。
FANG+のプラスの部分ですが、これら4社に加えて、さらに人気の6社を追加したものになります。マイクロソフトとかアップルとかテスラとかあの手のですね。この6社は何度か入れ替えがおこなわれています。
投資割合ですが、基本的には均等にやっていますね。それぞれ10%前後ぐらいで10銘柄といった感じです。この均等というのも問題なのですが、細かい話はあとでします。
FANG+を購入したい方は、投資信託だと「iFreeNEXT FANG+インデックス」が人気があります。ただ信託報酬が0.7755%とけっこういいお値段になっています。
ただQ太郎が買いたくないのは、信託報酬の問題もありますが、インデックス投資長期投資の方針から外れるというのがあります。
そもそもインデックス投資とは
ここで知っておいてもらいたいのは、そもそもなぜインデックス投資をするのかということです。一番根本的な部分ですね。
インデックス投資の理念は、「市場を丸パクリする」ことです。Q太郎的には「市場を丸ごと買う」という言い方より、「市場を丸パクリする」という言い方のほうがインデックス投資の理念に合っているとは思います。
なにがどう丸パクリなのかですが、まずは投資の基本であるアセットアロケーションについて述べていきます。
アセットアロケーションの作り方ですが、基本的に私たちのやることは、リスク資産と無リスク資産の割合を決めることです。
リスク資産とは株式や不動産など、元本が保証されず価格変動のあるもの。無リスク資産は現金や定期預金、国債など元本の保証されるものです。ちなみに社債ですが、Q太郎的にはリスク資産だと思っています。
とにかく自分自身がどれぐらいリスクをとれるかで、これらアセットアロケーションを決めていきます。
それでリスク資産の株式ですが、どういう買い方をするのかについては最適解があります。それは「市場とおなじ割合で買う」ことです。
たとえばこの世界に、グーグル、アマゾン、ネットフリックスの3つの会社しか存在しなかったとします。それでグーグルが発行している株数と現在の株価をかけた時価総額が50億円、アマゾンが30億円、ネットフリックスが20億円だったとします。
ようするに市場全体が100億円の規模ということですね。
これを丸パクリすることがポートフォリオの最適解なので、ようするにグーグル50%、アマゾン30%、ネットフリックス20%で買えばいいわけです。
たとえば手元に100万円あるのであれば、グーグル50万円、アマゾン30万円、ネットフリックス20万円ですね。
これがインデックス投資の時価加重平均です。市場の時価総額の割合をパクって再現するのですね。
もちろん株価の上下があるので、比率は時間とともにずれます。そこで年に何回か比率調整をするわけです。
つまり市場の時価総額の割合を丸パクリし、最適解を得るために市場そのものを少額で再現しようということです。
インデックス投資の役割
次に考えてもらいたいのは、インデックス投資の役割です。
株式市場には何千という株式がありますが、その中で本当に大きな価値を生み出す企業は数えるほどしかありません。
その数えるほどしかない企業が全体を大きくひっぱっています。現在だとグーグルやAppleなどのGAFAMですね。
それで個別株を買うというのは、「たくさんの藁の中から、何本かしかない針を見つける」という作業になります。藁の中から針を探し当てれば大儲けすることができるでしょう。そのため、能力のある人は個別株をやって、針をさがせばいいのです。再現性はほぼありませんが、テンバガーで大儲けしたという話もよく聞きますしね。
ただQ太郎のような凡人は、この針をさがす作業が難しいので、「藁ごとぜんぶ買ってしまえ」ということになるわけです。株式市場は一部の企業が全体を牽引するので、全部買ってしまえば、個別株で針を見つけた人ほどではないにしろ、針からの利益は得られるわけです。
東洋経済で「S&P500からGAFAMの5社を抜いたらS&P495のチャートは、日本のTOPIXと変わらない」というような記事が昔ありましたが、ここまでの話を聞いた視聴者様なら「いやいやいやいや」と突っ込みたくなることとは思います。
そういう問題じゃなくて、藁の中からGAFAMという針をさがすために全部買っているわけです。
GAFAM抜いたS&P495とか、そもそもインデックス投資をなんでするのかというの概念から外れてしまうわけです。現象の前後問題がおかしく、もはや意味がわかりません。
「GAFAMの比率が多いので、GAFAMになにかがあったらS&P500は大打撃を受ける」とか、これは針が発見されたあとの話でしかなくて、むしろ大きな比率を占めてくれる企業が登場してくれるから、早めにインデックス投資しておくことで稼げるわけです。この前後問題を逆にしてはいけません。
その針をさがすために全部買っているわけで、針たちに大部分を占めてもらうことでS&P500は大きな利益を得られているのです。ここは本当に間違えないようにしてください。大きな比率を占めてもらうから利益が得られるのです。
それよりも最大の問題は、この長期間で、藁の中から1本の針も登場しなかったTOPIXのほうが大問題なわけです。どう考えてもこっちのほうがあきらかに問題でしょう。
「GAFAM抜いたらおなじ。TOPIXは大丈夫」とかそういう問題ではないのです。GAFAMを抜くとか抜かないとか、GAFAMが大きな比率を占めているとかそういうことではないわけです。そもそものインデックス投資の目的を勘違いしています。インデックス投資は市場から針をさがし、その利益を受け取る行為なのです。針のない市場のインデックスを買っても利益は大きくないのです。
それで「米国かオルカンか」という議論もありますが、米国市場のほうが針が出やすいと考えれば米国でいいですし、世界全部買えばどこかの国で針が出てくると考えればオルカンでいいとは思います。ただ藁が多ければ多いほど、利益は少なくなっていきます。ここは自分の投資方針次第とは思います。
FANG+を買わない理由
ここでFANG+を買わない理由に戻ります。
FANG+は、現在の市場を牽引しているビッグテック系の10銘柄に、10%ずつとだいたい均等な割合で投資していくという形になります。
先程、藁の中の針の話をしましたが、これはすでに存在している針だけを集めて、それらに均等に投資していくということですね。
わかりやすくいえば、「針に対する集中投資」となります。「藁なんかいらねーよ」というスタンスですね。
ただ問題なのは、針がいつまでも針であるかどうかはわかりません。世の中には永遠のものはありませんし、企業には衰退もあります。世界を席巻していた日本の家電企業も、いまや海外勢におされてしまっています。
30年前、世界の株式時価総額のトップ5はすべて日本企業が占めていましたが、いまやトップ50にすら1社も入っていません。そういうものなのです。諸行無常なのです。
S&P500も、Q太郎が投資をはじめたころはIBMとかエクソンモービルとかが上位でブイブイいわせていましたが、いまは上位10社から外れてしまっています。
そんなわけで針も入れ替わりがありますので、FANG+が長期的にパフォーマンスを維持できるかどうかという部分は誰にもわかりません。
しかも加重平均ではなくて均等割合で投資しているので、伸びる針をガンガン伸ばしてくれる構造にはなっていないのですね。伸びた部分はリバランスで削られて、パフォーマンスの悪い銘柄に資金を移されてしまいます。長期的にはこれがあまりよろしくないというか、資金効率が悪いというのがあります。
これらは、先程まで説明してきた「市場を丸パクリする」「藁の中から針を見つける」というインデックス投資の概念から外れてしまいます。
個別株の一種として、サテライト的に少々持っているぶんにはいいのですが、長期取り崩し投資の主力にするにはコンセプトがあっていないというのがあります。
あと、すでにNASDAQ100投資信託があるので重複気味というのもあったり、ボラティリティが高いのでQ太郎の趣味に合わないことや、正直10銘柄ぐらいだったら自分で好きな個別株集めたほうがいいというのもあります。10銘柄で信託報酬信託報酬が0.7755%はさすがに高いかなという感じですね。
それとQ太郎は、イーロンマスクやスティーブジョブズが正直合わないので、テスラやAppleの個別株は買いたくないというのがあります。あとフェイスブックもマーク・ザッカーバーグがなんかいやなので買いたくないです。
ただマイクロソフトとアマゾンはOKです。
完全に個人的な主観に基づいていますが、FANG+だと、個別株ではないにしろ、テスラ・Apple・メタに直接投資するような感じになってしまうので、なんか嫌というのがあります。このあたりは趣味の問題です。
「投資に好き嫌いを持ち込んではいけない」という人もいますし、それはそれでお金をもうけるという意味では一理ありますが、Q太郎としては自分のお金は納得いくところに支払いたいというのがあります。
いいものをつくっているところであれば、あえてセール以外のときに買ったりしますし、逆に安くても客の健康とか無視して、金儲け中心主義になっているような「自分さえよければいい」みたいな企業のものは買ったりしません。
たぶんさっきいったイーロンマスクとかジョブズとかは「自分さえよければいい」みたいなのが強烈な連中なので、なんかそのあたりが合わないのだとは思います。良い悪いという話ではなくて、Q太郎と合わないという話です。そういうところには直接的にお金を落としたりしたくないというのがありますね。
逆にQ太郎の知人はジョブズのファンで、Apple株を損得考えずにずっと買い続けています。これは本当に個人個人の考えなので、自分が納得するものを買えばいいとは思います。
そもそも納得しなかったら、たとえ買ったとしても長期保有できませんしね。
仮にQ太郎がApple株を買ったとしても、暴落したらすぐに売りそうですね。ホールドするモチベーションがないので、長期投資ではやはり納得のいくものを買うというのが重要だとは思います。
まとめ
そんなわけでまとめると、FANG+に投資しない理由は、
・市場丸パクリのコンセプトから外れる。
・藁の中から針をさがすというコンセプトからも外れる。
・高ボラティリティ
・高経費率
・銘柄の均等割合。
・10銘柄ぐらいだったら自分で好きな個別株を選びたい。
・(自分と合わない方々の顔がちらついて)長期ホールドできる自信がない。
となり、Q太郎としては長期投資しにくいものになっています。買っても長期ホールドする意思を持てる気がしません。
あと10銘柄ぐらいですし、自分で好きな銘柄買ったらいいんじゃないみたいな感じにもなったりします。資金のある人ならFANG+の構成銘柄丸パクリして、リバランスは買い足すだけにすれば経費払わなくてもいいですしね。
そんなわけで、良い悪いではなく、現在の投資コンセプトとずれているというのがあります。
ただビッグテックに集中投資したい人や、FANG+の企業のファンの人には、まとめて買えるのでいい投資対象にはなるとは思います。