【Q太郎流節約術】物欲の手放し方ーデジタル時代の断捨離

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butuyoku

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は節約術として、Q太郎流の物欲を手放す方法です。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

 

デジタル時代の物欲

さて、節約術の根本である、物欲を手放す方法です。

このようなご質問をいただきました。

「いつも動画を拝見しております。現在FIREを目指して節約をしてるのですが質問があります。

私はスマホゲームを遊んだり課金したりはしないのですが、Steamでセールになるとよくゲームを買います。(補足しておきますと、Steamとはダウンロード版のPCゲームを買うことのできるオンラインストアのことです)

去年は安いと思いつつも、その安いが積りに積もって、いつのまにか30万円以上になってしまいました。(これは年間で30万円使ったということですね)

スマホゲームはしていませんが、正直スマホゲームで課金している人を笑える状況ではありません。自分でもなんでこんなに使ったのだろうと不思議に思っています。

よく節約術の本では「物よりも家の空間のほうが大事。物を減らせば家の空間が増えて心もすっきりする」のようなことが書いています。

ローランドさんも「一番のぜいたく品は空間」のようなことを言っていました。

またお金持ちの家は物が少ないのに対して、貧乏人の家は物にあふれているとも言います。映画を撮るときには、お金持ちの家は極力物を少なくし、貧乏人の家は物をたくさん置くことで舞台を作っているとその節約術の本には書いていました。

これは物理的な物を捨てることで、物理的に家の空間が空くのでわかりやすいですし、私もそれを実践しています。服なども少ないですし、いらないものは極力持たないようにしています。

ただし、問題はデジタルデータです。

実物のゲームなら、私は遊び終わったら中古屋に売ったりメルカリに出したりします。

しかしSteamのゲームは実物のゲームではなく、ダウンロードのものなので、いくら買っても邪魔にはなりません。ようするに家の空間を圧迫しないのです。

つまり邪魔という感覚がないので、どんどん買ってしまいます。買っても邪魔にならないからです。インストールしなければハードディスクの容量も圧迫しません。遊ぶ時だけダウンロードすればいいのです。

これは電子書籍にもおなじことが言えます。

実際の本なら場所をとるので古本屋に売ったりして処分します。

しかし電子書籍の場合、いくら買っても場所は取りませんので、どんどん買ってしまいます。これまでの断捨離の理屈が通用しないのです。

このようなデジタルデータに対して節約や断捨離を行おうとするとき、どのようにすればよいのでしょうか。

以前の動画で、Q太郎さんは水しか飲まないというぐらい徹底して節約しているとの話をしていました。

ゲーム関連の動画も出していましたので、このような断捨離できないデジタルデータをQ太郎さんがどうとらえているのか、どう扱っているのかについて、節約の見識をお聞かせください。

ゲーム自体は好きですし、一生付き合っていきたいと思います。ゲームをやめる気はないため、「Steamをアンインストールすればいい」「Steamのセールを見なければいい」「ゲームに関する情報を遮断すればいい」というような解決方法は無しでお願いします。長文失礼いたします」

とのことです。

語弊があるようなのでまず訂正させていただくと、Q太郎は「水しか飲まない」わけではありません。人からジュースをもらったら飲みますが、自分に対してジュースを買ったりしないというだけです。お茶やコーヒーもQ太郎の体質にはあまり合わないので、お金を出してまでわざわざ買わないというだけです。

節約のために頑張って、飲料は水しか飲んでいないみたいなイメージではないので、そのあたりは勘違いしないでいただければと思います。自然にそうなっているだけです。いっさい無理はしていません。

話を戻しまして、Steamで年間30万円以上も使ったとのことですが、これを多いと見るか少ないと見るかは、その人のライフスタイルや収入など主観的な問題なので、一概にどうこうは言えません。毎年何億円も稼いでいる人なら、大した金額ではないでしょう。

ただ日本人の平均年収は450万円ぐらいで、ここから手取り額を考えるとざっくり350万円前後ぐらいになるとは思います。30万円だと手取り額の8.5%ぐらいになるので、一般的にいえばそこそこ大きな金額になるでしょう。

昨年だけ30万円以上ならまだしも、今後も毎年このペースで使っていくと、年収によっては厳しいかもしれませんね。

それで質問者様の質問の要点をまとめると、

・デジタルデータは場所をとらない。空間を圧迫されるデメリットが無く、いくらでも買えてしまう。(ゲームだけでなく電子書籍もそうですね)

・「捨てる」ということができないので、断捨離が意味をなさない。

・ゲームはやめたくない。Steamのアンインストールやゲーム情報・セール情報を見るなというのは無しの方向で。

となります。デジタル時代ならではの悩みですね。

デジタルデータは視覚的・物理的なデメリットがないので、「物がたくさんある」ということに気付きにくい面があります。リアルのゲームや本だったら、生活空間を圧迫してきたらやばいと思えますが、ダウンロードゲームや電子書籍だとそうはいきません。

買うときもポチポチボタンをいくつか押すだけですし、お金を払っている実感も少ないことからどんどん買ってしまいます。しかも場所を取らない。気をつけないと本当にいくらでも買ってしまうとは思います。

それで今回の質問者様ですが、条件として「ゲームはやめたくない。Steamのアンインストールやゲーム情報・セール情報を見るなというのは無し」というのがついてきています。

欲・怒り・無知

さて、ここでの問題は、デジタルかどうかということではなく、そもそも欲望がどうやって発生しているかについて理解できているかどうかです。欲望のメカニズムがわかれば、デジタルデータかどうか自体は問題ではありませんし、セール情報を見るのもあなたの自由です。

ただ欲望の発生するメカニズムについて理解してください。これがわかればだいたいの欲望は抑えられます。

ここでQ太郎のやっている物欲の抑え方です。

仏教には、人間にとっての3つの毒である「欲・怒り・無知」があります。これらが人間をむしばんでしまうので、僧侶たちは修行や勉強によってメカニズムを理解し、欲や怒りがわかないように日々精進しています。

そのメカニズムですが、とくにこのうちの欲と怒りはセットになっていますので、合わせて理解しておくといいでしょう。

Q太郎は、欲自体を否定する気はありません。

そもそも人が生きていけるのは、欲があるからです。食欲や睡眠欲、生存欲などですね。

そのため、欲が発生すること自体は自然なことであって、これを抑え込むことはできません。怒りもそうですが、条件反射のようなものです。急に物が飛んできたときに目をつぶってしまうのとおなじです。これらを完全に無くすことはできません。そういうものだとまず理解しておいてください

問題は欲や怒りが発生したときに、「欲や怒りが発生したな」と自分ですぐに気づくことです。

「気付いたら欲や怒りがすぐに抑えられるのか」と思うかもしれませんが、抑えられるかどうかはひとまずおいておいて、まずはすぐに気づけるように自分を訓練してください。

怒りがわいた瞬間にすぐに気づく。まずは気付くだけでいいです。

この欲と怒りですが、これらは「火」にたとえられます。

火は、火打石などを思い浮かべてもらえればわかりますが、火が発生しただけではすぐに消えます。燃料がないと、火は燃え続かないのですね。

欲や怒りは、人間である以上、瞬間的にかならず発生します。火打石でカチッと火が発生したときとおなじですね。これは防ぐことはできません。

ただそのあとで燃料をあたえなければ、すぐにおさまります。ここが重要です。火の発生は防げませんが、そのあとで燃料をあたえなければ勝手に消えます。

たとえば急に昔の嫌なことを思い出して、怒りがわいたとします。ここがまず怒りの着火点です。

このあとに、昔の記憶を延々と思い出して、さらに関係のないことまで思い出して、怒りが増しておさまらなくなります。この「思い出す」という行為が燃料になります。自分でどんどん燃料をあたえているのですね。

そのため、怒りがわいた瞬間に、「あ、怒りがわいた」と気付けば、その時点で火が消し止められます。そのあとに燃料をあたえないようにすればいいだけです。要は、昔のことを思い出すのをやめる、よけいなことを考えるのをやめるということです。

怒りが発生したら「いま怒りが発生したな」と気付き、そのあとで昔のことを思い出しそうになったら「あ、いま燃料をあたえているな」と即座に気付いてください。

すぐにできるものではありませんが、毎日訓練すればそのうちできるようになります。べつに山籠もりしなくても日常で実践できますので、少しずつ訓練してみてください。怒ったらすぐに気づく、燃料をあたえない。

欲もおなじで、「なにか欲しい」と思ったときは、着火のタイミングです。このあとに欲しいものの情報を見たりすると、それが燃料になってしまいます。

そのため、「欲しい」と思った瞬間に「あ、自分は欲しがっている」と気付き、それ以上燃料をあたえないようにすることが重要です。ようはそれ以上そのことについて考えないことや、そのことについての情報を集めたりしないことですね。

欲の種類

ここで欲の種類を考えてみます。

まず我々の生存に必要な「不可欠な欲」です。食欲とか睡眠欲とかですね。

生存に必要な欲がなくなれば生きていけませんので、これを排除することはできません。

ただこの不可欠を通り越した欲があります。仏教では「渇愛」というようですが、ようするに「もっと欲しい、もっと欲しい」と思ってしまう欲ですね。

「もっと食べたい」とか「もっと買いたい」とか「もっと見たい」「もっと聞きたい」「もっと遊びたい」とか、「もっともっと」と際限なく求めてしまう欲です。言い方を変えれば、これらは「執着」になります。ようするに依存状態なのですね。

この「もっともっと」には限界がないので、どこかで抑えなければなりません。

それで人間はどういうときに欲が出てくるかといえば、その対象の「好き・嫌い」です。

「好き」は「欲しい」に変わります。つまり「欲」となります。

「嫌い」は「怒り」に変わります。

そのため、物事を判断するときには、「好き・嫌い」で判断しないことが、欲や怒りへの防衛策にもなります。手っ取り早いのは「好き嫌い」という言葉をつかわないことですね。

たとえばゲームを見たら、「好き」ではなく「面白そう」と思い、それ以上思考を進めない。ただ見たままの自分の感想を言って終わりにします。「面白そう、以上」で終わり。自分の感想以上に発展させないようするのです。

ここで重要なのは、あくまで自分の感想であって、それが他の人にも当てはまることではないというのを同時に認識しておくことです。客観的に「自分はどうやらこれをおもしろそうだと思っている。他の人はそう思わないかもしれない、以上」みたいな感じです。

そのため感想のあとに「他の人はそう思わないかもしれない、以上」をつけておくとさらに効果的ですね。

これはべつのものや人にも応用できます。

自分に似合いそうな服が売っていたら、「似合いそう、他の人はそう思わないかもしれない、以上」、食べ物は「おいしそう、他の人はそう思わないかもしれない、以上」、もしくは「口に合わなそう、他の人はそう思わないかもしれない、以上」。

人の場合は「かっこいい、他の人はそう思わないかもしれない、以上」「かわいい、他の人はそう思わないかもしれない、以上」など、見たままの自分の感想を言って、それはあくまで自分の感想でしかすぎないと理解し、そこで終わる。好き嫌いの判断まで進ませないことで、欲や怒りに進展させないようにします。

これもすぐにできるものではなく練習が必要ですが、慣れれば見たものを受け入れるでもなく、拒絶するでもなく、流すことができます。執着を生み出さないようにできるのですね。

そのため、ゲーム情報やセール情報を見るのはかまいませんが、見ているときはひたすら自分の感想だけでとどめて流し、好き嫌いに判断を進ませない訓練をしてください。

大谷翔平選手からボールの投げ方を教わっても、練習しなければうまく投げられないのとおなじで、聞いてすぐにできるものではありません。ただこれを練習して習得しておけば、なんか見るたびに「欲しい」みたいな執着に取りつかれることはなくなるとは思います。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・欲・怒りは発生した時点で気づけるようにする。燃料をあたえない。

・「好き=欲」「嫌い=怒り」になるので、「好き嫌い」で判断しない。自分の感想を言って、それで終わりにする。「他の人はそう思わないかもしれない、以上」をつけると効果的。

となります。

何度もいいますが、すぐにできるものではなく、訓練が必要です。

これができるようになれば、ゲーム情報を見ようがセールを見ようが、「面白そうなゲームだね、他の人はそう思わないかもしれないけど、以上」「あまり面白くなさそうだね、他の人はそう思わないかもしれないけど、以上」で流せるようになります。こうして欲や怒りに発展させないようするといいでしょう。

モノが少なくなればなるほど、依存も少なくなります。欲・怒りをコントロールしてセールでたくさん買う癖をなくし、ストレスのない生き方をしていただければと思います。