「安くなるまで待つ」のは本当に得?買い物から投資まで【FIRE/老後/新NISA】

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matu otoku

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、「安くなるまで待つ」のは本当に得なのかどうかについてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

「安くなるまで待つ」のは本当に得?

こんなご質問をいただきました。

欲しい物について「悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ」とはよく言われますが、同じ物を買うとしても、待つことによって値段が下がるのであれば待った方がいいという考え方についてどう思われますでしょうか?

厚切りジェイソンさんの書かれた「ジェイソン流お金の増やし方」では、娘たちがゲームを買う時に「すぐに買わずに待てば安くなる。安くなってから買えばいい」と教育しており、待つことの重要さを説明しています。

私も欲しい物はすぐ買わずに、欲しいものリストに入れてから、安くなるのを待って買っています。

投資の観点からすれば、時間を味方につけることで利益が大きくなります。世間が熱狂している時に高値掴みをせず、株価が下がってから買う事で利益が大きくなります。

不動産も新築を買うより中古を買った方が利益率は高いです。不動産は新築が一番高いです。

Q太郎さんは「欲しい物は定価で買え」と言っていましたが、待てば安くなるなら待った方が良いのではないでしょうか?」

とのことです。

ここは経済的合理性を重視するのか、機会損失やメンタル面を重視するのかで話が変わってくるところです。

例えばご質問の中で書かれているゲームについてですが、これは時間が経てば安くなることはほぼ確実です。ただ最近は例外も増えてきていて、Steamにある『Rim World』という人気ゲームはどんどん値段が高くなっていたり、円安の影響でパラドックス社などの海外ゲームが値上げしたていたりなどで、ちょっと状況が変わってきている部分もあります。

ただ日本国内で発売されているゲームは、時間とともに確実に安くはなるでしょう。まあ、数十年後とか、時間が経ちすぎることによってプレミア化して値段が高くなることもありますが、数年単位なら基本的には値段が下がります。昔、ヤフオクでドリームキャストを買ったことがあるのですが、本体とゲーム20本ぐらいついて5千円ぐらいでした。ブームの去ったものは一気に値段が下がりますね。ちなみに遊び飽きて再出品したら、やっぱり5千円ぐらいで売れたので、ほぼ無料で遊べたようなものです。

そんな感じで、ゲームみたいな誰でも手に入れられるものであれば、価値は時間ととともに落ちていきますので、お金の節約をしたければ待つのも一つの方法とは思います。

ただ不動産とか値段の高い物だったら話は変わってくるのですが、ゲームというのは正直そんな高い物ではないのですね。例えば定価5000円のゲームがあったとして、これを半年待って20%OFFになったとしても、せいぜい割引価格は1000円なわけです。

すると半年分の機会損失が発生します。考え方を変えれば、半年という時間を1000円というお金に変えたということにもなるのですね。

すごく遊びたかったの、1000円というお金のために半年我慢したというは、機会損失という面ではちょっとわりに合わない気はします。仮に半年の間に大きな病気になったとか、死んでしまったとかいうことになってしまえば、悔やんでも悔やみきれないわけです。死ぬ間際に、「なんでたった1000円のために我慢してたんだ」みたいな後悔がありそうな気もしますしね。

あとは熱量ですね。そのゲームが遊びたいというボルテージが上がっているときに遊ぶのが一番楽しめます。半年後になるとかなり冷めてくる可能性もあるので、そこまで熱中できなかったり楽しめなかったりみたいなものもあるとは思います。

『DIE WITH ZERO』の本で、若い時にお金が理由で旅行を我慢して、年を取った時に行ってみたらあまり楽しめなかったという話があって、人生で物事が楽しめる時期というのはそんなに長くないのですね。自分の熱量があるときに、それを楽しんでおくというのも重要なこととは思います。お金はあの世に持っていけません。

ただ借金してまで欲しい物を買うのはちょっと話が違ってきて、これは自分のキャパシティーを超えたものを欲しがっていることにもなります。あくまで稼いだお金の範囲内での話ですね。

この機会損失ですが、投資でも問題になる部分です。

例えば欲しい株があって、高値っぽいので安くなるまで待ったとします。まあ、現実問題、高値かどうかはあくまで個人の感想なので、実際の高値かはわかりません。そんなものがわかれば大金持ちですしね。

それで、自分が高値っぽいと思い込んで、落ちるの待って買わないでいたところ、その株はどんどん値上がりしていって、高値だと思っていたときの2倍になってしまったということもあります。

そもそも個別株の場合、上昇中に順張りしていくのが基本的な買い方なので、下がってから買うという逆張りをやるともっと下がるみたいな状況になりがちです。ウォーレン・バフェット氏みたいに企業価値を考えて、この価格は安すぎるみたいなのをちゃんと理解しているならいいのですが、そうでない場合、たんにズドンして安くなったからみたいな理由で買うと、さらに安くなる可能性が高いです。ズドンするにはズドンするだけの理由がありますしね。

投資と買い物は別なので分けて考えた方が良いですが、買い物については単にお金の問題だけでなく、機会損失や熱量の問題もあります。そもそも人間はいつまでも生きられる生き物でもありませんし、明日なんかあって死ぬかもしれません。あんまり節約するために機会損失をすると、たんにお金に振り回されてるだけの人生みたくなってきます。主導権が自分では無くてお金にある状態なのですね。

ただ明らかな無駄遣いみたいなのもあります。単にその場限りの欲望を満たすだけのようなお金の使い方や、おなじものをリピートして何の経験にもならないようなお金の使い方は考えたほうがいいですね。そのあたりの話は以前の動画を参照していただければと思います。

もう一つの問題としては、セールで買うということは、そのぶん開発者とか誰かが損をこうむるということですね。

ちょっと遊んでみたい程度のゲームなら、待ってセールで買うのもいいのですが、本当に好きなものや、その開発者や生産者に今後も仕事を続けてほしいと考えているのであれば、あえてセールではないて定価で買うほうがが、良い物が今後も持続していくことにもなります。これも投資の一種ですね。

以前も紹介した「年収90万円で東京ハッピーライフ 」の著者である大原扁理さんは、年収90万円でも寄付はしますし、できるだけ定価で買うようにしているとのことです。

このことについて大原さんは、「安く買うということは、その値段分誰かが泣いている」ということにもなるとのことなので、安売りを喜ぶのはあまりよくないこととしているそうです。年収90万円でもこういう考えを持てるのは素晴らしいですね。

それで厚切りジェイソンさんの娘への教育ですが、お金の観点からすると一見正しいことを言っているようですが、けっきょくこれは自分が得しているというだけの話で、相手のことはなにも考えていないのですね。

その安くなった分だけ、どこかにしわ寄せがきていること、生産者や開発者がそのぶん泣いていることも合わせて娘さんに教育したほうがいいんじゃないかという気もします。そうでないと、世の中自分の得しか考えない人達ばかりになってしまいますしね。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・「安くなるまで待つ」は、経済的合理性を重視するのか、機会損失や熱量を重視するかで変わってくる。

・基本的に誰でも買えるものは、時間とともに安くなっていく。待つことによって安く買える可能性は高い。

・ただこれはお金だけの問題であり、待つことによる機会損失や熱量の低下もある。

・ただし借金してまで欲しいものを買うのは、自分のキャパシティを超えた行為。

・投資の場合も、待つことによる機会損失が起こる場合もある。

・お金を優先させることは、人生の主導権が自分ではなくお金にあることになる。(お金に振り回されている人生ですね)

・人はいつ死ぬかわからない。楽しめる時期に楽しまなかったことは、人生として大きな損失になる場合もある。

・ただし、単にその場限りの欲望を満たすだけのようなお金の使い方や、おなじものをリピートして何の経験にもならないようなお金の使い方は考えたほういい。

・安く買うということは、その値段分、誰かが泣いていることにもなる。適正価格で買う事は、良い物を持続させる投資にもなる。

となります。

そんなわけで、人は本当にいつ死ぬかわかりませんので、たんに経済的合理性だけで生きているとなんかあったときに後悔してもしきれないとは思います。

お金を貯めるのもいいことですが、やる気があるときにやりたいことをやったほうが、人生が豊かになるとは思います。あとで熱量が落ちたときにやっても楽しめませんしね。

無駄遣いはよくありませんが、ただ経済合理性だけでなく、一方で人生を楽しむということも意識して生きた方が毎日が楽しくなるとは思います。