FIRE後にやりたいことが多くて、結局何もできない

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yaritaikoto dekinai

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回はFIRE後、やりたいことが多くて、結局何もできないで一日が終わるという悩みについてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

FIRE後にやりたいことが多い

こんなご質問をいただきました。

FIRE後の毎日のルーティンについてお聞きしたいことがあります。

私は早期退職をして、現在は仕事をしていません。以前の動画で私と似たような方が出てきましたが、その方とおなじく仕事自体はやる気が起こりません。

それでQ太郎さんは「料理をしたほうがいい」のような話をしていましたが、私は自炊派なので料理自体はよくやっています。そのため、「地に足をつけた日々の生活」という点に関しては問題ないとは思います。

ただそれ以外の時間の使い方ですが、最近このあたりが難しくなってきました。

以前までは、時間があればゲームや動画を楽しんでいたのですが、最近は朝起きると何をやろうかで迷ってしまい、けっきょく何もできないで一日が終わるみたいな感じになってしまいます。

たとえばゲームをするにしても、けっこうたくさんの積みゲーがあるため、どれを遊ぼうか決めているうちに、最終的には面倒になって何もやらないで終わります。

また動画についても、ネットフリックスやアマゾンプライムを契約しているのですが、どれを見ようか選んでいるうちに結局何も見ないということになってしまいます。

旅行もしたいと思っていますが、他にもやりたいことがあると考えると「また今度にしようと」考えて、なかなか実行できません。

やりたいことは多いのですが、実行段階になると迷って何もできなくなるということが繰り返されています。

Q太郎さんはこのようなことがあるでしょうか。また解決方法などあればお教えください。長文失礼いたしました。

とのことです。

「損したくない」という心理

「やりたいことが多すぎて、選んでいるうちに時間が過ぎてしまい、結局何もできずに終わる」ということですが、このこと自体はFIREとか関係なしに、誰にでもあることとは思います。

ある意味、「休日あるある」ともいえるでしょう。

とくにいまはネットフリックスやアマゾンプライムなど、動画のサブスクでは一生見終わらないぐらいの量の動画があります。

Youtubeだと一つの動画がそれほど長くないですし、すぐにおすすめとか出てきたりするので、次々に見てしまうという弊害もあるのですが、動画サブスクだと一つの動画がそこそこ長いですし、自分で選ばないといけないので、つまらない映画に出会ってしまうと「2時間もったいなかった」みたいな感じで後悔してしまうことにもなります。

Youtubeに比べると1つの動画につかう時間が多いので、タイパ的にもリスクが大きいとも言えますね。そのため、選ぶことに慎重になってしまいます。

ゲームもそうで、RPGや戦略シミュレーションゲームとかだと1ゲームクリアするのに数十時間とかかかったりします。

そのため、そんなにたくさんの時間をゲームに費やす以上、遊ぶゲームを吟味しなくてはならないということにもなります。

要するにここでどういう心理が働いているかといえば、「損したくない」ということですね。

時間を損したくないので、「時間を使うなら、少しでも良いものを観たい、良いものを遊びたい」ということになり、楽しみを最大化するために必死でよいものを探そうとしてしまうのです。

これは買い物でもおなじで、ここでは時間ではなくお金ですね。

たとえばスーパーとかデパートとかに買い物に行ったときなど、できるだけお金を損したくないですからじっくり選ぶわけです。少しでもいいものを手に入れたいから、当然といえば当然ですね。それで最終的には何も買わずに帰ってくるなんてこともあります。

この「損したくない」というのは人類共通の感情ですので、これ自体に良いも悪いもありません。そもそも損したい人なんていないでしょう。

ただ時間を損したくないという場合は、矛盾が生じてしまいます。

時間を損したくないはずなのに、選んでいること自体に時間が消費されているからですね。

買い物でしたら、いろいろ選んだすえに「やっぱり買わない」だったらお金の節約になりますのでまだいいのですが、時間はそういうわけにもいきません。

本当に時間を損したくなければ、さっさと選んでさっさと遊んだほうがタイパはいいわけです。

ところが損したくないという気持ちが強いことで、選ぶことに時間をかけてしまいます。最終的に何も選べなかったのであれば、丸一日なにもせずにつぶれただけとも言えます。タイパとして考えれば一番タイパが悪い状況です。

そんなことだったら、適当に遊ぶゲームを決めて、それがクソゲーでもなんでもいいから遊んでしまったほうが、少なくともそのゲームがクソゲーだったという知識や経験は得られたとは思います。

そんなわけで、時間はお金と違って、そう簡単に節約はできません。人はいつか死にますので、そのかぎりある時間をどう有効に使うかは重要なこととは思います。

ただ時間を損したくないあまりに、その時間を選択ばかりにつかっていると、結局やりたいことが何もできないという矛盾を生じてしまいます。

時間とお金の違い

一応投資関係のチャンネルなので、ここで時間とお金の違いについて考えていきます。

よく「時間はお金では買えない」や「時間はお金より貴重」といわれますが、ここをもう少し経済的な視点から掘り下げていきます。

まずお金というのが何かというと、これは一つの「尺度」です。

たとえば長さにはメートルなどの尺度、重さにはグラムなどの尺度があります。

お金は物の価値の尺度ですね。たとえば「100円のお菓子」だったら、そのお菓子には100円の価値、ようするに尺度があたえられているのです。

たとえば、新品のテレビは100円では買えません。言い換えれば、テレビの尺度は100円ではないのですね。

この尺度というのは、単位の違いはあっても、だいたい世界共通です。

地域によって高い安いはあっても、新品のテレビを100円で買える国はたぶんないとは思います。

そういうふうに、お金というのは尺度であって、世界共通の価値観があります。「これは高い、これは安い」みたいな価値観ですね。

それで「時間」ですが、これの一番大きな問題は、共通した尺度がないことです。

たとえばくそ忙しいビジネスマンとか経営者にとっては、1時間がとてつもなく価値のあるものだとは思いますし、逆に暇を持て余している人とかは1時間にそれほど大きな価値を感じないわけです。

「あなたの寿命はあと半年です」といわれれば、1時間はかなり貴重になるわけです。

逆に若いころは健康ですし、時間が無限にあると思い込んでしまうので、時間を無駄遣いすることにそれほど抵抗はないわけです。

そうなると「暇だからバイトするか」みたいな発想にもなりますが、余命一か月の人は時給900円の仕事のために時間を売ったりはしないわけです。

つまりおなじ一時間でも、人によって価値がバラバラなのですね。お金のように共通の物差しでははかれないわけです。

そのため、「時間はお金より価値がある」といっても、時間を持て余している人にとってはピンとこないわけです。

昔読んだ「深夜特急」という旅行エッセイで、作者がインドでだらだら暮らしていたときの話があるのですが、朝起きてとくにやることもなくてお金もないので、散歩したりなどして夜までの時間をひたすらにつぶすみたいな生活を送っていました。バックパッカーの集まるドミトリーに住んでいて、まわりの人たちもそんな感じの毎日を送っているのですね。

それであるとき、隣に寝ているバックパッカーの死んだ魚のような眼を見て、「このままここの居続けるとやばい」と思って、荷物をまとめて陸路でロンドンを目指すというような話だったと思います。

こういう人たちにとっては、時間にはさほど価値がなくて、お金の価値のほうが上回っているのですね。

そのため、お金は共通の価値観がありますが、時間の価値は人それぞれなのです。

余命半年の人と、若くて健康な人とは、1時間に対する真剣さがちがうわけです。

つまり有効な時間の使い方やタイパというのも人それぞれになってしまうのです。

選ぶことが楽しい人

時間の価値観が人によって違うという話をしましたが、たまに「選ぶことに楽しみを感じる人」もいます。

ひたすら商品カタログを見たり、ウィンドウショッピングをしたりするだけで、実際は買わないような人たちですね。

こういう人たちにとって、選ぶ時間は楽しみでもあるので、タイパで考えるとタイパがいいわけです。時間を有効につかっています。

そのため質問者様がこのタイプでしたら、「時間の無駄」とはいわず、人生をエンジョイしているのではないかと思います。

「選ぶことはそんなに楽しくない」というのであれば、選ぶ時間を減らすことを考えていかなくてはなりません。

世の中、「重要な選択」と、「どうでもいい選択」があります。

重要な選択とは、自分の人生の進路とか生死にかかわることとかですね。

どうでもいい選択とは、「なんのゲームを遊ぼうか」とか「なんの映画を見ようか」とかの、ぶっちゃけどうでもいいというか、どれを選ぼうがべつに人生に大きな害もないというものです。

Q太郎的には、どうでもいい選択に対しては、「適当に選んでOK」としています。どれ選んでも大差はないので、「最初に目についたもの」や「サイコロを振って決める」など、自分で判断するより運にまかせてしまったほうがいいとは思います。

ゲームだったらさっさと1つだけ決めてインストールして、どんなにクソゲーでもそれをクリアするまで次に移らないというふうにすれば、悩む必要はないでしょう。クリアしたらアンインストールして、また次をインストールするという形です。

ネットフリックスだったら、一番上に出てくるおすすめを、何も考えずにそのまま観てください。選んではいけません。仮に選ぶ場合でも、10秒以内とか期限を決めるといいでしょう。それまでに決まらなかったら目をつぶって適当に画面をクリックすればいいです。

そしてどんなくそ映画でも最後まで見て、途中で別の映画に移らないようにしてください。ころころ変えると、そのぶん選択作業も増えてしまいます。

旅行でしたら、ダーツでも投げて行き先を決めて、その場ですぐに楽天トラベルとかで旅館を予約してしまうことです。電車で行くか、船で行くか、飛行機で行くかはそのあとで決めればいいです。もしくは最初に交通手段だけ予約して、旅館はあとで決めるという方法でもいいですね。

ここで重要なのは、これらは正直「どうでもいい選択」です。どうでもいいので、選ぶのに時間を使うぐらいだったら、早く決めてしまったほうがいいのですね。

それと、選択の苦痛を減らすために、モノを増やさないことですね。

ゲームはこれ以上新しいものを買わないとか、ネットフリックスとアマゾンプライムの両方があるなら、片方解約してもいいとは思います。とにかく選択肢を減らしてください。

人はモノを選んだとき、「選ばなかった後悔」というものもついてきます。

Aという映画とBという映画があって、Aを見た場合、「Bのほうがおもしろかったかも」というのが選ばなかった後悔ですね。

ここではABの2択なので、選ばなかった後悔は1つだけですが、仮に映画が100本あったとしたら、1つ選ぶと99個の「選ばなかった後悔」がつきまといます。

そのため選択肢は少ない方が「選ばなかった後悔」は減りますので、幸福度は上がります。お店でも3種類から一つ選ぶのと、20種類から1つ選ぶのとだと、お客さんは3種類から1つ選ぶ方を好むのですね。20種類もあると「選ぶのが面倒だからそもそも買わない」みたいになってしまいます。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・人はものを選ぶとき、「損したくない」「後悔したくない」という心理が働き、選択時間が長くなってしまう。

・時間はお金と違って共通の尺度がない。人それぞれ時間の価値が違うので、有効な時間の使い方も人それぞれになってしまう(仮に選ぶのが好きな人でしたら、選ぶことで1日が終わった場合、時間を有効に使えているともいえます)。

・選択には「重要な選択」と「どうでもいい選択」がある。

・「どうでもいい選択」はさっさと選ぶ。どれを選ぼうが結果に大きな害はない(具体的にはネットフリックスだったら一番上に出てきたおすすめを何も考えずに最後まで見るとか、決めるにしても10秒以内に決めるとかですね)。

・ものを減らすなど、選択肢を少なくする。人は何かを選ぶと、選ばなかったものに対して「選ばなかった後悔」が起こる。選ぶものが多ければ多いほど、選ばなかったものの数も多くなり、後悔も多くなる。(2個から1つを選ぶなら後悔は1つですが、100個から1つを選ぶと、選ばなかった後悔は99個になります)。

となります。

そんなわけで、エンタメで何を見ようとかは正直どうでもいい選択なので、くそ映画だろうが何だろうが、さっさと決めて観てしまったほうがいいとは思います。

迷えば迷うほど「選ばなかった後悔」を考えてしまうので、さっさと決めたほうがその後悔も少ないです。サイコロとか、目をつぶってクリックとかで選べば、自分が決めていないので、自分で決めた後悔もないとは思います。

どうでもいい選択はさっさと決める習慣をつければ、人生も生きやすくなるとは思います。