50代、「悪くない誘い」を断れない人ほど時間を失う。予定を仕分ける4つの基準

「悪くない誘い」を断れない人ほど、時間を失う。予定を減らす4つの基準
断るほど悪い話ではない。でも、受けるほど本当にやりたいことでもない。そんな「悪くない」誘いを全部引き受けていると、人生はいつの間にか忙しくなります。今回は、ドリー・クラーク氏の『ロングゲーム』にも触れながら、8点・9点の予定をどう判断するか...

こんなご質問をいただきました。

「時間を作るために、やる必要のないことをやらないというのは簡単なのですが、問題はやったらいいのかどうか不明な案件です。メリットもデメリットもある場合、Q太郎さんはどう判断しますか?」

とのことです。ありがとうございます。

だいたい忙しくなる理由というのは、この「メリットもデメリットもある案件」がスケジュールに詰め込まれていることですね。こういう判断しづらい案件がたくさんあるから、とりあえず全部詰め込んで、その結果、忙しくなる。これは質問者さんのおっしゃるとおりです。

それでQ太郎的には、本質的な問題は、予定表の中に何が入っているのか、自分で整理できなくなっていることだと思うのですね。整理できない、整理する時間がないから、全部詰め込んでいるわけです。

それで、極端な話なら、判断は簡単です。

例えば、「土曜日を丸一日使って、無報酬で資料作りを手伝ってください。自分の仕事にも、人脈にも、将来にもつながりません」という案件。これは、断っていいのは誰でもわかります。10点満点で0点の頼まれごとです。

反対に、信頼できる相手から、自分の得意分野の仕事を2時間だけ頼まれ、50万円の報酬が出る。自分の仕事にもつながる。人脈もできる。これは、受ける理由がはっきりしている10点の仕事です。

0点なら断れる。10点なら受ける。これは誰でもわかります。

人生を本当に忙しくするのは、その間にある8点、9点の話なんですね。

無報酬だけれど、有名な人に会えるかもしれない会議。昔の友人に会える同窓会。少し知識が増えそうな無料セミナー。少し得をするポイント還元。

どれも悪くない。むしろ、少し魅力がある。

だから断れない。でも、その「悪くない」を全部引き受けていくと、本当にやりたい10点のことを入れる場所が、人生からなくなっていくわけです。最初に細かい石ばかりをツボに入れていくと、最後に大きな石を入れることができなくなるのですね。

そんなわけで、ようこそ、Q太郎のお金の哲学へ。お金に飲み込まれないための生存戦略を独自の視点で解説します。

今回は「悪くない誘いを断れない人ほど忙しくなる理由」を深掘りしていきます。

・ロングゲームは、魅力的なことにもノーと言う話

ドリー・クラークさんのベストセラー『ロングゲーム』には、長い時間軸で本当に意味のあることをするためには、魅力的なことに対してもノーと言う必要がある、という考え方が出てきます。つまり10点中9点の案件にも「ノー」という判断があるという話です。

これは、何でもかんでも断って、孤独に生きましょうという話ではありません。

自分にとって本当に大事なことに集中するには、時間と気力に余白が必要だ、という話です。

予定表がすでに満杯なら、新しい良い話が来ても受けられません。先ほど言った、小さい石をどんどんツボに入れていったら、本当に入れたい大きな石が入らないという状態です。

家族が困ったとき、本当に会いたい友人から連絡が来たとき、自分が心からやりたい仕事の機会が来たとき。そのための余白まで、8点や9点の予定で埋めてしまっているかもしれない。

繰り返しますが、忙しいというのは、仕事が多い状態ではなく、スケジュールが整理されていない状態です。

やるべきことを増やす前に、やらなくていいことを減らす。これは時間管理の小技ではなく、人生の優先順位を決める話なんですね。

・例その一:有名な人と会える、無報酬の会議

「ロングゲーム」に書かれていた例に近い内容ですが、たとえば、無報酬の会議に誘われたとします。

その会議には、有名な人が参加する。有名な人と知り合いになれれば、将来、仕事につながるかもしれない。話を聞くだけでも勉強になるかもしれない。

これは0点ではありません。むしろ、かなり魅力的です。

ただ、会議が2時間でも、移動、準備、終わった後の疲れまで入れれば、半日が消えます。その半日で本当に進めたい仕事は止まる。家族と過ごす時間も、本を読む時間も減る。

ここで見るべきなのは、「有名な人と会えるか」だけではありません。

その人が有名でなかったとしても、この会議に出たいと思うか。実際に自分の長期目標に近づくのか。会議の後に、具体的な関係や行動につながる見込みがあるのか。

「可能性がある」は、便利な言葉です。でも、可能性だけなら、世の中には無数にあります。

悪くない話だから受けるのではなく、本当にやりたい方向へ進む話だから受ける。この違いをつけないと、人生はずっと「少し得しそうな会議」で埋まってしまいます。

・例その二:同窓会

次は、同窓会です。

昔の友人に会える。懐かしい話ができる。行けば楽しいかもしれない。これも、悪い話ではありません。

ただ、全員と会いたいわけではない。二次会まで付き合えば翌日がつぶれるかもしれない。本当に会いたい数人には、別の日にゆっくり会った方がいいかもしれない。

ここで考えたいのは、「同窓会に行くか」ではありません。この時間を、誰とどう過ごしたいかです。

大勢の人と義理で会う8点より、本当に会いたい友人と二人で話す10点を選ぶ。

これは人付き合いを減らすことではありません。人付き合いを濃くすることです。

Q太郎も、昔の知り合いから誘われると、断ったら悪いかなと思うことがあります。でも、「せっかく誘ってくれたから」という理由だけで行くと、結局は相手にも、自分にも、あまり濃い時間を渡せていないことがあるんですね。

なんかクラブかバーみたいなところに誘われたこともありますが、開始5分ぐらいで後悔しました。音楽がうるさいし、あきらかに自分の性質とあっていない。そもそもアルコールが飲めない。全然楽しくない。というか、苦行に近い。「良い経験ができた」ということで、さっさと、おいとまさせていただきました。

・例その三:無料セミナー

無料セミナーも、判断が難しい予定です。

知識が得られる。人脈ができる。有名な人の話を聞ける。参加費はゼロ。こんな話なら、とりあえず申し込んでおこうと思いますよね。

でも、無料という言葉は、お金の値札を消してくれますが、時間の値札までは消してくれません。

会場までの移動、準備、終了後の疲れまで入れれば、半日が消えます。そのテーマは、本を一冊読めば足りることなのか。録画で見られることなのか。今の自分に本当に必要な知識なのか。

有名な人が登壇するから行くのか。その人が有名でなくても、このテーマなら参加するのか。

こう聞き直してみると、答えが変わる予定はかなりあると思います。

もちろん、無料セミナーが全部無駄だと言いたいわけではありません。人生を変える出会いがあることも、実際にあります。

ただ、毎週のように参加して、何も実行できていないなら、それは勉強ではなく、勉強している気分を買っているだけかもしれません。

高額の有料セミナーなら、なおさら考えたほうがいいかもしれませんね。

・例その四:ポイント還元

ポイント還元も、Q太郎世代にはなかなか強敵です。

10%還元。限定セール。今だけお得。数字だけ見れば、得をしているように見えます。

でも、数百円や数千円を得るために、比較サイトを何時間も見て、店を何軒も回って、買う予定のなかった物まで買っている。

それは節約ではなく、自分の時間を安売りしているだけかもしれません。

もちろん、家計に余裕がない時期に、ポイント還元を使うことは大切です。Q太郎も、買うと決めていた物がタイミングよく安くなっているなら、ありがたく使います。

ただ、得をする感覚そのものが目的になってしまうと、話が変わります。お金を守るために時間を使うのか。時間を守るために、少しのお金を手放すのか。そこは自分で決めた方がいいと思います。

・8点、9点の予定をどう判断するか

では、0点でも10点でもない予定を、どう判断すればいいのか。

Q太郎なら、迷う予定に四つ質問します。

一つ目。今年、自分が本当に進めたいことを前に進めるか。

二つ目。相手が有名でなくても、この誘いを受けるか。

三つ目。断ったら、1年後に本当に後悔するか。

四つ目。この予定に使う時間を、納得して払えるか。

四つともイエスなら、8点に見える予定でも、実は自分にとって10点かもしれません。

逆に、「悪くないから」「せっかく誘われたから」「もったいないから」しか理由が出ないなら、それは断っていい予定だと思います。

もう一つ、予定は当日の時間だけで数えない方がいいと思います。

夜の会食なら、当日は2時間でも、帰宅が遅くなれば翌朝はぼんやりする。休日のセミナーなら、移動と準備で半日を使い、翌日は疲れを取るだけで終わる。ポイント還元の買い物も、調べる時間と、買った物を管理する時間が後からついてくる。

予定には、見えない後払いのコストがあります。

だからQ太郎は、「この予定は何時間かかるか」ではなく、「この予定は自分の週末をどれだけ占領するか」で考えた方がいいと思っています。

物を買うときに、「それを捨てるにはどうすればいいのか」を同時に考えるような感じです。捨てるのが面倒なものなら「買わない」という判断をしますね。

8点の予定を一つ受けるだけなら、人生は変わりません。でも、毎週一つずつ受けていけば、1か月で四つです。予定表は、悪い予定ではなく、悪くない予定だけで満杯になります。これが質問者さんも指摘している現実的な「忙しくなる理由」です。「やりたくないことはやらなくていい」なんてわかりやすくないから、「とりあえず」で予定が詰まって忙しくなるわけです。

その状態になると、本当にやりたいことが出てきても、「今月はもう無理です」と言うしかなくなる。人生の主導権を失うのは、こういう小さな積み重ねからなんじゃないかと思います。

それで断るときは、立派な理由を長々と説明しなくていいんですね。「今回は予定があって難しいです」「今回は見送ります」で十分です。

理由を盛りすぎると、相手はその理由を解決して、もう一度誘ってくれます。丁寧に断ることと、交渉の余地を残すことは別です。

・ノーは、10点の人生を守る言葉

それで断ると、機会を逃す気がします。これはQ太郎もつねづね思う事です。

でも、すべての可能性を拾うことはできません。何かを選ぶことは、他の何かを選ばないことです。

むしろ、8点や9点の予定を断って余白を守るからこそ、本当に大切な家族からの相談、会いたい友人からの誘い、自分が心からやりたい仕事に、全力でイエスと言える。

ノーは、人間関係を切る言葉ではありません。自分の人生の優先順位を守る言葉です。

そして、いつも断る人になる必要もありません。本当に会いたい人、本当に学びたいこと、自分の長期目標に近づく仕事には、むしろ迷わずイエスと言えばいい。

大事なのは、誰にでも同じように時間を配ることではありません。自分が選んだ大切なことに、十分な時間と気力を渡せるようにしておくことです。

前回、忙しい人ほどFIREできない理由として、忙しさは人生を考えないための便利な言い訳にもなる、という話をしました。

資産ができても、8点の予定で人生を埋め続けるなら、忙しさの中身が会社の仕事から、投資、人付き合い、買い物に変わるだけです。

FIREの価値は、予定を全部埋める自由ではありません。自分の時間を、誰に渡すか。何に使うか。何もしないか。自分で決められることです。

・まとめ

そんなわけでまとめると、人生を忙しくするのは、誰でも断れる0点の予定ではありません。「悪くない」8点、9点の予定です。こいつらを仕分けできずに、「とりあえず」で全部詰め込んでしまうため、スケジュールが埋まってしまうわけです。

有名な人と会える無報酬の会議。昔の友人に会える同窓会。少し知識が増えそうな無料セミナー。少し得をするポイント還元。どれも悪い話ではありません。

ただ、それを引き受けることで、本当にやりたい10点のことが後回しになるなら、一度立ち止まる価値があります。

やることを増やすより、必要のないことを減らす。

前回も言いましたが、生活の余白は、予定が空っぽなことではありません。本当に大切なことを選べるように、自分で空けておく場所です。

今日、予定表を一つだけ見直してみる。それだけでも、人生のハンドルを自分の手に戻す小さな練習になると思います。

皆さんには、最近「悪くないから」と引き受けてしまった予定はありますか。それを断ったら、どんな10点の時間を作れそうでしょうか。よければコメントで教えてください。全部読ませていただいています。

数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。ではまた、Q太郎でした。この動画を気に入っていただけましたら、高評価・チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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