円安どこまで?バブル期は3カ月で147円→111円の円高反転も【米国株投資】

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QYLD全力太郎ことQ太郎です。

このところ一気に上がっていったドル円。140円を突破してから145円あたりまで行ったものの、いま一服して142円台まで戻しました。

ただこれが押し目になって、さらに上昇しそうな気もします。

下がってきたところで買いたい人多そうですしね。

一方で日銀や政府が何をしているかと言えば、金利を上げられないので「注視している」を連発するしかありません。

今回は円安がどこまで行くかと、バブル期の円安からの一気に円高反転の動きについてです。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

これまでの円安

さて、止まらない感じになってきた円安です。

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今週だけで5円ぐらい動いていますね。一時145円まで行ってからの、いまは142円台まで戻してきています。

ただ下がるたびに買いが入りそうな感じなので、ただたんに押し目になっているだけのような感じもありますね。

一方で日銀や政府になにができるかと言えば、先ほども述べたように、金利を上げられないので「注視している」を連発するしかありません。

注視していると言っておけば、一時的に円安進行が止まると思っているですが、さすがに連発しすぎるとなんの効果も無くなります。

そもそも注視するのはいいとして、それから何かあったときに、具体的になにをするのかをまったく言っていないのですね。

いま142円台まで落ちたのは、本日9日の、黒田総裁の発言にあります。

黒田総裁は、

「1日に2円も3円も動くのは急激な変化。急激な為替レートの変動は、企業の経営方針を不安定にし、将来の不確実性を高めてしまう意味で好ましくない」

と指摘しました。

そしてある意味日本政府のお家芸である

「為替市場の動向を今後とも注視する」

の注視砲を撃ちました。

ぶっちゃけ日本の言う「注視」というのは、翻訳すると「何もしない」ということでもあったりします。

現在の円安の原因は、アメリカが利上げしているのに対して、日本はずっと金融緩和を続けて金利を上げないようにしているため、普通に考えて円安になるしかないような状況に陥っています。

低金利の日本にお金を預けるより、高金利のアメリカにお金をあずけたほうがいいですしね。

かといって、円安を防ぐために日本が利上げをできるかと言えば、かなり難しいとは思います。

ただ、これまで一直線に上がってきたこともあり、戻りが始まるとけっこう速い可能性もあります。

バブル期のドル円

ここでバブル期の動きを見ていきましょう。

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1995年に1ドル80円台だったドル円が、一気に円安方向へと進んでいき、1998年に入ってからは山一証券などの大手金融機関が相次いで倒産し、円売りが加速していきました。

この状況の中で、日本や日銀がなにをやったかと言えば、「円買いドル売り」の介入です。

4月と6月におこなったのですが、効果はあまりなく、円安はおさまらず、ドル円はついに147円へと到達します。

しかしここで、8月にロシアのルーブルショックが起き、悪名高き大手ヘッジファンドのLTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)が破綻します。レバレッジ投資の失敗例として有名ですね。LTCMについてはまた別の動画で述べようと思います。

すると米国経済に悲観的な見方が増え、安全資産と言われる円が一気に買われはじめます。

ここから怒涛の円高転換ですね。

10月になると一気にズドンといって、つい2カ月前まで147円で「円安どうしよう」なんて言っていたドル円が、111円台まで落ちてしまいました。10月だけで30円も円高に動いていますから、そのすさまじさがわかるかと思います。

ドル円はこのあと、長期的な円高トレンドへと動いていき、2011年には70円台へと突入します。

 

まとめとQ太郎の見解

円高になる要因は、やはり米国経済のリセッションでしょう。

とはいえ、現状の米国経済はまだ堅調な状態です。

しかもバブル期は、日本の金利は5%ぐらいありましたから、低金利のいまとはまったく状況が違います。

アメリカにとっては、インフレを抑え込むためにはドル高が望ましいので、日本と協力して介入することもやりそうにない気はします。

今後のドル円

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今後のドル円ですが、145円を突破したあとは、やはりバブル期の147円が意識されてくるとは思います。

そこが突破されると、次は1989年の160円になりますね。

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160円まで突破されてしまうと、次は260円台までとくに何もないといった状況になるので、日本自体がやばくなりそうな気はします。

現在はボラティリティが高いので、円安・円高、どちらの方面にも気をつけなければならないとは思います。

ただ金利差的には、短期的に戻すことはあっても、しばらくは円安方向に動きそうな気はします。

日銀がなにかをするとも思えませんし、アメリカもインフレを抑えるためにドル高放置の構えですしね。

なんにしろ対策としては、やはりどちらに転んでもいいようなポジションを作っておいたほうがいいとは思います。

というか、日本も通貨安と観光で稼ぐという、発展途上国みたいな稼ぎ方になってきているのがちょっと心配ですね。

ただ政府も日銀も、「注視」しているだけでなにもしなさそうな気はしますけどね。