FIRE後、「お金貸して」と言われたときの対処法

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syakkin

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、FIRE後に肉親や兄弟、友人からの借金についてです。

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FIRE後の借金の催促

こんなご質問をいただきました。

「質問させていただきます。

現在FIREしていますが、軽めの仕事を週3日ほどしています。現在の過ごし方が自分には合っているので、仕事を辞める予定もありません。

それで兄から100万円ほどの借金の催促をされています。(そのまま読んでしまいましたが、これは貸す側なので「借金の無心」ですね)

兄は大企業勤めで年収1000万円以上はあるのですが、子供が3人いて金銭的には厳しいとのことです。年末になるとほとんど貯金が残らないという状態だそうです。

お金を借りたい理由というのは、あくまでいざというときのための生活費で、安心のために銀行口座においておきたいそうです。何か贅沢をするために使いたいわけではありません。

すでに兄は同じ理由で両親からそれぞれ100万ずつ借りています。

100万でしたら私としても大きな金額でもありませんし、贈与税もかかりませんので別に貸すこと自体には問題無いのですが、一方で「これは借りる必要のあるお金なのか?」という気もしてしまいます。

緊急で使うわけではなく、ただたんに安心のために銀行に置いておくだけに借金すると言うのは、自分の感覚ではあまり納得できる物では在りません。

私自身はこれまで借金もせずに暮らしてきたこともあり、借金自体に嫌悪感があります。借りることもしたくない一方、貸すこともしたくありません。緊急とか命に係わるとかならまだしも、緊急なわけでもないのに100万貸すのも納得できません。

一方、自分は子供がおらず、三人の子供を育てる兄を立派だとも思っています。兄弟仲が悪いわけでもありませんし、子供たちも可愛いです。できることなら協力してあげたいのですが、兄のお金の使い方も私から見ると合理的とは思えません。しょっちゅう高い衣服を買ったり、家族で外食をしたり、子供に玩具をどんどん買い与えたりで(家じゅう玩具だらけです。)、借りるぐらいなら節約した方が良いんじゃ無いかとも思っています。

おそらく貸すことにはなると思いますが、どうしてもモヤモヤします。このようなケースの場合、Q太郎さんだったらどうするでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

とのことです。

友人だったら「うちは先祖代々借金しない掟」とか、「うちの決まりで借金は厳禁」とか家庭や一族のルールを持ち出してごまかす手もありますが、家族だと難しいですね。

ただ家族であれば、正直に自分の気持ちを伝えてもいいんじゃないかとは思います。これまで借金してこなかったことを言って、心理的な障壁が大きいことを素直に伝えればいいんじゃないでしょうか。それがあなたの生き方なのですしね。

そのうえで、お金を貸すのであれば貸せばいいとは思います。「借金をすることもお金を貸すことも、自分の人生観とは違うのですが、それでもあなたたちのために貸しました」ということの意思表示ですね。

あまりあからさまに伝えると恩着せがましくなるので、そこは知恵をつかってうまく伝えてください。そうすれば、今後追加で催促されることも減るとは思います。とにかく「自分の生き方はこうだ」ということを相手に理解させてください。

相手がサイコパスすぎるのであればどうにもなりませんが、質問の内容からだとそういうわけでも無い感じです。話をそのまま信じれば、お金が足りないわけではなくて、いざというときの安心のために銀行口座に置いておきたいという話のようですしね。

正直「信用取引」という言葉が頭の中をちらつきますが、それもいったん置いておき、言葉どおりに信用しておきましょう。

期限を決める

それで「銀行口座に置いておく」ということは、「いつまで置いておくのか」が問題になるとは思います。

あとでトラブルにならないよう、このあたりはちゃんと取り決めをしておいた方が良いでしょう。

「わからない」とか「無期限」という話であれば、それはあげたことになるので、あげる気で貸した方が良いとは思います。いつ戻ってくるかを心配していると、無駄にメンタルがやられますしね。100万払ってメンタルを買った方が良いです。

相手が「2年後」とか期限を決めたのなら、証拠の残る形で文章にしておくのがいいでしょう。「本気で取り返す」という話ではなく、あまり気軽にお金の貸し借りをできないようにするための足枷ですね。気軽に借金ができないよう、貸す時にはある程度プレッシャーをあたえておいた方がいいとは思います。

とくに少額の借金だと、「おかわり」が来ることが多いです。一度貸しただけでは終わらないことが結構ありますね。

とくに生活費の補填で借りた場合、その時点ですでに生活が立ちいかなくなっているので、今後も借金を続けるしかなくなる可能性はかなり高いです。

少額だと相手も借りやすいので、たとえ少額でも貸すのに抵抗があれば、そのたびに借用書を作った方が相手も借りづらくなるとは思います。「借りやすい人」だと思わせないことが重要ですね。

ちなみに日本だと、戻ってこなくても気にしない金額の平均が「500円」ぐらいとのアンケート結果があったりします。これは逆に言うと、借りる方も500円ぐらいなら返すことを気にしないということにもなります。

現在はインフレなのでもうちょっと高くなっているとは思いますが、1000円以下の金額を貸す場合は、基本的にあきらめたほうがいいとは思いますね。そうじゃなければ、最初から貸さないほうがいいです。

お金ではなく知恵を貸す

ご質問の中で、「できることなら協力してあげたいのですが、兄のお金の使い方も私から見ると合理的とは思えません。」とあります。

それでしたら、可能であれば「お金は貸さないけど知恵は貸す」とのことで、資産管理を手伝ってあげるというのも手です。Q太郎だとこの方法を使うとは思います。

先ほども述べたように、生活のための借金だと、その時点ですでに生活が成り立っていない可能性もあります。その状態が変わらないかぎり、いわば本人が生活態度を変えないかぎり、今後も借金を続けるしかなくなります。

穴の開いたバケツにいくら水を入れても、結局は漏れ出して何も残りません。必要なのは水を入れることではなく、穴をふさぐことです。

FIREしているのでしたらそのあたりの管理は得意とは思いますので、お兄様の家計管理を手伝ってあげればいいんじゃないでしょうか。

ただお兄様は子供も3人いますし、自分の感覚で家計管理してしまうとまずいこともありますので、そのあたりは注意したほうがいいでしょう。その家庭にはその家庭のやり方がありますし、お兄様にもお兄様のやり方があるので、「子供の娯楽費は無駄だから全部削って教育費に回せ」とか「高い服買うのは禁止」とか「家族で外食禁止」とか、やり方自体を極端に変えてしまうのはまずいわけです。

他人から見れば無駄かもしれませんが、その家庭にとってはそうではない場合が多いです。あくまでその家庭のやり方を尊重したうえで、「このあたりちょっと削るといいですよ」「こっちのサービスに切り替えると安く済みますよ」的なアドバイスをあたえればいいでしょう。

あくまで他人の家庭なので、自分がコントロールしないように注意しないといけないのですね。

ご質問の文章にあった「子供に玩具をどんどん買い与えたり」もその人なりの考え方があるとは思うので、削るにしても回数を減らすとか、記念日にしか買わないとか、何かしらルールを設ける方向で制限するほうがいいとは思います。

それに玩具は、人からゆずってもらう場合も多いので、玩具の量=金額ともかぎらないのですね。アメリカやニュージーランドの子供はかなり玩具を持ってますが、ほとんどゆずってもらったりとか、ガレージセールでタダ同然とかで、見た目ほどお金がかかってなかったりします。

アメリカにいる知人の子供とか、玩具の量が本当にやばいレベルで、触ったことすらないものもたくさんあったりしますが、ほとんど人からもらったものばかりです。子供が大きくなるとまた人にゆずるため、雪だるま式にどんどん玩具が増えていくのですね。

そんなわけで、玩具に関しては見た目と実際の支出が釣り合わないことが多いので、また玩具以外もそうなっている可能性があるので、どこの支出が多くなっているのかは数値的に判断した方がいいでしょう。

なんにしろ、子供が3人もいるとそれなりに支出は多くなるので、住むところにもよりますが、年収1000万円以上でも、贅沢しなくても足りなくなる場合はありますね。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・友人の借金を断るには家族・一族ルールを持ち出すのも手。

・家族であれば、素直に自分の気持ちを伝えた方が良い。そのうえで貸すなり何なりする。

・信用取引という言葉がちらつくが、たぶん気のせい。

・返却期限を決め、文章化しておくことで「おかわり」を防ぐ。

・貸すことがあったとしても「借りやすい人」だと思わせないようにする。

・1000円以下の借金は、基本戻ってこないことが前提。嫌なら貸さない。

・「お金は貸さないけど知恵は貸す」で資産管理のお手伝い。ただし相手の家庭を尊重し、コントロールしようとしない。あくまでアドバイス程度。

・相手が本当に無駄遣いしているかどうかは、印象ではなく数字で客観的に判断。贅沢していなくても足りない場合がある。

となります。

借金は絶対してはいけないということはありませんし、家族が本当に困ってたら助けてあげるというのも大切とは思います。

その一方で、「借りやすい人」みたいに見られないように、貸すのであれば借用書をつくるなり何なりして、「借りるのがちょっと面倒」な感じを演出しておくのも重要とは思います。「借りやすい人」に見られると、次々におかわりが来ます。「ちょっと面倒な人」には本当に困ったときにしか借りに行きませんしね。

そんなわけで、貸すか貸さないかは自分の状況や相手との関係を冷静に判断して、どうするかを決めるのがいいでしょう。貸すにしても、「借金は自分の主義に反すること」を伝えてからの方が、モヤモヤをひきずらなくてすむとは思います。