GAFAMは安心?トランプ関税でスマホ除外
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、トランプ関税でスマホやノートPCなどの電子機器が除外されたことについてです
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
トランプ関税で電子機器除外
こんなご質問をいただきました。
「連日ころころ方針の変わるトランプ関税ですが、さっそくスマホが除外されましたね。
明らかに何も考えずに関税政策をやっていた事が浮き彫りになっています。
連日株式市場を振り回しまくっているトランプですが、しかしこのことによって、AppleをはじめとするGAFAMなど米ハイテク企業のリバウンドも期待できるのではないかと思っています。
ただまた今後、トランプが何を言い出すかわかったものではありません。
昔、橋本治の『上司は思いつきでものを言う』という本がベストセラーになったことがありましたが、まさにそんな状況で、トランプは思い付きでものを言っている感じです。しかもころころ変わります。企業も対応のしようがないと思いますが、これについてご意見お聞かせください」
とのことです。
本当に振り回しまくってますね。急に相互関税の90日間の猶予を言い出したかと思ったら、今度はスマホですしね。
ただちゃんと調べてみますと、情報の流れとしては11日にアメリカの税関・国境取締局が、スマホやノートPCなどの電子機器、半導体製造装置などを相互関税の対象から除外すると通達を出したことが発端です。
ただこれはトランプ大統領自身からの通達ではなく、トランプ大統領自身は昨日13日にSNSで「不公正な貿易や非関税障壁について誰も責任を免れることはできない」と中国を名指しで批判したうえで、「関税の除外など発表していない」と投稿し、スマートフォンなどの電子機器には「相互関税」とは別の関税を課す考えを示しました。
つまり電子機器などの関税が除外になったわけではなく、相互関税とは別の税率になるというだけの話のようです。
そのため、スマホなどの電子機器が関税除外になったと考えるのは時期尚早でして、あくまで相互関税とは別腹になっただけみたいです。電子機器に関税がかからなくなるとは言っていないのですね。
そのため、電子機器のほうに何パーセントかかるかは、これからのトランプ大統領の出方次第というわけです。現状、何パーセントかかるかわからない状態なので、GAFAM銘柄によろこんで飛びつくような状況ではないとは思いますね。
ヤフーとかのニュース記事を見てみると、スマホの関税が除外されたとか、関税がかからないみたいな論調で書いているものもあるのですが、トランプ大統領はそんなことはいっさい言ってませんので、そこは注意した方が良いとは思います。語誤報というよりも、記者がちゃんと状況と事実を嚙み砕かずに記事を書いてしまっている感じはありますね。
それとラトニック商務長官もこのことについて、「相互関税からは除外されるが、半導体の分野別関税に含まれる。おそらく1~2か月の間に導入される。国家安全保障のためにアメリカ国内で生産されなければならない。各国との交渉の対象ではない」と述べているので、税率自体はこれから考えるようです。下手するとけっこう高くなる可能性があります。
そんなわけで関税が除外されたわけではなくて、あくまで税率が別になるという話です。現状、その税率がわからないわけですので、へたにGAFAM株にとびつくと、あとで突き落とされる可能性もあるわけです。
短期取引でも、こういうボラティリティの高い時期は静観した方がいいかなとは思いますね。ボラが高すぎて、ほとんど半か丁かのバクチをやっているようなものですしね。もはや投資とかそういう話じゃなくて、完全に金融市場がカジノ化しているわけです。楽しい人には楽しいかもしれませんが、正直暗号資産よりたちが悪い感じですね。
いま日経平均を見てみますと、一時700円以上値上がりしていましたが、いまはちょっと落ち着いている感じですね。
中国との報復関税合戦ですが、報復してきた中国に、トランプ大統領は145%の関税を課して、中国はそれに対してさらに関税を125%に引き上げるといった泥沼な状況になりましたが、中国はどうやらここまでのようで、「今後報復があった場合は無視する」という考えを示しました。まあ、ほとんど子供のケンカになってますし、馬鹿馬鹿しすぎて付き合いきれなくなったというのが本音でしょう。
半導体についても、ラトニック商務長官の「国家安全保障のためにアメリカ国内で生産されなければならない」とのコメントにあるように、トランプ政権の政策としては、高関税で工場を国内に戻す路線自体は変更する気はなさそうです。
けっきょく高関税自体を引き上げる予定はなさそうなので、ただでさえインフレのひどいアメリカがさらにひどくなりそうです。一年先の予想インフレ率が6.7%との試算もあって、確実に生活に直撃することになります。
しかしこんなに情報が錯綜して、内容もコロコロ変わっていたら、企業側としても国内に工場戻すとかやってられないと思います。戻したら戻したで、「やっぱり関税辞めました」みたいなことになって、投資が無駄になってしまいますしね。
いまできることといえば、ひたすらなにもせずに成り行きを見守るしかないでしょう。どうせまたルールが変わってしまいそうですしね。やってられないというのが本音とは思います。
4年後の選挙でトランプ大統領が負けて、またぜんぶ元に戻すみたいな話になったら、企業側としても投資が無駄になってしまいますしね。とにかくこの4年間どうなるかといったところです。企業からすれば、本当にやってられないような状況とは思います。
それといまや生活の必需品であるスマホの値段が上がったら、さすがにトランプ支持者も考え直すとは思いますね。試算だとiPhoneの価格が50万円になるともいわれていますしね。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・スマホなど電子機器関連の除外は、11日にアメリカの税関・国境取締局からの通達による情報。
・ただしトランプ大統領は、関税を除外する予定はなく、相互関税とは別の関税を課すことを13日に発表。
・ラトニック商務長官も、この新たな別関税は1~2か月に実行されると通達。
・正しくは「スマホ除外」ではなく、「スマホには別関税」。
・関税が無くなるわけではないので、ハイテク株に飛びつくのは時期尚早。
・トランプ政権は、安全保障のために電子機器の国内製造を推し進めている。
・ただ企業側からすると、あまりに政策がコロコロ変わるので、国内工場建設もリスク。なにもせずに静観するのが正解かと。
・4年後の選挙で共和党が負けるとまた全部ひっくり返されるおそれも。企業側としてはやってられないというのが本音かと。
・スマホが高くなったら、さすがのトランプ支持者も考えが変わりそう。
となります。
そんなわけでスマホが除外になるわけではなく、たんに相互関税とは別の関税で扱われるということなので、ハイテク株にとびつくタイミングでもないとは思います。
トランプ政権の目的である、安全保障のためのアメリカへの生産回帰自体はぶれていませんので、電子機器にどの程度の関税がかかるかは1~2か月後どうなるかを見ていくしかありませんね。
しかし、相互関税の一時停止もそうですし、ほとんど行き当たりばったりで決めている感じで、この4年間はずっと振り回され続けるんじゃないかとは思います。