
Q太郎のお金の哲学です。
今回は、いくら投資して、どれだけ働くべきかについてです。
YouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
いくら投資して、どれだけ働くべきか
こんなご質問をいただきました。
「Q太郎さんに質問です。いつも、拝見させていただいております。Q太郎さんは、自身でどのくらいの金額を投資して、働いて、生きていかれる予定でしょうか?なかなか、自分では答えが出ません。どうぞよろしくお願いいたします。」
とのことです。ありがとうございます。
これ、かなり大事な質問だと思います。というのも、資産形成をしている人なら、多くの人がどこかで同じようなところにぶつかるからです。
いくら投資すればいいのか。現金はいくら残せばいいのか。いつまで働けばいいのか。どのくらい資産があれば安心なのか。FIREできるのか。それとも、まだ働いた方がいいのか。
こういう話ですね。
ただ、ここで最初に言っておきたいのは、この答えは人によってかなり違うということです。年齢も違いますし、家族構成も違います。生活費も違います。持ち家か賃貸かも違います。年金見込みも違います。病気のリスクも違います。どれくらい働きたいか、逆にどれくらい働きたくないかも違います(笑)
なので、「全員この金額を投資すれば大丈夫です」とか、「この年齢まで働けば正解です」とは言えません。
ただし、考え方の順番はあります。
ここちょっと考えてみてほしいんですけど、答えが出ないときって、多くの場合、「投資額」がわからないのではなく、その手前にある「生活費」が見えていないんですね。
自分は年間いくらあれば、そこそこ満足して暮らせるのか。最低いくらあれば生きられるのか。安心して暮らすにはいくら必要なのか。ここが見えていないと、どれだけ投資しても、どれだけ働いても、不安の正体が見えません。
逆に、年間支出が見えてくると、かなり話が整理されます。
年間300万円で暮らす人と、年間600万円で暮らす人では、必要な資産額がまったく違います。年間150万円で暮らせる人と、年間1000万円必要な人では、働く必要性もまったく違います。
つまり、「いくら投資するか」「どれだけ働くか」の答えは、まず「自分はいくら使う人間なのか」から始まるんですね。
そんなわけで、ようこそQ太郎のお金の哲学チャンネルへ。賢く資産形成をしつつ、お金に悩まされない生存戦略を発信しています。今回は、「いくら投資して、どれだけ働くべきか」答えが出ない人へ、お金の設計図について、独自の視点で深掘りしていきます。
Q太郎はバケツ戦略で考える
何度か動画でも話していることですが、Q太郎は資産管理について、基本的に「バケツ戦略」を基準に考えています。
バケツ戦略というのは、お金を役割ごとに分けて管理する考え方です。難しく聞こえるかもしれませんが、やっていることはかなりシンプルです。
短期で使うお金。中期で使うお金。長期で運用するお金。これを分けるだけです。
まず短期バケツがあります。これは生活防衛資金です。急に仕事がなくなった。病気になった。家電が壊れた。急な出費が出た。そういうときに生活を守るためのお金ですね。
働いている方なら、生活費の半年分くらいが一つの目安になると思います。もちろん、不安が強い方や、収入が不安定な方は、もう少し多めでもいいです。逆に、安定した仕事があって、家族の支援もあるなら、少し少なめでもいいかもしれません。
FIREしている方なら、一年分の生活費くらいは短期バケツに入れておくと、かなり安心感があります。FIRE後は給与収入がない、あるいはかなり少ない状態になるので、すぐ使える現金はかなり大事です。
次に中期バケツです。これは、直近数年で使うまとまったお金です。働いている方なら、住宅ローンの頭金、子どもの学費、車の購入費、引っ越し費用、親の介護費用などですね。数年以内に使う可能性が高いお金は、ここに入れます。
FIREしている方なら、ここに5年分くらいの生活費を入れておくと、かなり気持ちは楽になると思います。株式市場が暴落しても、しばらくはこの中期バケツから生活費を出せる。これがあるだけで、暴落時に慌ててリスク資産を売らずに済みます。
もちろん、不安な人は10年分でも20年分でも、自分が納得できる形にすればいいと思います。ただし、その分だけ長期バケツに回すお金は減ります。中期バケツの決め方に、絶対の正解はありません。基本的には、自分が夜ぐっすり眠れる金額が、その人にとっての正解に近いんじゃないかと思います。
そして最後が長期バケツです。
短期バケツと中期バケツを埋めたあとに残ったお金は、長期バケツに入れます。ここは、インデックス投資信託などのリスク資産で運用する部分です。すぐ使わないお金なので、長期的にリスクを取って運用するわけですね。
この方法のいいところは、質問者様が悩んでいる「結局、いくら投資していいのか」という問題が、かなり整理しやすくなることです。
生活を守るお金は、短期バケツと中期バケツで確保する。そのうえで、しばらく使わないお金は長期バケツで運用する。こう考えると、投資額を感情で決めなくて済みます。
「株が上がりそうだから全部投資しよう」とか、「怖いから全部現金にしよう」ではなく、まず生活を守るお金を分ける。そして残りを長期運用に回す。かなり合理的な方法だと思います。
私たちは、まず生きなければなりません。だから、生活を守ることが最優先です。投資はその土台の上に乗せるものなんですね。
残り全部を投資するという考え方
では、Q太郎はどれくらい投資しているのか。
この質問に対する答えは、かなりシンプルです。
短期バケツと中期バケツを埋めたあとの、残りのお金です。
もう少し言うと、しばらく使わないお金は、基本的に長期バケツで運用する、という考え方です。
なぜかというと、しばらく使わないお金を現金のまま置いておいても、インフレで価値が目減りしていく可能性があるからです。もちろん現金は大事です。短期バケツと中期バケツには現金や元本保証に近い資産が必要です。
ただ、10年、20年、30年使わない可能性が高いお金まで、全部現金で置いておく必要があるのか。ここは考えた方がいいと思います。
Q太郎にとって、長期バケツでの投資は、「お金を増やすため」というより、「お金の価値を守るため」という感覚がかなり強いです。
もちろん、結果として増えてくれればありがたいです。でも、基本の考え方は、インフレや通貨価値の低下から資産を守ることです。守りの投資ですね。
ここで大事なのは、短期バケツ・中期バケツと、長期バケツをちゃんと分けておくことです。つまり、生活と投資を分けておくことです。
全部をリスク資産にしてしまうと、暴落時に生活が苦しくなります。株価が半分になったタイミングで生活費が必要になったら、かなりしんどいです。安いところで売らされることになります。
逆に、生活費を数年分確保していれば、暴落しても落ち着いていられます。短期バケツと中期バケツから生活費を出しながら、長期バケツの回復を待てるわけです。
ここがバケツ戦略の強さです。
投資は気合いでやるものではありません。暴落しても生活が壊れないように、先に生活防衛ラインを作っておく。そしてそのうえで、残りのお金を長期運用に回す。この順番が大事なんですね。
生活資金はリスクにさらさない
ただし、ここでかなり注意が必要です。
短期バケツと中期バケツは、生活を守るためのお金です。なので、基本的には流動性が高く、自国通貨で、元本保証に近い無リスク資産にしておいた方がいいと思います。
短期バケツは、すぐ使える必要があります。なので、基本は現金です。銀行の普通預金でいいと思います。利息はほとんどつかないかもしれませんが、短期バケツの目的は増やすことではありません。生活を守ることです。
中期バケツは、少し先に使うお金です。すぐ使うわけではないけれど、数年以内には使う可能性がある。こういうお金ですね。ここは定期預金や個人向け国債などを使うのも一つの方法だと思います。ここは人によって考え方があるでしょう。
ただ、社債や外国債券はリスクがあります。為替リスクもありますし、信用リスクもあります。だから、生活費や学費など、使う時期がかなりはっきりしているお金を入れる場所としては、慎重に考えた方がいいです。
たとえば、子どもの学費をリスク資産で運用していたとします。大学入学のタイミングで株価がズドンと下がったらどうなるのか。学費を出すために、暴落した投資信託を売らないといけなくなるかもしれません。
これはかなり厳しいです。
投資で増やしたかっただけなのに、いざというときに子どもの進学資金が足りない。こんなはずじゃなかった。そうなると、かなりつらいですよね。
今は日経平均や米国株が調子よく見える時期でもあります。でも、同じ状況がいつまでも続くとは限りません。世の中は諸行無常です。相場も人生も、こちらの都合通りには動きません。
だから、短期と中期で使うお金は守る。長期で使うお金だけリスクを取る。この線引きが重要です。
ここを曖昧にすると、投資が資産形成ではなく、ただの賭けに近くなってしまいます。
【リスク管理】儲ける前に生き残る
投資というと、どうしても「どう増やすか」に意識が向きます。
どの投資信託がいいのか。米国株か全世界株か。NASDAQかS&P500か。高配当かインデックスか。新NISAは何を買うべきか。こういう話ですね。
もちろん、それも大事です。
でも、本当に大事なのは、「どう増やすか」より先に、「どう生き残るか」だと思います。
どれだけ利回りが高くても、途中で生活が壊れてしまったら意味がありません。どれだけ期待リターンが高くても、暴落時に売らされるなら意味がありません。どれだけ理論上は正しくても、自分のメンタルが耐えられないなら続きません。
このあたりは、『タルムード』に関する読み物などでも、リスク回避や生存戦略として紹介されることがあります。ユダヤ教の伝統的な知恵を扱った本ですね。もちろん、宗教的な内容を全部理解する必要はありませんが、普通の読み物としてもかなり面白いです。
ここを掘ると、また別の沼に入ってしまうので(笑)、『タルムード』やリスク管理の話は、また別回で取り上げます。
それで今回の話に戻すと、資産形成では「儲ける話」だけでなく、「どうリスクを減らすか」の話がかなり重要です。
短期バケツで生活を守る。中期バケツで数年以内の支出を守る。長期バケツでリスクを取る。これによって、相場が悪いときでも生き残れるようにする。
投資は一発勝負ではありません。長く続けるものです。長く続けるためには、途中で退場しない設計が必要なんですね。
【働く金額】まず年間支出を出す
次に、「どれくらい働いて、生きていく予定なのか」という質問について考えていきます。
ここで迷う人は、多くの場合、自分の年間支出を把握できていないことが多いように感じます。
ここはかなり大事です。
自分は一年にいくら使うのか。最低限いくらあれば生活できるのか。安心して暮らすにはいくら必要なのか。ちょっと楽しく暮らすにはいくら必要なのか。
ここが見えていないと、必要な資産額も、必要な労働量も決まりません。
なんとなく不安。なんとなく足りない気がする。なんとなくもっと働いた方がいい気がする。なんとなく投資した方がいい気がする。こういう状態になります。
これはかなりつらいです。不安の正体が見えていないからです。
たとえば、コンビニでなんとなく買い物する。サブスクをなんとなく契約している。外食やカフェでなんとなく使っている。ネット通販でなんとなく買っている。こういうお金が増えると、年間支出がぼやけていきます。
別に、全部を細かく家計簿に書けと言いたいわけではありません。Q太郎も、細かすぎる家計簿は面倒だと思います。
ただ、ざっくりでもいいので、年間支出は把握しておいた方がいいです。年間200万円なのか。300万円なのか。500万円なのか。800万円なのか。ここが見えるだけで、かなり不安は減ります。
なぜなら、必要な資産額が計算できるからです。
年間300万円ならいくら必要か
たとえば、今30歳で、まったく働かずに年間300万円使う生活を考えてみます。
かなり単純化した例です。税金、社会保険料、年金、医療費、インフレ、運用成績など、細かい要素はいったん横に置きます。あくまで考え方の例として聞いてください。
年間支出が300万円なら、まず短期バケツに一年分の生活費として300万円を置きます。これはすぐ使える現金です。
次に、中期バケツに五年分の生活費を置くとします。年間300万円の五年分なので、1500万円です。
ここまでで、短期バケツ300万円、中期バケツ1500万円。合計1800万円ですね。
そして、毎年300万円を長期バケツから生み出すと考えます。かなりざっくり4%ルールで考えると、年間300万円を取り崩すには、300万円を0.04で割って、7500万円のリスク資産が必要になります。
つまり、長期バケツに7500万円です。
これを合わせると、短期バケツ300万円、中期バケツ1500万円、長期バケツ7500万円。合計9300万円になります。
だいたい約1億円ですね。
もちろん、これはかなり単純化した計算です。実際には税金もあります。社会保険料もあります。年金もあります。インフレもあります。運用利回りも一定ではありません。暴落もあります。だから、この数字をそのまま絶対視する必要はありません。
ただ、考え方としてはかなりわかりやすいです。
年間300万円を働かずにまかなうには、ざっくり約1億円規模の資産が必要になる。そう考えると、働くことの価値がかなり見えてきます。
【働く力】年収300万円は資産1億円に近い
ここちょっと考えてみてほしいんですけど、もし手元に1億円がないなら、年間300万円の生活費をどうやって作るのか。
答えはかなりシンプルです。
働いて作るわけです。
年間300万円を働いて稼ぐ。これは大変なことではありますが、現実的には多くの人がやっていることです。年収300万円の仕事をすることで、年間300万円の生活費をまかなう。
さっきの計算では、年間300万円を資産から生み出すには、ざっくり約1億円近い資産が必要でした。ということは、かなりざっくり言えば、年間300万円を稼げる労働力には、資産1億円に近い価値があると考えることもできます。
これはかなり重要です。
多くの人は、働くことを「つらいもの」「早く辞めたいもの」と考えがちです。もちろん、嫌な仕事を続けるのはつらいですし、ブラック企業で働く必要はありません。体や心を壊すような働き方は避けた方がいいです。
ただ、「働ける力」そのものは、ものすごく大きな資産です。
手元に1億円がなくても、働くことで毎年300万円を生み出せるなら、それは資産1億円に近い働きをしてくれます。しかも、働く期間を調整すれば、必要な資産額をかなり下げることができます。
たとえば、完全FIREには約1億円必要だとしても、年間150万円だけ働いて稼げるなら、資産から取り崩す必要額は年間150万円で済みます。すると、必要な長期バケツの金額もかなり下がります。
つまり、働くことはFIREの敵ではありません。働く力は、資産形成を補完する強力な道具なんです。
この視点を持つと、「何が何でも働かない」ではなく、「どれくらい働けば、自分の生活は楽になるのか」と考えられるようになります。
いつまで働くかの正体
つまり、質問者様の「いつまで働くか」という問題は、かなりざっくり言えば、年間支出を資産でどこまで置き換えられるか、という話になります。
年間300万円を使うなら、その300万円をどう作るのか。
全部働いて作るのか。半分は働いて、半分は資産から出すのか。全部資産から出すのか。ここを決めるわけです。
全部働くなら、必要資産は少なくて済みます。全部資産から出すなら、必要資産は大きくなります。半分だけ働くなら、その中間です。
これはかなり当たり前の話ですが、こうやって数字にすると、見え方が変わります。
「いつまで働けばいいのかわからない」という不安は、実は「自分の年間支出を、どれくらい資産で置き換えられるのかわからない」という不安なのかもしれません。
だから、まず年間支出を出す必要があります。
年間支出がわかれば、それをどのバケツで支えるのかを考えられます。短期バケツで一年分を守る。中期バケツで数年分を守る。長期バケツで残りを運用する。そして足りない部分は働く力で補う。
こうすると、投資と労働が対立しなくなります。
投資するか、働くか。FIREするか、会社員を続けるか。そういう二択ではなくなります。投資でどれくらい支えるか。労働でどれくらい支えるか。生活費をどれくらい下げるか。この三つを組み合わせて、自分の形を作るわけです。
FIREを、労働との二択で考える人は結構多いと思います。 以前、「インフレはFIREの天敵か?」という動画で、FIRE後も労働を使うことがインフレ対策になる、という話をしました。労働はFIREの敵ではありません。むしろ、強い味方です。そう考えると、見える景色はかなり変わってくると思います。
【働く意味】お金だけではない
ただし、ここで一つ注意があります。
働くことを、お金だけで見ない方がいいと思います。
もちろん、働く大きな目的はお金です。生活費を稼ぐ。家族を守る。老後に備える。これは大事です。きれいごとだけでは生活できません。
でも、働くことには、お金以外の面もあります。
社会との接点になる。人間関係ができる。自分の役割ができる。誰かの役に立つ。生活にリズムができる。外に出る理由ができる。こういう面もあります。
大人になってから友達を作るのって、結構難しいんですよね。そう考えると、労働が果たしている役割はかなり大きいと思います。これはお金だけでは測れない部分です。
ここも面白い話があるんですけど、掘り始めるとまた別の沼に入ってしまうので(笑)、次回以降に深掘りしていきます。
もちろん、職場が合わない場合は逆にメンタルを削ります。嫌な人間関係や過重労働は、かなり危険です。だから、働けば何でも良いという話ではありません。
ただ、完全に働かず、他人が作った完成品やサービスを、お金を払って受け取り続けるだけの生活も、人によっては精神衛生上あまり良くないかもしれません。
これについても長くなるので、別回でまた話します。以前の「お金を払うほど自由が遠のく」という話ともつながるところですね。
それで今回の話に戻すと、働くことは単なる罰ではありません。うまく使えば、資産形成を補う道具であり、社会との接点でもあります。
大事なのは、働くか働かないかを極端に考えすぎないことです。FIRE界隈では、どうしても「働くか、完全に辞めるか」という二択で語られがちですが、実際にはその間にいろいろな選択肢があります。
完全に働く。完全に働かない。この二択だけではなく、少し働く。好きな仕事だけする。短時間だけ働く。収入の一部だけを労働で作る。こういう形もあります。サイドFIREやバリスタFIREも、まさにその中間の考え方ですね。
働く力をゼロにする必要はありません。むしろ、働ける力を少し残しておくことは、資産形成におけるかなり強い保険になります。
まず何をすればいいのか
では、具体的に何をすればいいのか。
まず最初にやるべきことは、年間支出を出すことです。ここが見えていないと、投資額も、必要資産額も、働く量も、全部ぼんやりしてしまいます。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、これがすべてと言っても過言ではありません。
細かい家計簿でなくてもかまいません。ざっくりでいいです。家賃、食費、光熱費、通信費、保険、税金、社会保険料、趣味、旅行、医療費、親や子どもに関わる支出。こういうものをざっくり足して、自分は年間いくら使っているのかを見ます。
次に、自分にとって十分な年間支出はいくらかを考えます。
今の支出がそのまま必要なのか。それとも、少し減らしても満足できるのか。逆に、減らしすぎると生活の満足度が下がるのか。ここを見ます。
ここで大事なのは、他人の生活費を見て焦らないことです。SNSのキラキラ生活を見て、「自分もこれくらい使わないといけないのかな」と思う必要はありません(笑)
年間150万円で暮らす人もいます。年間300万円の人もいます。年間600万円の人もいます。年間1000万円必要な人もいます。どれが正解という話ではありません。
大事なのは、自分が納得できる支出額を知ることです。
年間支出が見えたら、次に短期バケツを作ります。生活防衛資金ですね。働いているなら半年分くらい。FIREしているなら一年分くらい。ここは普通預金など、すぐ使える形で持つのが基本です。
次に中期バケツです。数年以内に使う予定のお金を置きます。学費、住宅資金、車、引っ越し、FIRE後の数年分の生活費。ここは定期預金や個人向け国債なども選択肢になります。
そして、それでも余ったお金を長期バケツに入れて運用します。インデックス投資信託などのリスク資産ですね。
「投資は余裕資金で」とよく言われますが、Q太郎の感覚では、これは「短期バケツと中期バケツを埋めたあと、余ったお金を長期バケツに入れましょう」という話です。
余裕資金という言葉だけだと、かなり曖昧です。でも、バケツに分けるとわかりやすくなります。
これは短期で使うお金なのか。中期で使うお金なのか。長期でしばらく使わないお金なのか。これを分けるだけで、投資していいお金が見えてきます。
【元本が少ない時期】まず生活防衛資金
ここで、投資を始めたばかりの方に言っておきたいことがあります。
元本が少ないうちは、投資に力を入れすぎても、効果はそこまで大きくありません。
もちろん、若いうちから投資を始めるのは良いことです。少額でも投資経験を積むのは意味があります。相場の上下に慣れることも大事です。
ただ、資産100万円の人が、投資で2倍にしたとしても200万円です。もちろん100万円増えるのは大きいですが、それだけで人生が大きく変わるわけではありません。
一方で、生活防衛資金がまったくない状態で投資をしていると、急な出費があったときに困ります。仕事を失ったとき、病気になったとき、家電が壊れたとき、相場が下がっているタイミングで投資信託を売らないといけなくなるかもしれません。
これはかなりもったいないです。しかも、下手をすると人生が変わるくらいのダメージになります。投資で少し増やすつもりが、生活の土台を崩してしまうわけです。
だから、元本が少ない時期ほど、まず短期バケツを作ることが大事だと思います。生活防衛資金を作る。収入を増やす。支出を整える。固定費を下げる。自分の生活費を把握する。
投資はもちろん大事ですが、順番としては、生活の土台を作ることが先です。
ここを飛ばして、いきなり大きく増やそうとすると、投資がかなり不安定になります。相場が下がるたびに怖くなります。生活費と投資資金が混ざっているからです。
短期バケツがあれば、心が落ち着きます。中期バケツがあれば、さらに落ち着きます。そのうえで長期バケツを運用するから、暴落にも耐えやすくなるんですね。
【設計図】年間支出からすべて始まる
そんなわけで、今回の質問に対するQ太郎の答えをまとめます。
どれくらい投資するか。
これは、短期バケツと中期バケツを埋めたあとの、残りのお金です。生活を守る資金を確保したうえで、しばらく使わないお金を長期バケツで運用します。
どれくらい働くか。
これは、年間支出のうち、資産でまかなえない部分をどれくらい労働で補うか、という話です。年間300万円必要なら、その300万円を全部働いて稼ぐのか、一部を働いて稼ぐのか、全部を資産から出すのか。ここを考えます。
そして、そのすべての出発点は、年間支出です。
自分は年間いくらあれば満足して暮らせるのか。最低いくらあれば生きられるのか。安心するにはいくら必要なのか。これが見えないと、投資額も労働量も決まりません。
逆に、年間支出が見えると、かなり不安が具体化します。
年間300万円必要なら、300万円をどう作るかを考えればいい。働いて作るのか。資産から出すのか。半分ずつにするのか。生活費を下げるのか。副業で補うのか。こうやって、選択肢が見えてきます。
不安というのは、正体が見えないときに一番大きくなります。
なんとなく不安。なんとなく足りない。なんとなく働かないといけない。なんとなく投資しないといけない。こういう状態が一番しんどいです。
でも、数字にすると、不安は課題に変わります。
年間支出はいくらか。短期バケツはいくら必要か。中期バケツはいくら必要か。長期バケツでいくら運用するか。労働でいくら補うか。
こうやって分解すると、「自分は何をすればいいのか」が見えてきます。
「働く力」も資産である
最後に一つ、かなり大事なことを言います。
「働く力」も資産です。
資産形成をしていると、どうしても金融資産ばかり見てしまいます。預金、投資信託、株式、債券、新NISA、iDeCo。もちろん大事です。
でも、毎年お金を生み出せる力も、かなり大きな資産です。
年間300万円を稼げる力は、ざっくり考えれば、資産1億円に近い価値を持つことがあります。年間100万円だけでも稼げるなら、必要な資産額はかなり下がります。短時間でも働ける。好きな仕事を少し続けられる。こういう力は、人生後半ではかなり大きな保険になります。
だから、「まだ働いている自分はダメだ」と考える必要はありません。むしろ、働ける力を持っていることは、かなり強いです。
ここもかなり大事な話なんですが、掘り始めるとまた別の沼に入ってしまうので(笑)、次回以降に深掘りしていきます。FIRE界隈では、どうしても「働くこと=負け」のように見られることがあります。でも本当にそうなのか。ここは一度、ちゃんと考えた方がいいと思うんですね。
もちろん、嫌な仕事で心身を壊す必要はありません。働き方は選んだ方がいいです。無理にフルタイムで働き続ける必要もありません。大事なのは、自分の年間支出と資産額に合わせて、どれくらい働けば自分の生活が安定するのかを考えることです。
投資額も、労働時間も、気分で決めるものではありません。自分の年間支出から逆算して、自分の生活に合った形を作っていくものです。
皆さんは、自分の年間支出を把握していますか。あるいは、短期バケツ、中期バケツ、長期バケツのように、お金を役割ごとに分けて考えていますか。よかったらコメントで教えてください。全部読ませていただいています。
数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。
