ウクライナ情勢で株価続落ー米国ETFの現状と今後をわかりやすく解説
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
先週は大きく下げてきましたね。
マーケットの状況をいったん整理して、BND/TLT/VTI/VOO/QQQ/QYLD/VYM/HDV/SPYD/VDEといった米国ETFの現状と今後について、わかりやすく解説していきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
債券ETFの現状と今後
先週末はS&P500が前日比1.9%安の4418.64。
そしてQYLDの原資ともなっているナスダック100指数は3%越えの3.1%下落しました。
S&P500とナスダック100はいずれも2日間の下落率が、コロナショック以降の大幅な下落になっています。けっこう落ちましたね。
これとは逆に、米国債の10年債利回りですが、2月10日に2%を突破したものの、翌日には低下して1.91%まで下がりました。
債券と利回りの関係ですが、ざっくり言えば、利回りが高くなれば、債券価格は落ちます。
ようするに「利回りが下がれば、債券ETFの「BND」とか「TLT」とかが値上がりする」と考えておいてください。
BNDの状況
これに伴い、これまで下がり続けてきた債券ETFのBNDは、週末で0.65%アップの81.73ドルになりました。それまでの下げがでかすぎますので、本当に気休め程度ですね。年初来で3%近く下げていますしね。
基本的に「株が下がると債券が上がる」と言われていますが、ただこの局面で債券を買えというわけではありません。
債券価格の下降トレンド自体はまだまだ続くかと思われます。
そもそも利上げがまったく終わってませんしね。ここで下手に債券に買い向かうと、戻り売りされる可能性が高いかとQ太郎は思います。
債券はボラティリティが低いので、利上げが終わってからゆっくり買えばいいとは思います。うまく底値を取れたところで、ボラティリティが低いので大したもうけにはなりません。
Q太郎はBNDを100万円分持っていますが、とくに売る必要もないので、売る気はありません。BNDについては以前のこちらの記事を参照してください。
TLTの状況
変動大きめの、20年超債券ETF「TLT」を見ていきましょう。Q太郎は50万円分買っていますが、けっこう前に買ったのでまだ含み益状態です。ただ年初来では4%以上の下げになっていますね。
TLTは債券ETFなのですが、ボラティリティは高めです。VTIのばらつきを16%だとすると、TLTは14%ありますので、株式レベルのボラティリティがありますね。ちなみにBNDは4%弱です。
先程も言ったように、株が危機的状況になると、債券価格が上がっていくという経験則がありますが、そもそも利上げが控えていますので、いまは下降トレンドのほうが優勢だとQ太郎は思います。
Q太郎は、利上げが終わってから、ゆっくりBNDを買い足していこうかなとは思っています。どうせボラティリティが小さいですし、無理に底で買う必要性はありませんしね。「頭としっぽはくれてやれ」のしっぽをくれてやっても大した損失にはならないかと思います。
と言うわけで、債券ETFは様子見というか利上げが終わるのを待つ方針です。
債券ETFでBND以外にAGGというものがあります。この2つの違いについてと、どちらを買ったらいいのかについては、またいずれ動画にしようと思います。AGGのほうも50万円分持っています。
インデックスETFの現状と今後
VTI、VOOの現状
つぎにインデックスの王者であるVTIとVOOを見ていきましょう。
正直大して変わらないので、VTIでまとめて説明します。
VTIですが、年初来で-8.24%になっています。直近の動きでみると、チャートがダブルトップ状態になっていますね。上値はかなり重いです。
価格帯別チャートで見ますと、底で拾っている人は少なめで、上の方で買っている人がけっこういますね。
あと200日移動平均線を下に突っ切ってしまったので、現在はそれが抵抗線になって跳ね返されてしまっているのがわかるかと思います。
それと25日移動平均線が下に突っ切ってデッドクロス状態になってしまっていますね。長期的な下降トレンドがはじまりそうな予感もあります。
S&P500関連の銘柄も、しばらく様子見かなとは思います。
毎月積み立ての人は、長期投資なので気にせず積み立てていってください。
長期投資はあくまで10年後、20年後のための投資です。
人口が増え続けて、GDPが上がるかぎりは、全米やS&P500は成長し続けるものと思われます。
人口増加の続く2050年あたりまでは大丈夫ではないかとQ太郎は思いますね。それ以降、どうなるかは知りませんが。
とにかく長期投資の方は、世界情勢とか見なくていいです。積み立てを淡々と続けてください。
というか、本当に見なくていいです。そのときそのときで、
「いったん資金を引き揚げて、安くなったときに買おう」
とか変な判断を入れないようにしてください。とにかく淡々と、ルール通りにおこなってください。
長期投資の成功は、とにかくルール通りにです。ルール通りにやってください。
QQQ、QYLDの現状
つぎにナスダック100銘柄のQQQを見ていきましょう。
ボラティリティの違いがあるだけで、チャートの形自体はVTIと大して変わりませんね。年初来で13.6%の下げです。
こちらも直近のチャートはダブルトップの形になっており、上値は重い状況です。
この状況で、我らがたこ足高配当ETFのQYLDはどうなっているかといえば、20ドル以上をまだ保っていますね。ダブルトップをつけており、上値の重さは変わりありません。
価格帯別の出来高を見てみると、まだまだ上が分厚い。下で買っている人は少なめです。下げ圧力は大きいですね。
このままナスダックがずるずると低迷していくと、20ドル以下の状態が常態化する可能性もあります。すべてはナスダック頼りですね。
これから利上げが控えている状況で、Nasdaqが右肩上がりみたいな状況は想像しづらいところではありますけどね。
高配当ETFの現状と今後
こんな状況で耐え抜いているETFが何かといえば、高配当ETFのVYM、HDV、SPYDの高配当御三家ですね。Q太郎は合わせて600万円ほど投資しています。
VYMは横這い状態を続けていて、年初来でギリギリプラス0.59%になっています。なかなかの下落耐性の強さです。
HDVはディフェンス銘柄の強さを活かしてきて、年初来で2%近くの上げになってきています。この環境でむしろ上げてきていますね。
そしてSPYD。エネルギー系・金融系の銘柄が多いことから、こちらも年初来で1.8%以上の上げになっています。
これらはグロース銘柄が少ないことが功を奏したことになりますね。利上げ局面だと、とにかくグロースは売りたたかれますしね。
ただバリュー銘柄の調子が良い時期と言うのはそんなに長くはないというのがこれまでの歴史です。落ちるときは落ちると思います。そもそも値上がったらバリューじゃなくなりますしね。安いときに買う物ですしね。
エネルギーセクターETFの現状と今後
VDEの現状
そしてエネルギーセクターETFのVDEですが、年初来で10%以上の大きな上げになっています。
石油価格が上がっていますしね。Q太郎は以前までVDEを持っていましたが、うねり取りをするのが面倒なので売ってしまいました。長期的には厳しい気がしますしね。詳しくはこちらの記事を参照してください。
短期でうねり取りをしたい方には、エネルギー系はいいのではないかとは思います。ただいまからだと出遅れ感もありますね。
まとめとQ太郎の見解
というわけでまとめると、
BNDなど債券ETFは一時的に上がったものの、そもそもの利上げが終わっていないので買い向かうのはまだまだリスクがあるかと思います。
下降トレンド自体は、利上げが終わるまでは続きそうです。それが終わってからゆっくり買えばいいかなとは思います。
いまはキャッシュを持っていればじゅうぶんでしょう。
それとVTI、VOOについては、上値は重そうです。
長期投資の方は気にせずに淡々と積み立ててください。
「いったん売って、底値で買い直す」とか、そういう色気は出さないようにしてください。それができればみんな億万長者になっています。
ルール通りに淡々と積み立ててください。10年後、20年後のための投資なのです。
QQQ、QYLDに関しては、利上げがありますし、グロースにはしばらく厳しい環境が続くかと思います。
逆にVYM、HDV、SPYDの高配当御三家は、グロースが少ないことが功を奏して下落にはつながっていませんね。
ただグロースが落ちてバリューが上がって、そのあとにバリューも落ちるというサイクルはITバブルやリーマンショック時にもあったものなので、注意が必要かと思います。
長期投資で積み立てるなら、分散のきいているVYMに積み立てたほうがいいかなとは思います。
石油などエネルギー銘柄は、今の情勢だとうねり取りにはいいとは思います。
ただ「いつ逃げるか」ということは買うときに考えておいたほうがいいでしょう。
Q太郎は短期取引が苦手だし、する気力もないので、キャッシュポジション多めの低ボラティリティ運用をしばらく続けるかと思います。
無理に投資する時期でもありませんしね。
せめて利上げしたらどうなるかを見極める必要があるかと思います。
買うのは本当にゆっくりでいいかと思います。とくにこんな荒れた環境だと、上がるか下がるかのバクチ状態ですからね。
買うにしても、いまの環境だと、時間分散で買うのが一番だとQ太郎は思います。毎月積み立てがけっきょく一番強いということになりますね。