パウエル議長の発言で急落、続伸の米国市場に一撃【米国株投資・ジャクソンホール会議編】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨夜のジャクソンホール会議で、パウエルFRB議長が、調子に乗っていた米国市場にお灸をすえる一撃を与えました。
S&P500は前日比で-3.37%、NASDAQは-3.94%と大きな下げになっています。
ある意味、ちゃんと仕事をやったといったところです。パウエル氏は毎回適当なことばっかり言ってたので、今回また適当なことを言ってたら、株価がさらに上がって面倒くさいことになりますしね。
今回は速報的に、さっと内容を紹介していきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
パウエル議長発言と暴落
さて、ジャクソンホール会議での、パウエル議長発言ですが、利上げ継続の意向を示しました。
「9月のFOMC会合で「異例で大幅な」利上げをもう一度実施することが適切」となる可能性もあると改めて述べました。インフレ率が2.0%になるまでは手を緩めないというスタンスですね。
そのため、次回の利上げが0.75%も十分ありえる状態になりました。
これを受けて、政策金利に敏感な2年債利回りは3.4%まで上昇しました。10年債との逆イールドがますます開く形となっています。逆イールドについてはこちらを参照してください
S&P500のズドンですが、50日移動平均線に近づいています。ここでいったん反発する可能性もありますね。
以前の動画でも述べたように、50日移動平均線で反発した場合は、そのまま200日移動平均線との間でジグザグに移動しながら、収束する10月ごろに上抜けるか下抜けるかといったところです。
売りの方向も正直リスクが高いかなとは思います。
もし売りたいのであれば、50日移動平均線を抜けるのを確認してからのほうが安全かなとは思います。
今回のパウエル氏の発言は、以前の動画でも述べたように、大きく反発してきた米国市場に対して「インフレも終わって無いのに、勝手に利下げ予想するな」という、お灸をすえる一撃だったかと思います。
というか、今回これをやらなかったら、さらに株価が上がってさらにやばいことになっていたとは思います。
当然大幅利上げ予想が入ってきますので、ドル円はドル高円安の方向へ向かいました。現在1ドル137.5円ぐらいですね。
ただ将来のリセッション懸念もあるため、ここから積極的に円売りするのもリスクが高いとは思います。
パウエル発言への評価
今回のパウエル発言への評価として、コーナーストーン・ウェルスのクリフ・ホッジ氏は、
「インフレを撲滅するためにはリセッションに陥っても当局としては構わないとパウエル氏がはっきり言うことはできないが、今回の発言はそのメッセージを明白に示唆している。これは市場にとって、ソフトランディングの可能性および年内に高値を更新するという強気シナリオが大幅に低下することを意味する」
と述べました。
またインテグリティ・アセット・マネジメントのジョー・ギルバート氏は
「パウエル氏は金融状況のさらなる引き締まりを望んでおり、インフレに関して勝利宣言する用意が当局にはまだないということを市場に認識させたかった。議長は近い将来の利下げの見通しも否定した。市場はこの見通しを修正している」
と述べています。
「来年は利下げ」という米国市場の楽観論は、今回のことで消え去ったかもしれません。
まとめとQ太郎の見解
それと、アメリカの7月の米個人消費支出(PCE)も発表されましたね。
PCE総合価格指数は前年同月比で6.3%上昇。市場予想6.4%だったので、それよりは下になりますが、目標の2.0%にはまだほど遠い状況です。インフレ退治にはかなり時間がかかりそうですね。
PCEが下がった理由としては、やはりエネルギー価格の低下です。しかし食品コスト自体は上昇を続けています。
賃金・給与は0.8%増と、2月以来の大幅な伸びになりましたが、アメリカの場合、日本と違って賃金上昇を商品価格に転嫁できるので、インフレが定着してしまうおそれもあります。
そんなわけでインフレがしつこくなる可能性は高く、それに伴って利上げがずるずる続く可能性も高くなるとは思います。
そうなると、株式市場にとっては地合いが悪い状態が続くことになりますね。
とりあえずは、来月発表の消費者物価指数と、FOMCでの利上げ幅がどうなるかに注目したいと思います。