中国に投資して大丈夫?ー不動産バブル・高失業率・ゼロコロナ問題【世界株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
明日、アメリカの消費者物価指数CPIの発表があるため、昨夜の米国市場値動きはおとなしいものでした。
S&P500は前日比で-0.12%、NASDAQは-0.10%とほぼ横這い状態ですね。CPIの発表でどう動くかに注目したいところです。
ただ今回の7月CPIが減速したとしても、次回以降も連続して下げを確認しないと、インフレがピークになった証明にはならないでしょう。
そんなわけで来年までは政策金利の読み合いが続く状態とは思います。
今回は中国不動産バブルについてのリクエストをいただいたので、中国経済全体の話や、中国投資についての話をざっくりとわかりやすく解説していきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
悪化する中国経済
さて、中国経済についてです。
中国経済悪化の要因ですが、ほぼ中国政府の問題だと思っています。経済のかじ取りが本当に下手なのですね。とにかく毎回やりすぎます。なんでこんなに極端なのかというぐらいかじ取りが下手です。
中国で現在問題となっているのは、以前「中国のシャドーバンク問題」でも述べた中国不動産バブルの問題です。シャドーバンクについてはこちらを参照してください。
中国不動産バブルをざっくり説明すると、これもだいたい中国政府の問題なのですね。
中央政府は、地方政府に対して経済成長のノルマをあたえています。
そのノルマ達成のために、地方政府は土地の利用権を、現在問題になっている恒大集団などに売って、財源ねん出をしていました。
これがだんだんと地方政府の主要財源になっていきます。
土地の利用券を売る→マンションなどの建設活動活発化→雇用や資材需要も増加→投資も増加という良い流れがつくれていました。
とにかく「不動産価格は上昇を続ける」という、どこかのJ国のような不動産神話が中国にも根付いていたのですね。
そうなると不動産投資はどんどん加熱します。
とうぜん中国政府はこれを抑え込む必要があるので、銀行などに対して融資規制をおこないます。これの抜け道が以前話したシャドーバンク問題ですね。
この政府の融資規制ですが、いつもの中国政府のやり方ですが、段階的にやらずに、一気にやったのですね。いつも極端なのですね。
そうなるとお金が借りれなくなって資金繰りが一気に悪化しますので、マンションを途中まで立てて、お金がなくてそのストップみたいな状況も出てきます。
そうなると誰も投資したがらなくなりますし、すでにローンを払いはじめていた人が支払いをしなくなったりしますので、融資していた銀行は不良債権続出でお金がないような状況になります。
実際に中国の河南省では地方銀行のお金がなくなって、今年の4月、銀行預金が事前連絡なしに凍結されました。
地方銀行だけでなく、工商銀行や建設銀行など全国規模の大手銀行でも預金凍結がおこなれました。
日本でいうと、三井住友銀行や三菱UFJ銀行から、事前連絡なしに急にお金が引き出せなくなるという状態です。どれだけ恐ろしい状態かは想像がつくでしょう。
河南省では計41万人ほどの口座が凍結されたため、7月には預金凍結された3000人の市民たちがデモをおこしましたが、どこからかやってきた数十人の謎の暴漢たちが、鉄の棒で市民たちに対して殴る蹴るの暴行を加えて病院送りにしました。
地方政府が地元やくざを雇ってやらせているのでしょうね。中国だと、とくに農村部ではやくざを雇って反対派を殴らせるのはよくあることです。香港の民主化運動でも似たことがありましたしね。やったのはやくざなので、政府は関係ないという言い逃れもできます。
そんなわけで、銀行は返済のあてのない不良債権を抱えまくって、結果貸し渋りをしているという、某J国の不動産バブルとおなじような状況になっています。
ゼロコロナ政策
この不動産バブル問題に拍車をかけたのが、ゼロコロナ政策です
建設作業を進めたくても、そもそも人が集まらないのですね。経済活動が停滞してしまっている状況です。
また失業率も増加し、6月の中国の若年層(16~24歳)の失業率は19.30%という高い数字になっています。安全志向で公務員を目指す若者が増えているので、以前ほどの起業マインドはなくなってきています。
IT企業に対しても、今月から締め付けがはじまりますので、企業業績はどんどん悪化していくでしょう。
まとめとQ太郎の見解
とにかく中国市場は不透明感が強いうえに、中国政府の政策で右から左へと極端に振れていきます。
企業業績とか関係なしに、政府の動きで一気にズドンしたりするので、投資というかバクチをやっているようなものですね。
米国市場では、中国ADRのアリババなど、上場廃止リスクのある企業のリストに入れられました。3年連続で米国の監査基準を満たさない場合、米国の取引所から上場廃止になります。
とにかく中国投資はバクチ要素の強い投資なので、それなりのリスクを覚悟して投資したほうがいいとは思います。