日本のGDPがまさかのマイナス成長、ドル円への影響は?【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
CPI発表で138円まで大きく円高に動いたドル円為替ですが、その後のFRBのウォラー理事のタカ派発言によって買戻しがあり、また円安傾向になって140円突破しました。
しかしそのあとにブレイナードFRB副議長は「おそらく利上げペースを減速するのが間もなく適切になるだろう」と発言したことで、また139円台まで押し戻されたりで、荒い動きが続いています。
そして昨日、日本のGDP発表があり、プラス予想だったものが、ふたを開けてみるとまさかのマイナス成長でした。
今回は日本のGDPと為替にあたえる影響、今後の米国市場についてわかりやすく解説していきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
マイナス成長の日本GDP
さて、日本の7-9月期のGDPですが、まさかのマイナス成長でした。
予想が1.2%の増加だったところ、ふたを開けてみたら1.2%の減少という真逆の結果が出ました。4四半期ぶりのマイナス成長です。前期は+4.6%だったので逆ブレした形になりましたね。ちなみにこの1.2%というのは円安など物価変動を抜いた実質GDPの数字です。
円安の影響なども含めた名目GDPだと-2.0%とさらに低くなります。
内需の柱である個人消費ですが、新型コロナの感染第7波や円安などによる物価高の影響で伸び悩み、+0.3%の増加となりました。前期+1.2%の増加だったので鈍化した形になります。ただ予想自体は0.3%増とぴったりだったので、これ自体はサプライズにはなりませんでした。
内需のもう一つの柱である設備投資は1.5%の増加、予想は2.2%増加だったので、こちらも下回っています。前期2.4%の増加で、多少鈍化するという読みだったのが、思ったより鈍化した形になりました。
問題はやはり輸出入ですね。輸入が5.2%増加に対して、輸出は1.9%増と、輸入が大きく伸びたことでGDP押し下げとなりました。
現状、個人消費や設備投資は鈍化したとはいえ、いちおうプラス成長になっています。内需自体がやばいという話ではまだないですので、そこまで心配するような状況ではないとは思います。
ただ円安やエネルギー問題で生活費が地味にじわじわと上がっているので、消費もじわじわと冷え込んでいく可能性は高いと思います。
さらに来年あたりにアメリカでリセッションが来てしまうと、輸出しても売れなくなるため、輸出もさらに冷え込んでしまうおそれがあります。
それで日本の景気の、ドル円に対する影響ですが、ほぼ微小です。チャートを見てもらえばわかるように、ほとんど円安には進んでいません。
これまで言われていた「日本経済がだめだから円安になっている」は、長期的な要因にはなりますが、短中期の変動にはほぼ影響力をもたない状況です。
それよりもそのあとの、米生産者物価指数PPIの発表で市場予想の8.3%を下回る8%が出たことで米国の利上げ観測がやわらいだことと、ロシア製のミサイルがポーランドに着弾したことにより、円高が進み、一気に137円台まで落ちました。
そのあとに大口のドル買戻しが入ったことなどから、また円安へと進んでいきました。
ちょっとしたことで大きく動くドル円ですが、日本の景気自体は短期的には為替への影響は低く、やはり日米金利差や世界情勢の影響が一番大きいですね。
まあ、為替は変動要因が多すぎるので、こんなもの読めるはずがないというのが正直なところです。ミサイルとか読みようがないですしね。
まとめとQ太郎の見解
そんなわけでまとめると、
・日本経済自体のドル円への関与は微小。
・金利差と国際情勢がドル円を大きく動かしている状況。
ということで、現状、日本経済の衰退によって円安が起こっているわけではなく、やはりドル円は金利差や国際情勢が支配的な状況です。
それで問題は来年、黒田総裁が辞めたあとに政策転換があると、金利差縮小によって大きく円高に振れる可能性も出てきます。アメリカの利上げが止まれば、金利差自体は縮まってきますしね。
そんなわけで、ミサイル1発で大きく動くような、ひたすらボラティリティの高いバクチ状態が続くドル円なので、円高・円安どちらに転んでもいいよう態勢をつくっておくのが安全とは思います。
米国株のほうですが、こちらもボラティリティの高い状態なので、為替と合わせて時間分散で地味に買っていくのがいいですね。