【新NISA】来年は円高ドル安?トランプ氏はドル安政策?
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は、来年は円高ドル安の流れになるかどうかについてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
来年は円高ドル安?
こんなご質問をいただきました。
「いつもためになる動画をありがとうございます。
現在11月のピークである1ドル156円台から落ちていって、150円台を割り込みました。
来年から大統領になるトランプ氏ですが、ドル安を目指すと言っていましたが、それを意識した動きでしょうか。
またこのまま円高の方向へと進んでいく可能性はあるでしょうか。
為替が予想できないのは重々承知ですが、それを踏まえた上で来年どういう流れになるのかご意見をお聞かせください。これからも応援しています」
とのことです。
為替は本当にちょっとしたイベントでいろいろな方向へ行ってしまうため、予測は困難ですが、トランプ氏がドル安を目指すというのは以前から言っていたことです。
トランプ氏がドル安を目指す理由としては、米国製品の競争力を上げる狙いと、それに伴ってアメリカの貿易赤字を縮小させる狙いがあります。
ありますが、その一方でトランプ氏は関税を高くするなどという矛盾した政策をとろうしています。
以前の動画でも言いましたが、関税が高くなれば当然輸入品の値段は上がりますので、ただでさえインフレのアメリカのインフレがさらに進むことになります。
するとどうなるかと言えば、利下げをしたかったFRBは、インフレの進行を止めるために金利を据え置きするしかなくなります。据え置きどころか、本当にひどいインフレになってしまったのなら、下手すれば利上げをする可能性もあります。
そのため、関税引き上げはドル高になる可能性が高くなるので、トランプ氏が本当に関税引き上げを実行した場合、むしろ円安ドル高が進んでしまうことにもなるでしょう。
現在の円高ドル安方向への動きですが、年末なのでいろいろな思惑が絡み合い過ぎてかなり荒い動きになっています。とくに12月はアメリカの経済指標が下振れする場合が多いので、ドル安に行きがちというのもありますね。
ただあくまで現時点での動きなので、来年トランプ氏がなにをやらかすかでまた変わってきます。関税引き上げをやった場合、FRBの利下げが遠のいてしまう可能性は高いので、円安ドル高に進む可能性もあります。
最近はトランプ氏はBRICKSに対して、「ドルに代わる通貨を作るなら関税100%にしてやる」というような、本当にできるのかみたいな脅しをかけていますので、関税引き上げはブラフとして利用しているだけで、来年さらっとなかったことになっている可能性もありますね。
ちなみにトランプ氏を支持する米国民が、「関税引き上げると物価が上がって、むしろ生活が苦しくなる可能性があるよ」ということをどれだけ理解しているかについてですが、アンケートだと、有権者の45%は関税引き上げが物価に転換されることを理解しているようです。ただ理解したうえで「必要なコスト」と考えている支持者も少なくないようですね。
逆にいえば、半分以上の55%は理解していないようです。これで物価高が進んだら、急に騒ぎ出しそうですね。そんなのわかってて投票したんちゃうと言いたいですが、半数以上はわかってなくて投票しているわけです。
そんなわけで、さらなるドル高方向の可能性もあるため、円高円安どっちへ行くかは状況次第になります。FRBがすんなり利下げの方向に行けば円高の可能性もありますが、トランプの関税政策が実行されてしまうとインフレ促進で円安の可能性もありますね。そんなわけで状況次第としかいいようがありません。
さらに言うと、トランプは「アメリカ第一主義」を掲げていますので、同盟国相手にアメリカの軍事力にただ乗りさせるつもりはないことから、日本にはこれまで以上の「兵器買え買え」要求や米軍基地の予算増額とかが来ることになって、いろいろと大変なことになりそうな気はします。これでアメリカの方に日本円が流れていけば、やはりドル高の圧力にもなっていきます。
関税引き上げ自体は、多くの場合、関税を課した側の国民がその負担を強いられることになります。しかも関税を課すことでアメリカの産業が守られるかと言えば、ここが難しいところで、そもそも関税を引き上げて守られる産業というのは、農業とかいわゆる生産性の低い産業ですね。
ようするにコモディティ化してしまって、「どれもおなじなら安いのでいいや」みたいな産業のものです。ようはブランド品みたいに高くても買うというものではなくて、差別化ができなくて結局のところ価格競争になってしまうものです。
日本の家電なんかまさにこれで、昔は優位性がありましたけど、いまは中国も韓国も似たものが作れるので、けっきょくのところ「安いものを買う」みたいな感じになります。
それで仮に日本が、海外の電気製品に高い関税を課すみたいなことをやったとしても、高い日本製品を買うことで日本人の生活コストが上がってしまう一方、そもそもの電機メーカーはそんなぬるま湯の中で世界的な競争力がさらに失われていって、けっきょくさらに稼げなくなるという、社会主義国家的な感じになってしまう可能性はけっこう高いとは思います。
そもそもこの失われた30年というのも、低金利のぬるま湯でゾンビ企業だらけになってしまって成長できなかったという問題もあり、稼げない産業を守るために関税を高くすることでさらにヤバい状態になるというのはこれまでの流れからして全然ありえることです。
そんなわけで関税を高くすることで競争力のない産業が生き残ることで、アメリカ経済を守るどころかむしろアメリカの国際競争力を失わせて産業がやばいことになりかねないという状況になる可能性もあります。
そんなわけで、日本の低金利政策のように産業を守るつもりが、逆に競争力を失わせて産業をだめにしてしまうこともありえますので、本当に何が起こるかわからないみたいな感じですね。
まあ、トランプ氏はころころ意見が変わる人なので、方向転換も速そうなので、我々のインデックス投資のためにもなんとか頑張っていただければと思います。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・為替はイベント発生のたびに方向が変わるので、短期的な予測は困難。
・12月は売り買いさまざまな思惑が入り乱れる時期でボラティリティが高くなる。またアメリカの経済指標が低調になりがちなので、ドル安になりがち。
・トランプ氏はドル安をめざすと言っているが、一方で関税引き上げといった矛盾する政策をとろうとしている。
・トランプ氏の関税引き上げが実行された場合、インフレが進むことで利下げが遠のき、円安方向へ進む可能性も。
・関税引き上げによって生産性の低い産業が守られることで、むしろアメリカの国際競争力を失わせて経済の悪化を招く可能性も。
・トランプ氏は意見がころころ変わるので、何をしてくるのか読みづらい。インデックス投資のためにも頑張ってほしいところ。
となります。
そんなわけで上下の激しい為替ですが、来年もいろいろと波乱がありそうな感じですね。
短期投資はともかく、長期投資はひたすら淡々と積み上げていけばいいとは思います。
というか、新NISAはじめたばかりなので、はじめて1年ばかりでホールドできない程度の握力だったら、あと何十年と投資するのも無理じゃないかという気はします。