【FIRE】60歳以降からの4%ルール&バケツ戦略&年金での資金運用方法
新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。
今回は60歳以降からの4%ルール&バケツ戦略での資金運用方法についてです。
本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
60歳以降からの資金運用方法
以前の「FIRE後、4%ルールで生活している人がほぼいない件」の動画でこのようなご質問をいただきました。
「素晴らしい動画に出会えて目から鱗です。相当,感情移入しました(完全に当事者目線です)。
自分も今は56歳,生活防衛資金500万だけ残し,残りの約5,000万円はすべてS&P500に突っ込んでいます。
60歳で完全にリタイヤし,年金(繰り上げ)+4%取り崩しで老後を過ごすシミュレーションをしていました。本動画を(バケツ戦略など)見て,考えが変わりました。
4年後の60歳直前で,s&pの運用益の一部(1,000万くらい)をバケツ用に取り崩し,債券に回し,アセットアロケーションを組んだ方がよろしいでしょうか?」
とのことです。
バケツ戦略については何度か動画にしていますが、4%ルールによるFIREを広めたベストセラー本『FIRE 最強の早期リタイア術』にも書かれているので読んでいただければとは思います。この本ではバケツ戦略という言葉は使っていませんが、暴落したときに取り崩さないためのバッファを設けており、やっていることはバケツ戦略です。
本でも「株式だけの4%ルールでのFIREは危険」とのことが書かれていますが、どうも世の中では本をちゃんと読まずに「インデックスに投資してー、4%で取り崩してー」みたいな部分だけがひとり歩きしてしまっているのが現状で、「とりあえずFIREしたければインデックス入れて、毎年4%で取り崩せばいい」みたいな単純な話になってしまっています。
それで4%取り崩しの失敗を避けるための方法が本には書いているのですが、それがバケツ戦略です。
バケツ戦略では、短期バケツ、中期バケツ、長期バケツの3種類のバケツを用意します。
短期バケツでは直近の生活費などを現金でキープすることです。ここは流動性が重視されますので、現金の普通預金ですね。
中期バケツでは子供の学費や家・車の購入の頭金など、数年以内に必要なまとまったお金を現金や定期預金、債券など無リスク資産で置いておきます。以前も言いましたが、外貨預金や外国債券は為替リスクがあるのでリスク資産です。これは中期バケツに入れずに、長期バケツで運用してください。
そして残りは全部長期バケツに入れて、インデックス投資などリスク資産で運用します。
ようするに短期バケツ・中期バケツを確保すれば、残り全部投資にまわしていいという話にもなりますね。
それでFIRE後の運用方法ですが、本に書かれている方法としては、
短期バケツ:直近1年分の生活費(現金)
中期バケツ:暴落時用の5年分の生活費(無リスク資産)
長期バケツ:残りをリスク資産運用(リスク資産)
になります。中期バケツは暴落時に長期バケツを取り崩さないための、予備の生活費ですね。
たとえば年間200万円使う人は、
短期バケツ:200万円(現金)
中期バケツ:1000万円(無リスク資産)
長期バケツ:残り全部(リスク資産)
となります。無リスク資産を合わせて1200万円用意して、残りは全部リスク資産で運用します。リスク資産がズドンした時には、中期バケツから取り崩して生活費にする形になりますね。
ただ年金や配当など定期的な収入がある場合は、短期バケツ・中期バケツの金額を下げることができます。
たとえば60歳になって年金を繰り上げ受給して、毎月5万円、年間で60万円もらうとします。
そうなると年間200万円必要だった短期バケツは、60万円分引くことができますので、一気に140万円まで下がることになります。そうなれば中期バケツも60万円×5の300万円下げることができますので、バケツ戦略としては
年金:年間60万円
短期バケツ:140万円(現金)
中期バケツ:700万円(無リスク資産)
長期バケツ:残り全部(リスク資産)
となり、必要な無リスク資産は1200万円から840万円まで一気に下がります。
そのため、年金など定期収入があればその分短期・中期のバケツの金額を落とせますので、残りを長期バケツに突っ込んでいくことができます。
こういうこともちゃんと本に書いているのですが、ちゃんと読んでいないというかYoutubeの話を適当につまみ食いしているだけなので、「FIREした後にお金が無くなってまた働きだした」みたいな話になってくるわけです。いかにして4%ルールの失敗を避けるかということの方が重要なのです。
それで4%ルールは定額取り崩しがいいのか定率取り崩しがいいのかについてですが、これも以前述べましたが、定額取り崩しがおすすめです。
現在、取り崩し実験で、楽天証券の方では定率取り崩し、SBI証券の方では定額取り崩しで行っていますが、定額の方が管理が楽ですね。
例えば5000万円投資した場合、4%の定額取り崩しであれば、上がろうが下がろうが毎年200万円なのでわかりやすいです。元本割ったときは、回復するまで中期バケツから200万円取り崩して使えばいいですしね。
定率取り崩しだと毎年増えたり減ったりで、生活をする上では計画が立てにくいというのがあります。
そのため、Q太郎的には、生活としてやるのであれば定額取り崩しをおすすめします。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・4%ルールだけでの運用はリスクが高いので、バケツ戦略と組み合わせておこなう。
・FIREの場合、
短期バケツ:直近1年分の生活費(現金)
中期バケツ:暴落時用の5年分の生活費(無リスク資産)
長期バケツ:残りをリスク資産運用(リスク資産)
という形にし、元本割れの暴落時に長期バケツを取り崩さないようにする。
・年金など定期収入がある場合、そのぶん短期バケツ・中期バケツの無リスク資産を減らすことができる。
・4%ルールは定額取り崩しのほうが毎年の見通しが立つので管理しやすい。
となります。
そんなわけで「インデックス投資してー、4%で取り崩してー」みたいな単純な運用方法でやると痛い目見る場合もありますので、安全に運用したい場合はバケツ戦略を絡めてつかったほうがいいでしょう。そもそも当の4%ルールの本にもその話が書かれています。
年金など定期収入あれば無リスク資産に必要な金額も下がりますので、このあたりはしっかり計算して、自分に必要な短期バケツと中期バケツの金額を把握しておくのがよいでしょう。