S&P500を超えるS&P100ETF「OEF」のメリット・デメリット【米国ETF】

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新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回はS&P500をさらに先鋭化したS&P100のETFである「OEF」についてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

S&P500ETF「OEF」について

インデックス投資の王道でもある、米国の上位500社に投資するS&P500ですが、さらに煮詰めて上位100社に投資するS&P100インデックスを採用したETF「OEF」についてです。

みんな大好きブラックロック社のiシェアーズシリーズから出ているETFで、楽天証券とかで普通に買えます。

ちなみに以前紹介したETF「SCHD」は、日本からは買えなかったのですが、9月18日に発売される楽天証券の投資信託「楽天・高配当株式・米国ファンド」を買うことによって、間接的に買うことができるようになりました。この投資信託は、ようするにSCHDを買うだけの投資信託ですね。

SCHDのインデックスに使われているのは、米国優良企業100社に投資するダウ・ジョーンズ米国配当100インデックスです。高配当系ETFで、VYM並みの配当と、VIG並みの増配力があり、VTIを超えるリターンがあるという、攻守そろったETFとも言われています。「僕の考えた最強のETF」みたいな感じですね。高配当系が好きな人には良いかもしれません。楽天証券の投資信託の方も、また発売されたら動画にしようと思います。年4回の分配金も受け取ることができるようですね。配当好きな日本人好みと言えば日本人好みな感じの投資信託です。

純資産総額・設定日

そんなわけで話を戻しましてS&P100ETFの「OEF」ですが、純資産総額の方は130億ドルほど、日本円で約1.9兆円ぐらいでしょうか。

S&P500ETFのVOOが現在4888億ドル、元祖S&P500のSPYが5624億ドルなので、主流のS&P500ETFと比べればだいぶ劣りますが、金額的には十分です。そこそこ売れているETFと言えるでしょう。

ちなみにみんな大好きVYMは現在566億ドルぐらいです。あとJEPIがしばらく見ないうちに343億ドルまで増やしていて、けっこう追い上げをしていますね。

高配当ETFのHDVが107億ドル、SPYDが63億ドルなので、OEFはHDVよりちょっと人気があるという感じです。

設定日は2000年の10月23日です。すでに20年以上は運営されていますので、そのあたりも安心感はあります。

経費率・配当利回り

経費率の方ですが、0.2%と、VOOの0.06%に比べれば高めです。VOOが異常に安すぎるというのもありますね。

配当利回りは1%前後とQQQレベルにだいぶ少なめ。そもそもトップ100になると情報系が多くなり、配当がほとんどでない会社も多く混ざってくるため、配当を期待して買うようなETFではありませんね。系統的にはNASDAQ100のQQQに近い感じにはなります。

構成銘柄

TOP10

構成銘柄ですが、時価総額加重平均を使っていますので、トップを占めるのはやはりGAFAMとか謎の企業エヌビディアとかの情報系企業になります。

1位からApple、マイクロソフト、エヌビディア、Amazon、メタ、グーグルことアルファベットと、飽きるぐらい見たいつものメンツです。近年のAIブームでエヌビディアはかなり注目を集め、以前までは8位とかあたりだったのに今はAmazonを抜いてきましたね。

というか、トップ10で情報系じゃないのはバークシャーと イーライリリーぐらいですね。テクノロジーと情報サービスで、全体の時価総額の50%を握っている状態です。その次に金融・消費財・ヘルスケアあたりで、それぞれ10%ぐらいですね。情報系に偏ってる形と言えます。

パフォーマンス比較

OEF

S&P500のVOOとのパフォーマンス比較ですが、青がVOO、水色がOEFです。短期・中期的にはほぼ動きは変わらないですね。上位企業の時価総額が極端に多くなる形なので、当たり前と言えば当たり前ですね。

ばらつきのほうは、VOOが15.46%、OEFが15.58%、年間リターンがVOOが13.02%、OEFが13.89%となります。OEFの方がちょっとボラティリティが高めなので、上昇力はOEFの方がちょっと強くなります。

長期的なパフォーマンスを取りたいという方は、OEFを選択するのもありと言えばありでしょう。

QQQ

ついでにNASDAQ100ETFのQQQと比較しておくと、やはり近年のテクノロジー・通信系の強さから、上昇力の強いQQQの方がよい結果を出していますね。テック系をさらに尖らせた形になっていますしね。

メリット・デメリット

それではOEFのメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリットその1ですが、良い企業をさらに先鋭化させたいという人向きですね。

S&P500には500社もありますのでダメな企業も入っています。ただアメリカは日本に比べるとだいぶシビアで、政策的に株価を買い支えるというような行為はおこなわれません。正直、中国やロシアですらよっぽどのことがない限りは株を買い支えるみたいな真似はしませんので、日本市場はかなり特殊と言えます。社会主義国より社会主義なのですね。

こういう特殊な市場はボラティリティが大きくなりやすいので、低ボラ志向なQ太郎的にはあまり好ましくないとも言えます。短期的には利ザヤを稼ぎやすい市場とも言えますが、逆に短期的に大損しやすい市場とも言えます。

一方のアメリカ市場ですが、「自由市場の原則」において運営されていますので、世界の中でもまともな市場と言えます。S&P500も入れ替えがありますので、ずっとダメ企業を握っているというふうにはならないのですね。S&P500で生き残っている企業は、実力のある企業とも言えます。

S&P100はさらにこれが先鋭化しますので、1社1社の影響が大きくはなりますが、良い企業だけで固めたいという人にはいいとは思います。QQQほど極端にはせず、S&P500ほど分散させたくないという人向きですね。

メリットその2ですが、いまの旬に投資できるということです。

上位100社ということは、今のトレンド企業を買うということにもなります。流行りものをまとめてパッケージ化した商品とも言えますね。自分でトレンドを追いかけて、それでポートフォリオを組むという面倒を省いてくれます。入れ替えも勝手にやってくれますので、トレンド好きな人にはいいとは思います。

メリットその3は、経費率が比較的安いことです。0.2%ですね。

ある意味、この手の色物ETFやテーマ型ETFは、経費率がそこそこ高いことが多いです。基本的には購入者が少ないと経費率が高くなってしまいますね。

本ETFは純資産総額が130億ドルほどあるので、0.2%で抑えることができています。VOOとかVTIとかの0.0何%みたいな超低コストETFに比べれば当然高いですが、この手のものの中ではましな方にはなっています。

デメリット1ですが、セクターが偏ることです。

S&P500なら500社ありますので、ある程度の分散を可能にさせますが、さらに100社まで絞ってしまうと今のトレンドのセクターが集中してしまいます。現在だとテクノロジーや通信ですね。

セクターが偏るということは、そのセクターがノリに乗っているときは大きな利益を得られますが、そうでない場合は一気に大きく下がることもあります。

「投資は分散が重要」という人はS&P500のVOO、さらには全米株式のVTIや、世界株式のVTに投資した方が安心感はあるでしょう。

逆に先鋭化させるということは、そのリスクを取りに行くということです。ハイリターンは当然ハイリスクになるのですね。

デメリットその2ですが、短・中期的にはパフォーマンスが正直S&P500と大きく変わらないことです。

S&P500よりちょっとボラが高いというぐらいで、短・中期的にはそこまで大きな違いはないのですね。VOOより高い経費を払ってOEFを買いに行くメリットがそこまであるのかなど、このあたりの問題が出てきます。

しかも楽天証券とかだと、VOOは購入・売却手数料は無料なのですね。OEFは約0.5%ほどの手数料を取られてしまいます。往復で1%ですね。「それぐらいかまわない」という人は買えばいいですが、「やっぱり王道の方が良い」だったらVOOにしておいたほうが無難かもしれません。

デメリット3ですが、情報が少ないことです。

VOOやVTIならブログや動画などいろいろなところに情報がありますが、OEFはマイナーなので取り上げているサイトがほとんどありません。適当にググってみたところ、公式サイト以外はほぼ出てきませんね。

主流はやっぱりS&P500ですし、日本ではさらに分散させたオルカンの方が注目を集めているようですし、世の中の風潮では投資のおける分散が重視されていますね。そのため、先鋭化したS&P100自体がそこまで興味を持たれるようなものでないため、とりあげるサイトも少ないみたいな感じになっているとは思います。

デメリットその4は、分配金が少ないことです。1%前後ですね。

これはQQQとおなじくテクノロジー・情報系企業が中心になるので、キャピタルゲインを取りに行く形に投資になります。配当好きな人はVOOとかの方がいいかもしれませんね。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・OEFはS&P500をさらに先鋭化させたS&P100のETF。

・VOOより多少ボラティリティが高い。

・メリット
良い企業をさらに厳選。
旬のトレンドに投資可能。
比較的経費率が安い(0.2%)。(あくまでこの手のモノの中では安い方で、VOOの0.06%と比べるとだいぶ高いです)

・デメリットは
セクターが偏る(分散が弱い)
中・短期的にはS&P500と大きく変わらない
情報が少ない。
分配金が少ない

となります。

投資の基本はやはり分散なので、あえてそれを弱くして、100社に集中させることが是か非かというところで判断が分かれてくるとは思います。

ただ集中投資という意味では、QQQとかFANG+の投資信託とかもありますし、先鋭化を狙っていきたいならそっちでもいいかなという人も多そうですね。

セクターを重視したければ、素直にセクターETFを買うという方向でもいいですし、Q太郎的にはちょっと中途半端感があるかなといったところです。短中期的なパフォーマンスもS&P500とそんなに変わりませんしね。そのぶん経費率が高くなるのもどうかなという気もします。

そんなわけで、S&P500のさらなる先鋭化を狙っている人には良いETFとは思いますが、「QQQとかでいいや」という人や、「投資は分散が大切」という人には向かないかなとは思います。

そんなわけで、ETFのパフォーマンス云々よりも、自分の投資スタイルをどうしたいかをしっかり決めておいた方が、ズドンがあったときにも長期ホールドしやすくなるとは思いますね。