S&P500はタコトレード&関税差し止めで上昇?【S&P500/新NISA】

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新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、米国市場がトランプ関税に慣れてしまったことと、関税差し止めの判決が出たことで、今後は上昇基調になるのではないかとのことについてです。さくっといきます。

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米国市場は「タコトレード」で今後も上昇?

こんなご質問をいただきました。

S&P500は4月の大きな下落以降、じわじわと上げ始めています。

このことについて、市場がトランプのはったりに慣れてしまったというのがあるとは思います。

毎回大きなことを言っておいて、その後で撤回したりトーンダウンしたりというのが続いています。米国市場だとタコトレードとも言われ始めていて、もはやトランプの発言で揺れ動いたりはしづらい環境になっているとは思います。

もうトランプ効果もほとんど無くなっていて、S&P500は本来の動きに戻りそうな気がしますが、この辺りはどう考えていますか?」

とのことです。

ご質問にある「タコトレード」が何のことかわからなくて、たこ足配当のなんか新しいやつかと思って調べてみたら、タコというのは「Trump Always Chickens Out」の頭文字をとったものですね。「トランプはいつも怖気づく」というような意味です。

中国相手の高関税などもそうですが、大きなことを言っておいて、あとで撤回するみたいなムーブが何度も繰り返され過ぎて、市場が慣れてしまったということですね。いわゆるオオカミ少年効果みたいな感じで、いつも狼が来たぞと言い続けていると、最初はおびえて驚いていた村人たちも、やがて慣れてしまって誰も耳を傾けなくなるというものです。

それとついさっき、トランプ関税に違法判決が出されたとのニュースがありました。アメリカの国際貿易裁判所が、トランプ大統領の関税政策は、緊急事態でもないのに世界各国に高関税を押し付けているとのことで、違法判断が下されたようですね。

昨日はS&P500は落ちていたのですが、NVIDIAの好決算と合わせて現在S&P500の先物が上がっています。日経平均のほうもですが、本日で+1.88%と2%近い大きな上げを見せています。

ただこの裁判の判決はいいとしても、問題はいつからそれが実行されるかですね。そもそもトランプ大統領を止められるほどの実効性がこの判決にあるかどうかの問題もあり、けっきょく裁判の結果でもどうにもならなかったということになれば、失望でまた株価が下がっていくことになりかねないとは思います。

そのため、今の時点で喜ぶはちょっと早い気はしますね。

実際、為替のほうですが、一時一気にドル高に傾いて1ドル146円とかになっていたのですが、長期的にはやっぱりどうなんだろうとだんだん冷静さを取り戻してきたのか、現在だとまたドルが弱くなってきて、一気に1ドル144円台まで失速してしまいました。ここ数日はボラティリティがやばいぐらいに激しいですね。

元ゴールドマン・サックス会長のジム・オニール氏ですが、ブルームバーグのインタビューに対して、「この先1年で、ドルが弱含む以外のシナリオは考えにくい。ドルは大幅に過大評価されている」と述べています。

高関税の引き下げで一時的にドル相場が上がる可能性もありますが、それはあくまで一時的で、長期的に考えると米国市場から流出した資金が、他国の株式市場へ流れ込むことによってドルを押し下げると、オニール氏は見ているようです。外国人投資家は米国市場のポートフォリオを縮小していますしね。

そんな感じで、現状は違法判決が出たとはいえ、実効性はどうなのかや、今回違法判断が出たのは国際緊急経済権限法(IEEPA)の乱用についてなので、トランプ政権が別の法律での根拠をつかって高関税を維持する可能性もあります。正直手放しで喜べる状態でもありませんし、場合によっては高関税持続からの失望売りでさらなる下落トレンドに突入する可能性もあります。

そのため、たんにこのニュースだけで食らいつくのはどうかなという気はします。為替は反応が速いので、さっそくまた円高方向に向かっていますしね。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・TACOは「Trump Always Chickens Out」の頭文字をとったもの。トランプ大統領のはったりに市場が慣れてきた傾向がある。

・トランプ関税に違法判決。ただ高関税差し止めの実効性には疑問が残る。

・一時1ドル146円のドル高基調になったが、現在は冷静さを取り戻しての下落。ドル円は144円台に。

・高関税の引き下げで一時的にドル相場が上がる可能性もあるが、外国人投資家は米国市場のポートフォリオを縮小中。長期的には米国市場から資金が流出し、他国の株式市場へ流れ込むことによってドルを押し下げていく可能性も。

・高関税持続となった場合に失望売りからの下落トレンドが始まるおそれもあり、まだ手放しで喜べる状態ではない。

となります。

そんなわけで違法判決が出たとはいえ、これにどれだけの実効性があるのかなど、まだまだ未知数なところがあります。そのため、ここから投資を増やしていくというのもリスキーな気はしますね。

実際、この違法判決からどう展開していくのか見守っていきたいとは思います。