米債券下落で債券ETF購入チャンス?【TLT/AGG/BND】

債券ETF投資お役立ち情報

TLT BND

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は、米国債券下落で、TLT、AGG、BNDなど米国債券ETFの購入チャンスではないかということについてです。

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債券ETFの購入チャンス?

こんなご質問をいただきました。

「現在、トランプのやらかしからの債券価格の下落により、債券利回りが跳ね上がっています。

いまのうちにAGGやBND、TLTなどの債券ETFを買うのは得策でしょうか?よろしくお願いします。

とのことです。

債券利回りですが、米国の10年債利回りは4.5%を突破した状態にまた戻りましたね。

今年に入ってからの債券の動きですが、けっこう動きが激しいことになっています。

前月はトランプ関税によって、当初は株式市場から資金が引き上げられて、安全資産としての米国債に資金が移されました。その結果、4月2日で4.2%だった米10年国債利回りが、4月4日には3.9%まで低下しています。

そのときは、米国債はまだ安全資産としての役割を果たしていたというか、世間一般では安全資産という認識だったのですね。

ところがさらに4月9日になると、とくに理由もなくまた一気に4.5%まで上がっていきました。

ボラティリティの低い債券が、こんな数日でこんな異常なボラティリティを持つこと自体がかなり異常なのですが、その後も上げたり下げたりで、一向に安定しません。

直近で一番利回りが高くなったのは1年ちょい前の2023年で、この時期には5%をつけています。現在の4.5%の水準だと、まだ上昇余地がありますね。そのため、いまがチャンスかどうかという話でしたら、まだ底値というほどでもないかなとは思います。

最近は本当に債券とは思えないレベルでボラティリティがひどくなっています。トランプ大統領の発言でころころ動きが変わるので、本当に債券なのかみたいな動きですね。

それで現状の債券利回り上昇は、トランプ大統領の減税政策にあります。高関税政策については米中合意でいったんは危機を脱したというとらえられ方ですが、その一方で減税でアメリカの税収が減ってしまうことから、「アメリカの財政大丈夫か?」との懸念から債券利回りが一気に跳ね上がりました。

ところが前日にまたトランプ大統領が、「iPhoneが海外製造だった場合、アップルが25%の関税を支払うべきだ」とかまた高関税の話を言い出し始めてしまってます。EUとの関税交渉もうまくいっていないので、EUからの輸入品に来月の1日から50%の関税を課すとも言ってますね。

すると今度は、長期的なアメリカの経済不安から利下げの可能性が出てきて、債券利回りが下落しだします。

と思ってたら、ついさっき入ってきたニュースで、トランプ大統領がEUへの50%関税を7月9日に延期するといいだしました。もうこれ完全に頭おかしいだろうというぐらい朝令暮改な状況になっています。こんなにコロコロ変わってたら、国としてどうなんだみたいな話になりますね。これでまた債券利回りが上昇しそうですし、いったいなにを見せられているんだみたいな気持ちになってきます。政治というか、もはやコメディーショーみたいな感じになっています。

こういう動きをすると、正直、トランプ大統領の関係者はインサイダーやりたい放題じゃないかという気もします。

トランプ支持者が「だったらお前もやればいいじゃないか」と言いますが、そもそもいつトランプ大統領がどういう発言をするかのタイミングが身内以外にはわからないので、一般人が利ザヤをとるのは無理とは思います。発言する前に仕込まないと意味がありませんしね。

もう一つ、外国債券の問題としては、やはり為替の問題があります。

利回りが高くても、その分通貨安になってしまった場合、債券の利益を簡単に打ち消してしまうのですね。トルコリラとかその典型例で、知り合いが高金利につられて外貨預金して手痛い目にあっていました。

現在、円高基調なので、利益が簡単に打ち消される可能性はけっこう高いとは思います。いま1ドル142円台前半で、140円まで行きそうな勢いもあります。とくにいまはトランプ大統領の発言次第で変わるみたいな状況なので、読みようがないような状況です。

そのため、外国債券はリスクの割にリターンが小さいので、けっこう割に合わないような状況とは思います。リターンが少ないわりに、ボラがやたらと大きい状況なのですね。

最近BNDとかAGGを見ていないのでちょっと見ていきますと、

BND

BNDは前年度に一時期75ドル以上まで上がっていましたが、現在は72ドル台ですね。ただ前年と現在では為替が違いますので、日本円換算したらだいぶ下落しているでしょう。分配金利回りは3.8%ぐらいです。

AGG

AGGのほうも昨年に101ドル突破しましたが、現在は97ドルに落ちています。分配金利回りは3.9%と、AGGのほうがちょっと高いですね。

TLT

問題児の長期債ETFのTLTですが、こちらも一時101ドルまでつけましたが、現在は84ドル台とけっこうボラが大きいです。利回りは4.5%ほどですね。

そんなわけでどれも高利回りにはなっていますが、いまはボラティリティが激しすぎますし、円高基調なので、利益が簡単に吹き飛ぶような状況ともいえますね。現状のリスクに対して、債券のリターンではわりに合わないとは思います。買うにしても時期をずらして分けて買ったほうがいいとは思いますね。

まとめ

そんなわけでまとめると、

・今年に入ってからの債券のボラティリティはかなり異常。トランプ大統領の発言で動きすぎる。

・現在は高関税政策のぶり返しからの長期的なアメリカの不景気懸念で、利下げの可能性から長期債の利回りは下がっている。

・けど、またトランプ大統領がついさっきEUへの課税延期を言い出して、もはやわけがわからない。今後またどんな発言が飛び出すかわからないので、なんともいいようがない状況。(いったいなにを見せられているんだみたいな状況ですね)

・為替のボラティリティも高い。円高基調なので、米国債投資の利益が簡単に吹き飛ぶような状況。

・今のボラティリティだと、リスクに対する債権のリターンでは割に合わない。買うにしても時期をずらして、分けて買った方が良いかと。

となります。

本当に現状は、債券とは思えないボラティリティで、わけのわからない動きになっています。荒波の高ボラのなかで、低いリターンの債券への投資はシャープレシオ的にけっこうリスクが高いかなという気はします。

そんなわけで、Q太郎的にはいまは債券を買う時期じゃないというか、そもそもギャグでやってるのかみたいなわけのわからない状況なので、いまは近寄りたくないというのがあります。

買うなら、買い手に有利な日本の個人向け国債変動10年がいいんじゃないかという気がします。元本保証ですし、利回りが上がれば上がっただけ得する構造ですしね。

そんなわけで、いまは米国債投資はリスキーというかトランプ大統領次第でわけわからない状況なので、避けたいかなというのがあります。買うにしても時期をわけながらゆっくり買っていったほうがいいですね。