米CPI上振れ!円安進行・米国債券ETFの下落リスクは?【TLT/AGG/BND】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨日発表されたアメリカの消費者物価指数(CPI)ですが、予想を超えて上振れしてしまいました。今回は米CPIの内容と、ドル円・債券への影響についてです。
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8月米CPI
さて、発表された8月消費者物価指数(CPI)です。
総合CPIですが、前年同月比で+3.7%となり、予想の+3.6%を超えました。
7月CPIは+3.2%なので、上振れが続いています。
前月比では+0.6%と、こちらは予想と同じになっています。
エネルギーと食品を抜いたコアCPIは+4.3%。こちらも市場予想と同じですね。
ただ前月比が+0.3%と、予想の+0.2%を超えています。先月は+0.2%なので、6か月ぶりに上振れが始まってしまったことになります。インフレがかなりしぶといことになっていますね。
アメリカ経済はいまだ堅調なので、物価上昇圧力が再燃してきている兆候にもなっています。
パウエル議長は先月、
「金利を高水準に維持し、景気とインフレが落ち着かなければ追加利上げもある」
と述べています。短期的にすぐ利下げという方向には行きにくいでしょう。
11月12月のFOMCであと1回の利上げの可能性が出てきたので、円安進行と債券利回り上昇のリスクも出てきています。
ただ年末の利上げはすでに織り込まれているとの見方もあり、債券のほうはとくに反応はせず、現状は横ばい状態になっていますね。様子見というところでしょう。
ドル円のほうも大きな反応はなく、むしろ日銀のマイナス金利解除を意識しての円高リスクのほうとの綱引きになっていますね。本当にドル円は日銀次第になるとは思います。
まとめ
債券ETFについての質問があったので、債券ETFについても見ていきます。
債券ETFのAGGですが、年初来で-1.76%となっています。利下げ期待で今年前半は上がっていたのですが、けっきょくのところインフレがしぶとくてだらだらと下がっていった形ですね。
20年超債ETFのTLTも、年前半の利下げ期待の上げからの、裏切られての下げが続いて、現在は年初来で-7.15%となっています。こちらはボラティリティが高いので、今後のさらなる利上げには注意したほうがよいでしょう。
年末の利上げがある場合、80ドル台まで下が可能性もありますので、買うにしても時間分散で買っていくのがいいとは思います。
今後アメリカが高金利を維持した場合、債券は年単位でずっと低調な状態を続けるとは思います。そのため債券投資は長期投資と割り切って、ずっと持ち続けるという形でやるのがいいでしょう。
ついでに日本のほうですが、「早ければ来年にもマイナス金利解除」という予測が出てきており、円高方向へ触れる可能性もあります。
ボラティリティの小さい債券の天敵はやはり為替なので、このあたりも注意する必要があるでしょう。
ちなみに岸田総理の内閣改造がありましたが、「物価高から国民を守る総合経済対策」との方針を打ち出しています。
正直、物価高より増税から国民を守ってほしいと思いました。物価高対策でバラマキしても、けっきょくのところは税金から出ていますので、「物価高対策=増税」につながってしまうのですね。
なんにしても、日本はいろいろ厳しい状態にはなっているとは思います。