テーパリングとは?米国株への影響をわかりやすく解説【米国株投資の基礎知識】

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QYLD全力太郎ことQ太郎です。

金利の株価への影響はよく解説していますが、テーパリングについても解説してほしいとのリクエストがあったので、今回はテーパリングと米国株への影響をわかりやすくさくっと解説していきます。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

テーパリングとは?

さて、テーパリングについてです。

一般的に、金利が上がると株価は下がります。

テーパリングもおなじで、テーパリングがあると一般的には株価が下がります。

テーパリングという言葉ですが、英語の「taper」から来ています。「徐々に減らしていく」という意味ですね。

その名のとおり、量的金融緩和政策の買い入れ金額を徐々に減らしていくということですね。一気にやると経済が混乱しますので、徐々にです。その意味でのテーパリングです。

「量的金融緩和政策」、いわゆる「量的緩和策」とはなんぞやという話ですが、まずはアメリカがどうやって経済を安定させているのかの仕組みを理解しておきましょう。

金利政策

これも以前にFOMCの解説動画で説明しましたが、アメリカはFRB「Federal Reserve Board」、日本語だと「米連邦準備制度理事会」が経済安定をコントロールしています。日本で言えば日銀のようなものですね。

FOMCとは「Federal Open Market Commitee」、日本語で「連邦公開市場委員会」といいます。これを年8回開いています。FOMCについてはこちらを参照してください。

このFOMCにおいて、利上げや利下げなど政策金利を決定します。この政策金利をFFレートといいます。FFレートによってインフレなどをコントロールしていくのですね。

量的緩和政策

不景気のときの経済コントロール策として、「量的緩和政策」というのがあります。QE(Quantitative Easing)と呼ばれるものですね。

具体的に何をするかといえば、毎月ひたすら米国債とか住宅ローン担保証券とかを買い入れます。それによって市場にお金を流し込みます。

これによって金利も落ちていきますね。

利下げと量的緩和政策が違うのは、目標の金利まで下がってもさらに買いオペを続けます。0金利になってもさらに買い続け、無理やり市場にお金を流し込むのですね。

アメリカではリーマンショック以降、EQ1、EQ2、EQ3と3回の量的緩和政策を続け、0金利政策をおこなってきました。

テーパリング開始

2016年から利上げをしていったん2%ぐらいまで戻していったのですが、その後のコロナ禍によって経済が悪化。そのため緊急利下げで一気にまた0%まで戻しました。

これによってご存知のとおり、コロナバブルなるものが発生し、株もビットコインも爆上げみたいな状況になりました。

そして2021年になると、FRBは「もう経済もよくなったから、金融引き締めしてもいいんじゃね?」ということで、2021年11月からテーパリングを開始します。

ようするに量的緩和策による買いオペの量を少しずつ減らしていったのですね。先ほども述べたように、一気にストップするわけではなく、徐々に買う量を減らしていきます。そのため、テーパリングと呼ばれています。

ここでよく誤解があるのですが、「テーパリング=金融引き締め」ではありません。あくまで「資産買い入れ量を減らす」ことをテーパリングと言います。

FRBはコロナ禍で毎月1200億ドルの資産買い入れを行っていましたが、その毎月の買い入れ金額を2012年11月から毎月150億ドルずつ減らしていくという政策をおこなっていきました(2022年1月からは300億ドルに増額)。

テーパリングの効果

テーパリングの効果についてですが、量的緩和によって市場にじゃぶじゃぶお金が流れ込むと、インフレが促進されます。

テーパリングすることによって、市場に出回るお金をコントロールすることができ、インフレのリスクを抑えながら量的金融緩和ができるということですね。

市場のお金の量が減ると金利が上昇するので、株価にとっては悪影響があります。

2013年のときはテーパリング発表により世界市場が動揺し、とくに新興国株が大きく落ち込みました。これをテーパータントラムといいます。

ただ今回のコロナ禍では事前アナウンスが徹底されていたので、テーパタントラムの影響はそれほど大きくありませんでした。下がったことは下がりましたが、以前ほどのズドン的な動きではないのですね。

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2021年11月から始まったテーパリングは、2022年3月に終了しました。株価も2021年11月あたりで天井を付けて、そこから下落トレンドに入っていますね。

そこから今度は、インフレがひどくなってきたので前倒しでの利上げ開始ですね。今回はテーパリングより、利上げのほうが株価への影響が大きくなっています。

 

まとめとQ太郎の見解

これまでリーマンショックから続いてきた低金利政策は事実上終了し、利上げに次ぐ利上げで、今年からは5%以上もの高金利時代が到来します。

今月31日から2月1日に次回のFOMCが開かれますが、そのときに0.25%か0.5%の利上げが行われるでしょう。

最近の株価上昇は0.25%を織り込んでのことですが、これが0.5%になると株価が大きく下がる可能性もあります。

来年は新NISAも開始しますので、資金余力を残して、長期視点でゆるゆると投資していくのがいいでしょう。

新NISAについてはこちらを参照してください。