【新NISA】投資詐欺にだまされやすい人の特徴

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sagi

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

今回は投資詐欺にだまされやすい人の特徴です。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

投資詐欺にだまされやすい人の特徴

こんなご質問をいただきました。

いつも動画を拝見しています。

新NISAが始まってから、投資詐欺にだまされる人が増えたとのニュースが多くなりました。

とくに有名人に成りすまして投資を持ちかける詐欺が横行しています。

なぜこのような詐欺にだまされる人がいるのかが、私には逆に不可解です。

投資など先の読めるものではありませんし、仮に本当に有名人が言ったからと言って当たるわけでもありません。日本人は権威主義に弱いので、有名人や偉い人というだけで、何の根拠も無しに信じてしまうのではないかと私は思っています。

投資の有料オンラインサロンに入っている人たちも、詐欺にあっているようなものだと思っています。少なくともオンラインサロンの月額料金だけ、毎月収支がマイナスになっていきます。あたるわけでもない情報を、お金を払い続けて加入している意味がわかりません。このようなオンラインサロンに入っている時点で投資の才能が無いと思っています。

Q太郎さんはオンラインサロンなどやっていませんし、企業案件も一切受けていないとのことですが、このような有料オンラインサロンについてどう思われるでしょうか。

また投資詐欺に会いやすい人は、どういう考えで自ら詐欺られに行くのでしょうか。

たとえばFXの自動売買に100万円払う人がいるそうですが、100万円払ったらそれ以上の金額を取り返さないといけません。そんなことが可能だとなぜ信じられるのかがわかりません。自動売買が本当に成り立つのであれば、そんなものを100万円で売ることはまずないと思います。こんなものにだまされる人は頭がおかしいのでしょうか。

だまされやすい人の特徴をどうお考えでしょうか。」

とのことです。

まずQ太郎がオンラインサロンとか企業案件を受けないことについてですが、単に面倒くさいからです。やりたい人はやればいいですし、そのオンラインサロンのコミュニティに入って楽しいという人もいますので、入って満足な人は入ればいいんじゃないかと思っています。昔で言うところのアイドルのファンクラブみたいなものじゃないでしょうか。

それと以前動画でも言いましたが、Q太郎の親戚が米国株投資のオンラインサロンの入会金で50万円払わされています。入ったあとの手遅れ状態だったので、止めようもなかったですね。詳しくはこちらの動画を参照してください。

ただその親戚は、今はもうやめているみたいですが、当時はそのオンラインサロンというコミュニティに入って楽しそうにしてました。「サロンの会員には医者や弁護士が多くて、自分もがんばらなくちゃと思ってやる気が出る」と言っていました。本当に医者や弁護士が多いのか、そもそもその会員は本当に医者や弁護士なのかといろいろ突っ込みどころはありましたが、本人が楽しそうにしているし、月額5000円ぐらいで金額的にもその親戚にしてみればたいした金額ではありませんので、部活とおなじように「そういうコミュニティで楽しんでいる」と思って、「よかったねー」と言うしかありませんでした。いちおう勉強会のような活動は、オンラインサロン内でちゃんとやってるみたいですね。

逆にこういう閉鎖的なコミュニティから人を無理に脱退させようとしたりするのは、カルト宗教の信者をやめさせようとするぐらい難しいですし、迫害されればされるほど集団の結束がかたまってしまいますので、ぶっちゃけどうにもならないところがあります。本人が好きでやってますしね。

ただこの手のものは、いずれ本人が飽きるか気づくかでやめてしまうことが多いので、脱退したあとも付け回してくるみたいなよっぽど変な集団でないかぎりは、放置しておいてもいいんじゃないかという気がします。自分のお金をどう使おうがその人の自由ですしね。

損得勘定

それで「だまされやすい人の特徴」ですが、ひとことで言えば「正しい損得勘定ができない」ことが大きな要因になります。

いま「損得勘定」と聞いて、すぐに「お金」を思い浮かべてしまった人は、だまされやすい可能性が高いので注意してください。

人間にかぎらず、すべての生物は損得勘定で動いています。

たとえば動物の親が子を守るのは自分の遺伝子を守るためでもありますし、植物が酸素をつくるのは、動物に二酸化炭素をつくってもらうためとも言えます。

自分のアウトプットに対して、期待されるインプットがあるのですね。

たとえば働くという「アウトプット」があった場合、見返りとしてお金や満足感、ソーシャルキャピタルという「インプット」があります。

「正しい損得勘定」というのは、これらのインプットとアウトプットをできるかぎり正確に、客観的に推し量るということですね。左右の天秤の重さが等しくなっているかを考えることです。

すべての事象に対して考えなければいけないので、「損得勘定=お金」という思考はきわめて危険というか、だまされやすい人の典型的なマインドとも言えます。視野が狭くなってしまっているのですね。

例えば友達が「ガムあげるから、ニンテンドースイッチと交換して」と言われたらどうしますか? インプットがガムで、アウトプットはニンテンドースイッチです。天秤に乗せれば釣り合っていないので、たぶん断るでしょう。これはわかりやすい損得勘定です。

もう一つの例として、安いからといって、毎日100円のインスタントラーメンを食べていたとします。

ここでインプットは「インスタントラーメン」、アウトプットは「100円」で、お金だけで考えれば一見つりあっているように見えます。

しかしもう少し視野を広げていくと、実際は「インスタントラーメン」のインプットに対して、アウトプットされているのは「100円」だけではなくて「あなたの健康」も加わっています。つまり将来的に健康を害することになるのですね。これは実のところ、不平等な交換条件になっています。

お金だけで物事を考えてしまうと、健康というファクターが無視され、「正しい損得勘定」ができていないことになります。そもそも将来病気になったら、よけいお金がかかりますしね。

こういう「正しい損得勘定」をするためには、広い視野と知識が必要です。「損得勘定=お金」とすぐに考えてしまう人がだまされやすいのは、この視野の狭さにあります。

そしてもう一つ重要なのは、自分の損得だけでなく、「相手の損得も考える」ということです。

前回の動画で、家事・料理・掃除などをがっつりやって、両親に感謝されているニートの話をしましたが、これはニートが目に見えない資産であるソーシャルキャピタルを稼いでいるからですね。その見返りとして、両親は実家に住むことに難色をしめさないわけです。

このニートが朝から晩までゲームをして、家事をいっさい手伝わないとなれば、これは両親からの一方的な搾取になります。天秤は釣り合っていないので、当然両親からは嫌がられたり「出ていけ」と言われるのです。一方的な搾取をする人に、人は何かをあげたり貸したりなどはしたくありませんし、そもそも近づきたくありません。人間関係も「正しい損得勘定」によって維持されるのです。一方的に搾取する関係では、その関係は長続きしません。あくまで自分と相手、「双方の損得勘定を正しくする」ことが重要です。自分の損得勘定だけしてはいけないのです。

あくまで自分も相手も利益があるという、win=winの関係をつくらないといけないのですね。

例えば相手がニンテンドースイッチをさしだしてきて、これとあなたのガムを取り替えたいといってきます。先ほどと逆のパターンですね。

ふつうに考えれば釣り合っていませんから、自分が得すると思っても断らなければならないのです。win=winの関係にはなっていませんし、普通は何か裏があると思いますよね。

たとえばそのニンテンドースイッチが盗品の可能性もあるわけですし、不釣り合いな取引は、何かやっかいごとを頼まれる可能性もあるわけです。不釣り合いなぶん、あとで何か別の条件が上乗せされる可能性ですね。

そしてこのように、自分の損得勘定しか考えず、他人の損得勘定が考えられない人がだまされることになるのです。

ご質問に出てきたFXの例もそうで、「100万円で自動売買アプリを払ったら、100万円以上戻ってくる」と自分の損得勘定しか考えていないから、詐欺られるわけです。

「相手の損得勘定」を考えれば、「この人はこれを100万円で売ることで、どういう利益があるのだろう」とすぐに考えられるわけです。ふつうに考えて、自動売買アプリを使ったら100万円以上もうかるのであれば、売る方はそれを他人に売って100万円を得るよりは、自分で使って100万円以上を稼いだ方がお得なわけです。

それをなぜしないのかと考えれば、「そもそもそれは100万円以上稼げないものだから、100万円で売ることで利益が出せるのではないか」と、相手の損得勘定を考えるのですね。

情報商材とかもおなじですね。たとえば100万円以上稼げる情報商材を100万円で売る人がいるとします。相手の損得勘定を考えれば、「100万円以上の価値のものを、赤の他人に100万円で売ることに何の利益があるのか」と、相手の損得勘定を考えられるわけです。

「有名人が投資について10万円で教えてくれる」という詐欺も、たとえば「こんな忙しそうな人が、たった10万円のために、貴重な時間を使って赤の他人に教えることに何の利益があるのだろう」「そもそもその時間を使って自分で投資をした方がもうかるじゃん」とかいろいろ考えられるわけです。

「ウォーレン・バフェット氏が投資の秘訣を30分1万円で教えてくれる」という情報があったとして、普通に考えれば「何千億円と稼いでいる人が、なんで自分の時間を30分1万円で売らないといけないんだ」とか、「そもそもウォーレン・バフェットと一緒に食事したい人なんていくらでもいるし、その入札に何億円もかかるのに、1万円でやるわけないだろ」とか、相手の損得勘定を考えればすぐに思いつくのですが、自分の損得勘定しか考えていない人にはそれがわからないわけです。

釣り合っていないときは断る

自分の損得勘定だけでなく、相手の損得勘定も考え、お金だけでなくソーシャルキャピタルなど様々な要因を含めて双方がwin=winの関係になるようにするのが知恵というものです。それが「正しい損得勘定」です。自分の損得勘定だけ、お金だけで考えれば詐欺られます。

win=winでなければ、自分が得をしたとしても断るのが良識のある人と言えます。あきらかに釣り合っていない場合、自分だけが一方的に得をしすぎている場合は、まず普通は何か裏があると思いますしね。頼み事など、お金ではない何かで釣り合わせてくる可能性もあるのです。業者が政治家を接待するのはこのパターンですね。

人付き合いもそうです。「お金持ちだから付き合いたい」「美人だから付き合いたい」と自分の見返りばかりを考えて、付き合うためにお金を払い続けていたら、結局見返りは何もありませんでしたという結果にもなりかねません。結婚詐欺とかはだいたいこのパターンですね。

詐欺の基本は「自分の損得勘定だけ考える人」をひっかけることなので、自分の損得だけでなく、相手が自分と付き合うことでなにか得があるのかも合わせて考える必要があります。

たとえば「10万円払ったら、有名人やお金持ちの集まるパーティに参加できる」というのがあったとします。このときも、有名人やお金持ち側から見て、あなたと付き合うことに何かメリットはあるのかとか、相手の損得勘定も併せて考えないといけないのですね。

あなたがすごいイケメンとか美人とか有名人ならまだわかりますが、そうでない場合、「なんで自分のところにこんな話が来るんだ? 相手に何のメリットがあるんだ」と、相手の損得を考えないといけないわけです。まあ、普通に考えて、相手はあなたから10万円を取ることだけが相手の得になるわけです。もちろんお金だけとって、「実際そんなパーティありませんでした」となるのがオチとは思います。もしくはなんか半グレみたいな中途半端な金持ちの集まった、中途半端なパーティが開かれるだけみたいな感じなるとは思います。

ちなみにQ太郎は刺激に弱いので、派手なパーティとかは基本的に参加したくない派です。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・詐欺られやすいのは「正しい損得勘定」ができない人。

・「正しい損得勘定」とは、自分の損得勘定だけでなく、相手の損得勘定も併せて考え、双方がwin=winになるようにすること。双方の損得勘定が釣り合っていなければノーディールにする。(ようするに取引しないということですね)

・「自分の損得勘定しか考えず、相手の損得勘定を考えない人」が詐欺にあいやすい。(「相手の損得勘定」、つまり「相手は何の利益があってこんなことをしているのか」が考えられないのですね。自分の利益しか考えないので、うまい話に乗っかってしまうのです。相手がどうやって利益を出しているのかが考えられないわけです)。

・「損得勘定=お金」とすぐに考えてしまった人も詐欺にあいやすいので注意。(「損得勘定」にはお金以外にソーシャルキャピタルや健康、時間など、目に見えない要素が入ってくる)。

・「正しい損得勘定」をするには広い視野と知識が必要。

となります。

そのため、「FXの絶対もうかる自動売買アプリを100万円で提供」「有料級の投資情報を無料で提供」というのも、自分が得することではなく、相手がそれをやって何の得になるのかも合わせて考えなければならないわけです。

企業のいう「無料で提供」とか「爆安価格」とかも、自分が得することを考えて乗っかるのではなく、相手はどうやってそれで利益を出すのかも合わせて考えなければなりません。そうすれば何かおかしいことに気付けるわけです。

自分だけが一方的に得をしようと思った結果、相手の損得勘定を考えていなかったため、実はだまされていたというのがよくある王道の詐欺のパターンですね。

仏教が「欲・怒り・無知の三毒を無くせ」というのは本当にその通りとは思います。まさに欲と無知が身を滅ぼしていますね。

ちなみにQ太郎がオンラインサロンをやらないのは、面倒くさいのと、あとwin=winになるようなものを提供できないというのもありますね。仮に月額500円だとして、その500円に見合うものを提供できる気がぜんぜんしませんしね。

そんなわけで、自分だけでなく相手の損得勘定も考えられるよう、広い視野と知識を持って「正しい損得勘定」を身に着けていくのが、詐欺などの面倒ごとを避ける一番の方法とは思います。