1ドル140円は円安のピーク?ドル円の9月末・年末の予想中央値と今後について【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
株より激しいボラティリティで動いている最近のドル円ですが、バンク・オブ・アメリカの調査では、「もうすでに円安はピークをつけた」と見るファンドマネージャーが多くなっているとのことです。1ドル140円ぐらいがピークという考えですね。
一方で、「140円を突破してまだ円安は進む」と見る専門家もいます。どちらかと言えば、日本人のほうが円安になると見る傾向が強いようですね。
今回はドル円の今後について、専門家の意見を集めてみました。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
ドル円の今後
さて、ドル円の今後です。
現在は140円でピークをつけたと考える円高派と、140円を超えてさらに進むという円安派で意見がわかれている形になります。
まずは「円はすでにピーク派」の意見をいくつか見てみましょう。
円高派
ピクテ・ウェルス・マネジメントの為替ストラテジスト・リュック・リュイエ氏は、「半年後に126円、一年後には120円台まで円が反発する」と見ています。
円安をけん引してきたのは、アメリカと日本の金利差の拡大ですが、今後の世界的な景気悪化による金利低下によって、金利差の拡大は縮小されていくとの考えからです。
ナショナルオーストラリア銀行のストラテジスト・ロドリゴ・キャトリル氏も「今年の大きな円売りは終わり、ドル・円のピークは過ぎた可能性が高い」と述べています。
また大和証券のストラテジスト・石月幸雄氏も140円を超える円安には懐疑的で、「ドル・円は日米の金融政策の方向性の違いはもう材料にはならない。大体の織り込みが進んできた」と述べています。すでに過剰なまでに金利差を織り込んでしまっているいう意見ですね。
クレディ・アグリコルCIBのデービッド・フォレスター氏は「予想より弱い米経済指標は利上げ観測を抑制し、高利回りが魅力となってきたドルの安全資産としての地位を後退させ、円の安全資産としての存在感を再び際立たせることにつながる」と述べています。
Q太郎的には、円が安全資産とはあまり思えないのですが、まだまだ安全資産と見る向きもあるようですね。
これら円高派のロジックをサポートするものとしては、米国の経済指標の悪化、すでにピークを付けたと思われる債券利回り、エネルギー価格の低下が挙げられます。一時期に比べると、原油先物も100ドルを割り込んでしまっていますしね。
経済が悪くなれば金利は下がりますので、日米の金利差がこれ以上開く余地がないという話になります。
ただ多くの予想が、年末で130円~135円といったところです。
「半年後で126円、一年後で120円」という予測なので、極端なスピードで円高に進むとは考えていないようですね。
現在が135円なので、ここからだらだらと横這いが続くイメージかもしれません、
円安派
一方、円安派・円の弱気派ですが、海外よりも日本人に多い意見です。
外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏は、「日銀が金融緩和を続けているので、円安は仕方がない」と述べています。まあ、普通はそう考えますよね。
ターゲットとしては、142円をメインとし、147円まで円安が進むとの考えです。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏は「近い将来、日本だけがマイナス金利国になり、円が調達通貨の筆頭になる」と述べています。
アメリカのインフレのピークアウトが見られるのは9月以降で、それまでは日本の貿易赤字を背景に143~145円までいく可能性があるとのことです。
さらに弱気派のファイブスター投信投資顧問の岩重竜宏氏は「本当のオーバーシュートは150円を抜けたときで、ターゲットは160円」としています。
まとめとQ太郎の見解
ここまででまとめると、
円高派のレンジは130円~135円、円安派は142円~147円との予想になっています。
言い方を変えれば、「140円台は維持できない派」と、「140円台にのぼる派」になっていますね。
ブルームバーグの集計によれば、9月末のドル・円相場の予想中央値は135円、年末は132円になっているので、円高派の130円~135円レンジが現在主流なのではないかと思います。
Q太郎は、長期的には円安だとは思いますが、直近ではアメリカのインフレがどうなるかで金利のブレがありますので、状況次第では一気に円高に動く可能性もあります。
円資産も持ちつつ、どちらに転んでもいいような態勢をつくっておくのがいいとは思います。
分散のために日本株もちょっと買っておいたほうがいいかもしれませんね。世界株式の割合で考えると、米国株の10分の1ぐらいの分量でいいとは思います。
日本株についてはこちらを参照してください。