資産1000万円を超えた50代の90%がハマる、住宅集中の罠【資産一億円到達が難しい理由】

資産1000万円を超えた50代の90%がハマる、住宅集中の罠【資産一億円到達が難しい理由】
資産1,000万円を超えた時にやりがちな資産形成の罠についての動画です。録音できない環境なのでゆっくり実況形式(セルフボイス)でお送りします。チャンネル紹介ゆっくり実況形式(セルフボイス)について質問は...

最近、資産形成についてちょっと引っかかる話を見つけまして。

資産1000万円を超えて、いわゆる「勝ち組」と呼ばれるラインに入った50代のかたが、そこから10年、20年経っても、資産がほとんど増えていない、というケースがあるらしいんですね。浪費したわけでも、投資で大損したわけでもないのに、です。

じゃあ何が原因なのかというと、多くの場合、犯人は「マイホーム」だったという話でして。

そんなわけで、ようこそ、Q太郎のお金の哲学へ。お金に振り回されないための生存戦略を日々発信しています。

今回は「資産1000万円を超えた50代の90%がハマる、住宅集中の罠」を深掘りしていきます。

・レベル3で何が起きているのか

『Wealth Ladder』というベストセラー本があります。いろいろなところで紹介されていますし、投資しているかたなら、読んでいるかたも多いとは思います。

この本では、資産の額をいくつかの段階、レベルに分けて説明していまして。

ただ本文はドルなので、日本の肌感覚に直した数字で考えると、レベル1は資産100万円以下、レベル2は100万円から1,000万円以下、レベル3は1,000万円から1億円以下になります。

それで50代で資産形成している人の多くは、レベル3だとは思います。1,000万円以上はあるけど、1億円以下ということですね。

この本の中で、ちょっと面白いデータが出てきます。レベル2、つまり資産1,000万円以下の持ち家率は42%なのに対して、レベル3になると持ち家率は90%まで跳ね上がるというんですね。つまり、資産1000万円を超えたあたりで、多くのかたがマイホームを買っている、ということです。

さらに踏み込んで、レベル3のかたは、住宅が資産全体に占める割合が、平均で65%というデータも紹介されています。資産の3分の2が、不動産ということですね。

これは結構当たり前の話で、そもそも住宅は数千万円します。資産1億円以下であれば、数千万円もする持ち家は、資産の大半を占めてしまうわけです。

そしてもう一つ、これがQ太郎的には一番引っかかったところなんですが、レベル3に到達したかたの65%は、20年以上経ってもレベル3から上に上がれない、というデータもあるんですね。つまり資産1億円以上の、レベル4の大台に登れない。レベル3というのは、多くのかたにとって「そこそこ資産があるのに、そこで足踏みし続ける」踊り場になっている、ということです。資産1億円の壁を越えることができない。

・住宅は資産か、それとも消費財か

ここまで話せば、なぜレベル3に停滞し続けるかの理由はわかるとは思います。住宅です。

マイホームを買うというと、一般的には「資産形成の一歩」だと感じるかたが多いと思います。ローンを組んで、少しずつ返していって、最終的には自分の資産になる。数字だけ見ると、そう見えるんですね。

ただ、ここで一回立ち止まって考えたいのが、この住宅、本当に「資産」として機能しているのか、ということです。

たとえば人生ゲームを思い浮かべてみてください。あのゲームには「マイホーム購入」というマスがありますよね。あのマスに止まると、見た目の資産は増えます。でも、あのマス以降、ずっとローンのコマを払い続けなければいけない。しかも、そのマイホームというコマ、途中で売って現金に換えることは、ほとんど想定されていません。

現実のマイホームも、これに近い構造があります。値上がりしたとしても、住み続けている限り、その値上がり益は現金として手元に入ってきません。それどころか、住宅ローンの金利、固定資産税、修繕費といった支払いは、住んでいる間ずっと続きます。つまり、値上がりを期待する「資産」というより、住むために毎月お金を払い続ける「消費財」に近い性質を、多分に持っているわけです。

・なぜレベル3で住宅を買ってしまうのか

ここで、ちょっと立ち止まって考えたいのが、なぜ多くのかたが、資産1000万円を超えたタイミングで、こぞって住宅を買うのか、ということです。

一つには、単純に「そろそろ買える」という現実的なタイミングの話もあると思います。ただ、それだけではなくて、Q太郎はここに、ブランド品や高級車と同じ心理が働いているんじゃないかと思っていまして。

以前の動画でも、ブランド品は「若い頃の鎧」だという話をしました。実は住宅にも、似たような役割があるとは思います。庭付き一戸建て、あるいは駅近の新築マンション。これらは単なる住まいというより、「自分はここまでやってきた」という、家族や親戚、ご近所に対する一種の証明書、鎧として機能している面があるんですね。

この鎧を手に入れること自体は、悪いことではありません。ただ、その鎧を手に入れるために、資産の6割、7割を注ぎ込んでしまっていることに、意外と気づいていないかたが多いんじゃないかと思います。

・なぜ20年経っても抜け出せないのか

それでここからが、今回一番言いたいところなんですけども。

多くの人がレベル3で停滞してしまう理由は、大きく2つあると思っていまして、まず一つ目は、住宅ローンという固定費が、投資に回せるお金の余力を削ってしまうことです。ようするに収入を生み出さない資産が、全資産の大部分を占めてしまっているということですね。

毎月のローン返済が重ければ重いほど、インデックス投資などに回せる金額は減っていきます。資産が複利で育っていくには、種銭を市場に置き続ける必要があるのですが、その種銭自体が住宅ローンに吸い取られてしまうわけです。その時間、お金を産んでくれない。

もう一つの理由は、住宅という資産の流動性の低さです。株や投資信託であれば、暴落しても翌日には売れます。でも住宅は、売ろうと思っても不動産屋を探して、買い手を探して、と数か月単位の時間がかかりますし、そもそも住んでいる家を売るというのは、生活そのものを揺るがす決断になります。だから、収入が減ったり、市場が荒れたりしても、住宅という資産にはなかなか手が出せず、身動きが取れなくなるわけです。

これ、海外では「資産性資産貧乏」、原語だと「アセットリッチ、キャッシュプア」なんて呼ばれかたをすることがあります。持っている資産の額面は大きいのに、日々使えるお金がない、という状態ですね。

マイホームの評価額だけを見ると、資産1000万円どころか2000万円、3000万円と、立派な数字が並んでいることもあります。

ただ、その数字はあくまで「もし売ったら」という仮の数字であって、実際に自由に使えるお金ではありません。この見せかけの資産増加に安心してしまって、金融資産のほうを育てる意識が薄れてしまう、というのも、足踏みが長引く理由の一つだとは思います。

Q太郎の知り合いにも、50代で駅近の新築マンションを購入して、それ以降10年以上、金融資産のほうはほとんど増えていない、というかたがいます。ここでいう金融資産は、株や現金などの流動資産ですね。ようするに「実際に使える資産」です。

年収は悪くないのに、家計を見ると、ローン返済と管理費、修繕積立金でほとんど余力がない。悪い暮らしをしているわけではないのに、資産という意味では、完全に足踏み状態になっているわけです。流動資産が少ないので、手元で動かせるお金も少ない。下手したらお金を借りないといけない。資産価値の高い住宅を持っているにもかかわらず、です。

これはレベル3の罠とも言える状態だとは思います。

・集中投資というもう一つの罠

見方を変えると、これは資産の大部分を、不動産というアセットに集中させていることになります。集中投資の状態ですね。

しかも不動産の物件もせいぜい一つなので、不動産内での分散も無いわけです。「卵を一つの籠に盛るな」の投資原則からすると、かなり偏ったアセットアロケーションになっています。しかもマイホームであれば、お金を生み出す資産にならない。値上がりしたところで売れるわけでもない。

『Wealth Ladder』では、資産家が没落する大きな原因として、この過度の集中投資が挙げられているんですね。マイホームであれ、株式であれ、事業であれ、一つの籠に卵を全部盛ってしまうと、その籠が傾いたときに、人生全体が一緒に傾いてしまう。

ゲームで例えると、キャラクターのステータスポイントを、力だけに全部振ってしまうような脳筋プレイに近いとは思います。攻撃力が強いので上手くいけば無双できるんですが、素早さも守備力もゼロなので、一発の強い攻撃を受けた瞬間に、パーティー全体が崩れてしまう。

資産も同じで、一点に全振りしていると、普段は絶好調に見えても、その一点が崩れたときの落差がとても大きくなるわけです。この株式・事業の集中投資については、また別の回でじっくり扱いたいと思っています。

・住宅を買うなら何を守るか

とはいえ、Q太郎はマイホーム購入そのものを否定したいわけではありません。住む場所は必要ですし、賃貸か持ち家かというのは、ライフスタイルや価値観の問題でもあります。

ただ、レベル3から上に進みたいのであれば、意識しておきたいラインがあります。それは、資産の6割から7割を、住宅という一つの流動性の低い資産に固定してしまわないことです。砕けた言い方をすれば、「自分の資産や収入に見合わない家は買わない」ということですね。

具体的には、住宅を買う前に、頭金をいくらまでにするか、ローンをどのくらいの金額に抑えるか、そして残りの資産をインデックス投資などの流動性の高い資産にどれだけ残しておけるか、という設計を先に考えておくことです。

よくあるのが、「高い家を買ったほうが、将来の値上がりが期待できる」という考えで、高いマイホームを買ってしまうケースですね。それで手元の流動資産がほとんどなくなって、借金して、最悪マイホームを売らないといけなくなるというパターンです。

それでマイホームを買う一つの目安として、住宅ローンを含めた住居費が、世帯の手取り収入の25%を超えないようにする、という考えかたがあります。もちろん地域や家族構成、金利の水準によって変わってきますし、自分のケースは必ず確認していただきたいのですが、「買えるかどうか」ではなく「買った家が資産全体を占めてしまっていないか」「買った後にも十分な流動資産があるか。投資する余力があるか」で予算を決める、という視点は持っておいて損はないとは思います。

住宅は生活の土台として大事にしつつ、資産の育つスピードを止めないための、もう一つの土台も並行して育てておく。この二本柱が揃って、初めてレベル3から上に進めるのだとは思います。

・まとめ

そんなわけでまとめると、レベル3からの足踏みや転落は、浪費が原因ではなく、多くの場合、資産の6割から7割をマイホームという一つの資産に集中させてしまうことが原因になっています。つまり集中投資になってしまっているのですね。

マイホームは住む場所としては大事な存在ですが、値上がり益が現金化されにくく、固定費として毎月お金を吸い取っていく点では、資産というより消費財に近い性質を持っています。この性質を踏まえたうえで、住宅以外の資産をどれだけ並行して育てられるかが、レベル3の踊り場から抜け出せるかどうかの分かれ道になるのだと思います。

皆さんは、マイホームを「資産」だと思って購入しましたか。それとも「消費」だと割り切って購入しましたか。よかったらコメントで教えてください。全部読ませていただいています。

数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。

ではまた、Q太郎でした。この動画を気に入っていただけましたら、高評価・チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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