円は割安なのに、なぜ160円台へ戻る?介入後も買われない理由

円は割安なのに、なぜ160円台へ戻る?介入後も買われない理由
1ドル162円台から157円台へ。為替介入とみられる急変、米国側のレートチェック報道、そして「円は著しく過小評価されている」という発言が重なっても、ドル円は160円台へ戻りました。今回は、円が「割安」と言われてもすぐ買われるとは限らない理由...

昨日、ドル円の画面を見ていて、ちょっと目を疑ったんですよね。

1ドル162円台だったものが、急に157円台まで動いたんです。5円近い円高です。

さすがにこれは介入だろうと思っていたら、報道では、政府・日銀が円を買ってドルを売る為替介入に動いたと伝えられました。しかも今回は、日本だけではありません。アメリカの通貨当局も、市場参加者に現在の為替水準を尋ねる、レートチェックを行ったと報じられています。

さらに、ベッセント米財務長官まで、円は著しく過小評価されているように見える、円は非常に割安だ、と発言しました。

日本が円を買う。アメリカが援護する。米財務長官が、円は安すぎると言う。

ここまで材料がそろえば、さすがに流れが変わるのかなと思いますよね。

ところが、今日になってドル円を見ると、もう160円台に戻っています。

戻るの、早すぎませんか。

市場は、日本とアメリカの両方に向かって、「それでも円は買いません」と答えたようにも見えます。

そんなわけで、ようこそ、Q太郎のお金の哲学へ。お金に飲み込まれないための生存戦略を独自の視点で解説します。

今回は「円は著しく過小評価されているのに、なぜ買われないのか」を深掘りしていきます。

・アメリカまで円安を問題にした

今回、Q太郎が一番気になったのは、為替介入そのものより、アメリカ側の動きなんですね。

日本政府が「円安は困る」と言うのは、まあ当然です。円安が進めば、海外から買う原油や食料品、さまざまな原材料の値段が上がります。日本で暮らしている人にとっては、円の弱さがそのまま生活費の重さにつながります。

ただ、今回はアメリカの財務長官まで、円は非常に割安だと発言しました。

その少し前に公表されたアメリカ財務省の外国為替報告書でも、2011年末から今年4月末までに、円はドルに対しておよそ51%下落し、実質的な円の価値を示す指数でもおよそ51%下落したと説明されています。その結果、円は大幅に過小評価されている、という見方が示されました。

しかも報告書は、日米の金利差が縮小しているのに、円の弱さが続いているとも指摘しています。

つまり、「日本人が円は安すぎると愚痴を言っている」というだけではありません。ドルを発行しているアメリカ側まで、今の円は安すぎると公に言い始めたわけです。

Q太郎はこれを見て、少し不思議な気持ちになりました。

円は安すぎる。日本もそう思っている。アメリカもそう思っている。それなのに、市場では160円を出して、ようやく1ドルと交換してもらえる。

値札を付けている人と、買い物をしている人の意見が、完全に食い違っているんですね。

・割安だから買われるわけではない

ここからが、今回一番言いたいことなんですけど。

円が割安であることと、円がすぐに値上がりすることは、まったく別の話です。

株式投資でも、よくありますよね。業績から見れば安い。資産から見ても安い。専門家も割安だと言っている。それでも、株価は何年も上がらない。

投資をしていると、「割安なら、そのうち上がる」と考えたくなります。でも市場には、「割安だから今日買わなければならない」という決まりはありません。

円も同じです。

アメリカの財務長官が円は割安だと言っても、その一言だけで世界中の投資家がドルを売り、円を買うわけではありません。

日本政府が円を買えば、その瞬間は円を買う注文が一気に増えます。円を売っていた投資家も、巻き込まれないように円を買い戻す。だから162円台から157円台まで、短い時間で大きく動くことがあります。

でも、介入が一段落したあとも、円を持ち続けたい人が増えたのか。円を売ってドルを持ちたい人が減ったのか。

結局、市場が見ているのは、そこなんですよね。

介入は、大きな石を投げて川の流れを一瞬変えることはできます。でも、川そのものの傾きまで変えることはできません。石の横を水が通れるようになれば、また元の方向へ流れていきます。

今回、円がすぐ160円台へ戻った動きを見ていると、市場はまだ、川の傾きが変わったとは考えていないのだと思います。

・宿屋に泊まっても毒は消えない

話は少しそれますが、Q太郎は今回の介入を見て、昔のRPGを思い出しました。

敵と戦って体力が減ったので、宿屋に泊まります。宿屋に泊まれば、体力は一気に回復します。

ただし、作品によっては、毒の状態まで治らないことがあるんですね。昔のゲーム、結構そういうのがありました。「毒は別腹」みたいな感じです。

体力は戻った。見た目の数字もきれいになった。でも、外へ出て歩き始めると、また毒で体力が減っていく。

今回の介入も、少し似ています。

162円台から157円台まで戻したので、画面だけを見ると、円が急に元気になったように見えます。でも、円が売られやすい状態そのものまで消えたわけではない。だから歩き始めたら、また160円台へ戻ってしまった。

もちろん、だから為替介入は無意味だ、と言いたいわけではありません。

短時間で円安が進むと、企業も投資家も対応できません。輸入価格も急に変わりますし、投機的な円売りが、さらに円売りを呼ぶこともあります。そういう一方的な動きに対して、「好き放題にはさせません」と示すことには意味があります。

為替介入の目的は、円を昔の水準まで戻すことではなく、相場が壊れるほどの急変を止めることだと考えたほうが、現実に近いのだと思います。ガチで円高を狙っているわけではないのですね。

宿屋に泊まることにも意味はあります。体力がゼロになれば、冒険そのものが終わってしまいますからね。

ただ、宿屋に一泊したことを、毒が消えたことと勘違いしない。

今回の為替介入を見るときも、ここは分けたほうがいいんじゃないかと思います。

・政府の値段と市場の値段

Q太郎が今回のニュースを見て、少し怖いと思ったのは、政府が市場を動かせなかったことではありません。

日本政府が円を買い、アメリカ側もレートチェックを行い、米財務長官まで円は著しく過小評価されていると発言した。それでも一日ほどで160円台へ戻った。

市場が、かなり強い意思で現在の円を売っているように見えることです。

政府には、「円は本来もっと高いはずだ」という値段があります。

市場には、「今日この条件なら、この値段でしか円を持ちたくない」という値段があります。

どちらが正しいのかは、すぐには分かりません。市場がいつも正しいわけでもありません。熱狂もありますし、投機もありますし、行きすぎることもあります。

ただ、少なくとも今日の取り引きに使われるのは、政府が考える本来の値段ではなく、市場で実際に付いている値段です。

これは円だけの話ではないんですよね。

自分では一億円の価値があると思っている家でも、買いたい人が五千万円しか出さなければ、その日に売れる値段は五千万円です。自分では高く評価している能力でも、誰もお金を払わなければ、仕事としての値段は付きません。

価値と価格は、同じではありません。

そして厄介なのは、価値があるだけでは、価格は戻らないということです。

誰かが実際に買う。持ち続ける。ほかの物より円を選ぶ。そういう行動が積み重なって、初めて価格は変わります。

ベッセント米財務長官の「円は著しく過小評価されている」という発言は、円に価値があるという話です。

一方、160円台まで戻った為替相場は、いま円を積極的に買う人がまだ足りない、という話です。

この二つは、矛盾しているように見えて、実は両立するんですね。

割安なものは、割安なまま放置されることがあります。

この一文だけは、為替でも株式投資でも、覚えておいて損はないと思います。

・Q太郎の見方

では、これから円高になるのか。それとも、さらに円安になるのか。

正直、Q太郎には分かりません。

為替は、金利、物価、景気、原油価格、国際情勢、投資家の思惑など、いろいろなものが同時に動いて決まります。明日のドル円を断言できるほど単純な世界なら、為替で損をする人はいなくなってしまいます。

ただ、今回の157円台だけを見て、「これで円安は終わった」と考えるのは早いとは思います。

反対に、すぐ160円台へ戻ったから、「介入は完全に無駄だった」と言い切るのも違うと思います。

Q太郎が見ているのは、水準より、時間なんですね。

157円になったことより、そのあと157円台がどれだけ続くのか。160円台へ戻ったあと、再び円安へ進むのか。それとも、介入を警戒して止まるのか。

大きく動いた瞬間より、その値段に人が居続けるかどうかを見る。

市場では、派手な一日より、地味な一週間のほうが、本当の流れを教えてくれることがあります。

Q太郎自身も、為替が5円動いたニュースを見て、何か行動しなければいけないような気持ちになりました。でも、翌日に3円ほど戻った画面を見て、やっぱり一日の値動きだけで判断するのは危ないなと思い直しました。

市場が大きく動くと、人間の気持ちまで一緒に動きます。

だからこそ、値段が動いた日に結論を急がない。政府の発言にも、市場の勢いにも、すぐ自分の財布を預けない。

最近は、それくらいの距離で為替を見るのがちょうどいいんじゃないかと、Q太郎は考えています。

・まとめ

そんなわけでまとめると、ベッセント米財務長官は、円が著しく過小評価されているとの見方を示しました。日本政府が円買い介入に動いたと報じられ、アメリカ側もレートチェックを行ったとされています。それでも、157円台まで上昇した円は、すぐに160円台へ戻りました。

今回、Q太郎が残したいのは、一つだけです。

割安であることと、すぐ値上がりすることは別です。

皆さんは、157円台まで円高になったとき、このまま円高トレンドに進むと思いましたか。それとも、また160円台へ戻ると思いましたか。よければコメントで教えてください。全部読ませていただいています。

数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。

ではまた、Q太郎でした。この動画を気に入っていただけましたら、高評価・チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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