投資は、最初に勝つほど危ない|成功体験から降りられなくなる人

投資は、最初に勝つほど危ない|成功体験から降りられなくなる人
【毎日17時更新中!】たまに午前中にも追加投稿します。最初に買った株が約二倍になり、その成功をきっかけに信用取引へ進んだQ太郎。しかし、バブルの追い風を自分の実力と勘違いし、勝ち分は少しずつ消えていきました。今回は、投資で勝った経験がなぜ次...

こんなコメントをいただきました。

「個別株はやっぱり難しいですね。最初に勝てたので、調子に乗って信用取引をやってみたら、トータルリターンでマイナスになりました。スペースXにやられました」

とのことです。ありがとうございます。

Q太郎にも似た経験があります。

Q太郎が20代で初めて買った株は、かなり短い期間で2倍近くになりました。

ドットコムバブルのころです。

含み益は100万円を超えました。

初めて株を買って、いきなりそんなことが起きるわけですから、まあ、よくないですよね。

100万円貯めるのが大変な20代のときに、そんなお金が短期間で苦労せず、ポンと入ってくるわけです。

当時はもちろん、よいことが起きたと思っていました。

しかし今から考えると、一番よくない経験を、最初にしてしまったのかもしれません。ギャンブルでよくある、最初に勝たせて、ギャンブルに熱中させて、あとで全部持っていくみたいなやり方とおなじような感じですね。

それでQ太郎は、そのあと信用取引を始めます。今はどうか知りませんが、そのころは信用取引をするのに電話での面接みたいなのがあったのですね。いくつかの質問に答えるだけですけど、それをこなして、信用取引をスタートさせました。

最初は、普通に勝っていました。バブル期なので、正直何を買っても勝てるわけですね。

ところが、だんだんと勝てなくなります。

いきなり勝てなくなるのではなくて、なんだか勝てないなという日々が続き、これまでの勝ち分を、じわじわ帳消しにしていくわけです。一気に負けているわけではないのが、いやらしいのですね。じわじわと負ける。そして損失がじわじわと百万単位になっていく。

そんな状況でQ太郎がそこで立ち止まれたのは、相場の先行きを正しく読めたからではありません。

確定申告のおかげです。

その当時は特定口座じゃなくて、一般口座だったので、自分で利益を確定申告しないといけないのですね。

それでエクセルで利益と損失を並べて、「これヤバいな」と思って撤退できました。

確定申告さまさまなわけです。

今回は、その経験から、投資で勝ったことが、なぜ次の危険になるのかを考えてみたいと思います。

そんなわけで、ようこそ、Q太郎のお金の哲学へ。お金に飲み込まれないための生存戦略を独自の視点で解説します。

今回は「投資の成功体験に注意」を深掘りしていきます。

・三つの話

今日は大きく三つ話します。

一つ目、最初の成功が次のリスクを大きくすること。

二つ目、勝てなくなっても成功体験から降りられないこと。

三つ目、勝った記憶より続けた結果を見ることです。

最後に、成功とどう付き合うかについて、Q太郎なりの見立てを置いて終わります。

・一つ目・勝ったあとに増えるもの

それでは一つ目、最初の成功が次のリスクを大きくすることです。

最初に大きく勝つと、増えるのはお金だけではありません。

自分なら、次もいけるのではないかという期待が増えます。これが一番まずいのですね。

以前も話したように、人は極端に勝ったり、極端に負けたりしている状態になると、普段の慎重なセオリーを無視して、一斉攻撃と言う極端な行動に出てしまいがちです。

株を買ったら上がった。自分の選び方がよかった。もう少し大きく買っていれば、もっと利益が出ていた。

こう考え始めると、今度は、勝ったことより、もっと買わなかったことのほうが気になってきます。

利益が出ているのに、取り逃がした利益を数え始めるのですね。株価が下がることは頭にないわけです。

Q太郎も、最初の株が2倍近くになったあと、信用取引へ進みました。

手元のお金だけで株を買うところから、その範囲を超える取引へ進んだわけです。

これが5%ぐらい上がったとか、3%下がったとか、微妙な話になっていたら、普段どおりにやっているはずです。

しかし、極端に勝つと、一気に勝負をつけたくなるために、極端な行動に出てしまいがちです。勝っている最中には、もっと利益を出せるという方向へ目が向きやすい。下がることは頭にない。

これはインデックス投資だけでは物足りなくなって、値動きの激しい個別株へ進んだり、レバレッジのかかった商品へ進んだりすることにも、似たところがあると思います。

前の成功が、次の取引の安全性を保証してくれるわけではありません。

それでも、成功した自分が選んだのだから大丈夫だという気持ちや、早く勝負を決めてしまいたいというあせりが、どこかに生まれます。早くお金持ちになりたい、さっさと大金を貯めてFIREしたいというようなことですね。

Q太郎の場合、最初は信用取引でも勝っていました。

今考えればこれは実力ではなく、バブルの追い風が強かったので、何を買ってもだいたい上がるのですね。近年だと、日経平均が5万円台、6万円台に向かって上がっていた時期は、何を買っても上がるみたいな時期だったと思います。

当時のQ太郎は、その追い風と、自分の判断を、うまく分けて考えられていませんでした。

以前にも、相場全体の上昇を、自分の実力と勘違いする話をしました。

今回は、その勘違いが、次に何を買うか、どれだけのリスクを取るかまで変えてしまうところが問題です。普段取りにいかないようなリスクを取りに行ってしまうのですね。

最初の成功は、お金を増やしただけではありません。

次に賭ける金額と、自分への期待まで増やしてしまったのです。それで、一気に勝負をつけようとして、いつもの慎重なスタイルを崩してしまった。これがまずいわけです。

格闘ゲームでも、相手の体力があとわずかのときに、これまでの慎重なスタイルを捨てて、一気に勝負をつけようと思ってしまうのとおなじですね。その「レッツゴー、ジャスティン!」で繰り出す大技からの、読まれて全部ブロックされて大逆転されるわけです。

普通に平常心で、時間いっぱい、じわじわと地味に戦う。なんだったら、大きくリードしているので攻めなくてもいい、という選択肢が抜け落ちてしまうわけです。

ウォーレン・バフェット氏は、このあたりが上手いですね。勝っているときに現金に換えて撤退しますしね。そして、攻めていい時期まで、じっくりと待っています。常に平常心で淡々と待てるというのが才能とは思います。

・二つ目・成功した自分から降りられない

それでは二つ目、勝てなくなっても成功体験から降りられないことです。

ドットコムバブルにかげりが見え始めると、Q太郎も、少しずつ勝てなくなっていきました。

一回の大きな失敗で、目が覚めたわけではありません。

なんだか勝てない。

損失が出て、これまでに得た利益が少しずつ消えていく。

その状態が続きました。バブルの損の仕方って、一気に損するわけじゃなくて、じわじわと減っていくのですね。

あとから見ると、勝っていたころと条件が変わって、下落トレンドに入っているのですが、取引している本人には、勝った記憶が残っています。

一度はできたのだから、またできるはずだ。

この記憶は、なかなか厄介です。

今やっていることがうまくいっているかより、以前うまくいった自分を、もう一度取り戻したくなるからです。

ここで思い出すのが、禅の「好事も無きに如かず」という言葉です。

良い事が起こるより、良い事が起こらないほうがよいという言葉ですね。良い事は悪い事同様に、心の揺れを起こしますので、普段と違った判断をしてしまうことをいさめる言葉です。

例えば1億円の宝くじが当たったら、調子に乗ってあれこれ買って、最終的には借金地獄になったり、家族離散したりとかですね。それだったら、宝くじは当たらなかったほうがいいわけです。

Q太郎は、これを投資の成功にも重ねて考えています。

成功したこと自体は、うれしいことでしょう。

ただ、その成功に心をつかまれ、そこから離れられなくなったら、成功が自分を不自由にします。

あの利益をもう一度。あの気分をもう一度。

そう思いながら、今はうまくいっていない取引を続けてしまうのであれば、最初にあんなに勝たなかったほうが、まだよかったのではないか。

今のQ太郎が、最初の大勝ちを一番よくない経験だったかもしれないと思うのは、そういう意味です。

成功があったために、現状を見る物差しまで、成功したころのままになってしまいました。

・三つ目・確定申告で現実が見えた

それでは三つ目、勝った記憶より続けた結果を見ることです。

Q太郎が信用取引をやめるきっかけになったのは、確定申告でした。

当時のQ太郎は、一般口座で取引していました。

申告のために、一つひとつの利益と損失をエクセルへ入力して、プリントアウトして提出していたのですね。

そこで、結構な金額を負けていることに気づきました。

取引の一回ずつは覚えていますし、負けていること自体も分かっていたはずです。

しかし、それが一年分の数字として並ぶと、見え方が違いました。

一回の取引を見ていると、次はどうするかという話になります。

次の株、次の値動き、次の勝ち方。

さっきは勝った、次は負けた。

ところが、利益と損失をまとめると、今まで何をしてきたのかという話になります。トータルリターンでマイナスになっているのが見えるのですね。

そこで初めて、信用取引を続けている自分を、少し離れたところから見られたのだと思います。

負けが多く、役場に提出するときは、結構恥ずかしかったですね。取引量の多さと、トータルリターンのマイナスを見られますしね。これは結構恥ずかしい。

しかし今考えれば、それがよかったのですね。

確定申告がなかったら、そもそものトータルリターンがわからなかったので、損失を積み上げていたでしょう。今の楽天証券とかは、全体のトータルリターンが表示されますが、そのころはそういうのはなかったですし、そもそも一般口座ですしね。

エクセルに並んだ結果は、現実を、こちらの気分に関係なく見せてくるわけです。

そこでQ太郎は、信用取引をやめることにしました。

これは自分にあってない。加熱しすぎている、と気づけたのですね。

確定申告は面倒くさいですけど、そのときは感謝したわけです。

そんな感じで、成功体験というのは、そのあとの失敗を冷静にとらえることを難しくさせるところがあります。

いつもなら慎重なのに、成功体験で一気に気持ちがハイになって、リスキーな行動をとってしまう。ギャンブルも、最初に勝っている人ほど、のめり込んでしまうのはこれがあるからですね。負けても成功体験があるから、「次こそは」となってしまうわけです。

・まとめ・Q太郎の見立て

最後に、成功とどう付き合うかについて、Q太郎なりの見立てを置いて終わります。

投資で成功したら、誰でもうれしいでしょう。

Q太郎も、最初の株で含み益が100万円を超えたときには、その経験が後々の危険になるとは思っていませんでした。むしろ、こんなに簡単にお金がもらえるんだと思っていました。

しかし、成功した記憶には、次のリスクを小さく見せたり、やめる判断を遅らせたりする面があります。

過去に勝ったことは事実です。

ただ、その事実は、今のやり方を続ければよいという答えにはなりません。

成功体験は、思い出として持っていてもいいのでしょう。

しかし、次の判断を任せる相手としては、少し信用しすぎないほうがいいと思います。

あのときの自分ならできる、という物語より、今の自分が続けた結果を見てみる。

Q太郎を止めてくれたのは、確定申告であり、負けを並べたエクセルです。第三者の客観的な数字ですね。

よいことがあったときほど、それに心を持っていかれていないかを考える。

勝った経験を大切にするより、必要なときに、その経験から降りられること。

Q太郎は、そちらのほうが長期で付き合える態度なのではないかと思っています。長期投資は本当に淡々とやらないといけないですしね。インデックス投資で成功しているから、次はレバレッジだ、信用取引だと、一気に勝負を決めようと、リスクを上げていかないように注意することは必要とは思います。

「レッツゴー、ジャスティン」の掛け声を、いかに無視できるかですね。ジャスティン選手は、あの掛け声を聞いて、あせってしまったんじゃないかという気もしますね。残り時間が20秒ぐらいだったから、普通にやっていれば勝てたと思うんですけどね。

皆さんにも、以前うまくいった経験があるために、やめづらくなったことはありますか。

投資以外のことでも、よろしければコメント欄で教えてください。全部読ませていただいています。

数字を味方に。そして、誰の欲望でもない自分の人生を、自分の手で耕していきましょう。

ではまた、Q太郎でした。この動画を気に入っていただけましたら、高評価・チャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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