米国10年債利回りが4%突破!債券ETFの現状と今後【AGG/BND/TLT/BLV/PFF/PFFD】

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AGG 2022 09

連日下落する米国株式ですが、その一方で10年債利回りがとうとう4%を突破してしまいました。

今回は米国ETFのAGG/BND/TLT/BLV、ついでに債券と似た動きの優先株ETFのPFF/PFFDの現状と今後を見ていきましょう。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

米国債券ETFの現状

さて、米国債券ETFについてです。

10YB

現在、2年債は約4.28%、10年債は一時4%を突破しましたが、現在少し戻して3.97%です。逆イールドは今年7月からずっと開きっ放しですね。逆イールドについてはこちらを参照してください。

利回りが高くなるということは、株式に比べればボラティリティの少ない債券投資に妙味が出てくるともいえます。

しかしこれまでの低金利によって、債券市場はバブル状態になっていました。

それが利上げによって暴落している状況といえます。

いわゆる株式:債券を一定の割合で持つアセットアロケーションも、利上げ局面だとどちらも落ちてしまうので、あまり意味のある組み合わせにはなっていません。資産クラスを分散するばあい、違う動きの資産を入れる必要があります。

現状、株式、債券、ゴールド、仮想通貨が利上げによってすべて下降トレンドになってしまっているため、けっきょくのところ現金ぐらいしか組み合わせて意味のあるものがなくなってしまっています。

さて、そんな状況で債券ETFはどうなっているかといえば、代表的な債券ETFのAGG/BNDですが、だいたいおなじ動きですし、楽天証券やSBI証券ではAGGが購入手数料無料なのでAGGを見てみます。

AGG

AGGは年初来で-15.68%と、株式並みにけっこう下げてきました。分配金利回りは2.14%と2%越えになっています。

陰線が続いていますので、まだまだ落ちるナイフ状態ですね。少なくも利上げがどこで頭打ちになるかが見えないうちは、手が出しづらい状況とは思います。

TLT

次に20年超の長期債ETFのTLTですが、年初来で-30.04%です。「NASDAQかよ」と突っ込みたくなるレベルでの落ち方をしていますが、もともとボラティリティの高いETFなのでこんなものでしょう。

分配金利回りは2.27%と、AGGよりちょっと高いといったところですね。

ただこのETFはキャピタルで稼ぐタイプのものなので、反転したところをうまく拾えば大きな利益になる可能性もありますね。

BLV

10年超の長期債券ETFのBLVですが、こちらも年初来で-29.82%と大きく落ちています。ただこちらは分配金利回りが3.92%と4%近くになっていますね。反転でうまくとらえれば、分配金もキャピタルも取れておいしいとは思います。ただTLTと同様、ボラティリティは大きいので、株式とあまり変わらない運用になりますね。

PFFD

優先株ETFのPFF/PFFDですが、だいたいおなじうごきなのでPFFDで説明します。年初来では-20.54%と、S&P500と似たような感じになっていますね。分配金利回りが6.36%とけっこう高額になってきています。以前は4~5%ぐらいでしたね。値動きは債券とおなじく金利の影響が大きいので、これも反転を見てからのほうがいいでしょう。PFF/PFFDについてはこちらを参照してください。

 

まとめとQ太郎の見解

現在、債券を買いづらい理由としては、利上げがどの時点で頭打ちになるかが見えない状況というのがあります。

米国の高インフレで、パウエル議長が「ハードランディング覚悟でインフレをおさえる」との意思を表明していいるため、どこまで利上げするのかが読みづらい状況です。下手したら5%いくのではないかとの予測もあります。前回のFOMCについてはこちらを参照してください。

そんなわけで、利上げの頭打ちが見えてきてから投資したほうが安全とは思います。インフレがおさまる兆しが見えて、FRBが利上げ幅を縮めるかどうかですね。

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズのジャック・ジャナシウィック氏は、「米金融当局が到達すべき利上げの最終到達点が今の水準なのか、もっと高いのか、近いのか、市場には全く自信がなく、それが相場を動かす要因になっている。その不透明感が金利のボラティリティーを生み出し、市場はそれを消化するのに苦労している」と述べています。

またFOMC参加者の約3分の1は「24年末まで4%を超える水準にとどまる」と高金利が再来年まで続くことを予想。また3分の1は24年中に2.5~3.5%まで引き下げられると見込んでいます。どちらにしろ来年にかけて高金利が続くことは間違いなさそうです。

次回11月のFOMCでまた0.75%という話もあるので、まだまだ落ちる可能性はあります。債券投資は気長に待ったほうがいいかもしれませんね。