1ドル=158円!止まらない円安どうなる?ー金融所得課税増税についても【米国株/ETF/増税】

人生・FIRE関連投資お役立ち情報

dollen

新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

とうとう1ドル158円の世界に突入してしまいました。今回はこのことについてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

 

1ドル158円

さて、ついに1ドル158円に突入しました。

つい4日ほど前に「FIRE/退職後、海外移住は円安でわりに合わない?」という動画を出しましたが、さらに円安が進んでしまって正直きびしい状況です。もはや意味がわかりません。

つい先日の日銀の金融政策決定会合で156円まで行って、それで「すごい円安だな」と思っていた矢先のことですね。

昨日は為替見てなくて、朝起きてなにげなくスマホの為替アプリ見て、158円という表示を見て「えっ?」ってなりました。二度見、三度見した上に、アプリ壊れたんじゃないかと思いましたね。本当に円安すごすぎます。

Q太郎はいま台湾にいますが、Q太郎が海外に行くと円安が起こるという法則があります。毎回毎回ですね。今回も先月末に出かけるまえが147円で、出かける直前になって一気に152円まで上がりました。それで今は158円です。台湾に出かけたこの1か月で一気に11円も上がっているわけです。

ちなみに昨夜台湾でまた大きな地震があったのですが、正直寝ていてまったく気づきませんでした。それよりも、今朝起きてアプリで見た158円のほうが衝撃的でしたね。

しかし本当に円安が止まらない。「1ドル160円なんて正気の沙汰ではない。そんなことは起こらない」なんてついこの前まで言われていましたが、現状だと160円になっても不思議ではなくなりましたね。

日銀の動き

それで日銀ですが、先日の金融政策決定会合で植田総裁が「円安が物価上昇に大きな影響を与えているわけでない」みたいなことを言ってしまい、「これまだまだ介入する気ないな」と思われて一気に156円まで上がったわけですが、ここからまただらだら156円あたりの横ばいが続きそうだなと思った矢先に、一気に158円まで踏み上げが起こりましたね。

植田総裁の「円安が物価上昇に大きな影響を与えているわけではない」とのことですが、めっちゃ大きな影響を与えていると思います。ふつうにスーパーで売っているものの値段も上がっていますしね。

つい何年か前までは卵1パック100円ちょっとで買えたのに、いまは200~300円するわけです。

ちなみに台湾だと卵1パック300円は安い部類で、一般的には350~500円ぐらいですね。ニュージーランドだと1パック1000円とかになっています。日本はまだまだ安いとはいっても、つい何年か前と比べれば2倍ぐらいになっています。

海外と違って賃金上昇がインフレに追いついていない以上、円安は確実に、悪い意味で物価に大きな影響を与えていますね。円安で個人的な投資の方は含み益出まくりですが、それ以上に日本大丈夫かという気がしてきます。

NISA税

それでコメント欄で教えていただいたのですが、「岸田ショック」によって一時はあきらめていた金融所得課税増税ですが、健康保険料に金融所得課税を上乗せしていく案が出ているとのことです。日本のニュース見ていなかったので知りませんでしたが、「その発想はなかった」といったところです。

今年の確定申告から住民税申告不要制度が使えなくなったので、配当金の確定申告をした場合は、住民税に加えて健康保険料もその分払わなくてはならなくなります。

そのため、配当控除の使えない米国株や米国ETFは、下手に確定申告をするとよけいに多くの税金を払わなくてはならなくなる場合があります。日本株+配当控除でぎりぎりちょっと戻ってくるといったバランスになってしまったのですね。

米国株や米国ETFは、特定口座源泉徴収ありならば、確定申告をしないことで住民税と健康保険料を回避できるのですが、所得して計算されて健康保険料への上乗せをされると、それもできなくなるわけです。

健康保険料はざっくり計算で所得の10%ぐらいです。直接「金融所得課税を20%から30%にします」だとわかりやすすぎて反発を招き前回のような「岸田ショック」が生み出されてしまいますが、保険料からこっそり10%とってしまえば気付かれないわけです。

子育て増税もそうですが、この健康保険料をつかってわからないように取るという方法はけっこう卑怯ですね。「保険料だから増税じゃない」という言い訳が使えますが、そもそも強制的にはらうものは「税金」です。保険料も保険料という名の税金ですね。

しかもこの方法を使うと、NISAやiDeCoから税金を取れてしまうのですね。売却時の利益は無税ですが、所得としてあつかえば保険料を徴収できてしまいます。10%取っていけるのですね。

とりあえずこれまで20.315%の税金を10%アップの30.315%に、NISAやiDeCoなどの無税枠からは10%の税金を取れるようになるという、ある意味画期的な金融所得課税強化システムができあがります。

保険料だと収入1000万円ちょいで上限金額がありますので、それ以上のお金持ちは上限金額以上保険料が上がりません。そのため割合で考えると、資産形成期の庶民だけが重税にあえぐという形になるとは思います。庶民の私有財産は認めないという共産主義国家まっしぐらな感じになっていますね。

それでも税金をちゃんと使って、国民生活をよくしてくれればいいのですが、だいたいが「クールジャパン」のような謎の無駄遣いで消えてしまうのでどうにもならないみたいな状況です。

他の通貨

それで話を戻しまして円安ですが、べつにドルに対してだけ円安が進んでいるわけではなく、ほぼすべての通貨に対して円安が進行しています。

たとえば台湾元にしても、昔までは×3で日本円換算していたのが、いまはX5になっています。2000元6000円が、いまでは2000元1万円ですね。

中国元のほうも、以前まで1元16円だったのが、いまでは1元22円となってしまっています。

ユーロ円も169円以上まで一気に行ってしまいましたね。ニュージーランドドルも1ドル94円とかなり上がってしまいましたし、とにかくほとんどの通貨に対して円安が起こっています。

タイのバーツやベトナムのドンに対しても円安していますので、名実ともにアジア最弱の通貨になってしまっています。

そのため、「米国との金利差で~」みたいな論調で円安を話している場合が多いのですが、もはやそういうレベルの円安というより、金融緩和しすぎて円がじゃぶじゃぶになっているせいで、世界中の通貨に対して発行量で相対的に価値が落ちてしまっていますね。

これに勝てるのは、おなじようにじゃぶじゃぶやっているトルコリラぐらいですね。向こうは宗教的理由で金利を上げられないようですが、そんなレベルと競い合われてもといった感じです。

金利を上げられるのか

さて、ここから日銀がどういうアクションに出るかということですが、いまのところ口先介入しかしていません。

もういいかげん口先介入だけでだましつづけるのも限界だろうという気もしていますが、実際に為替介入したところで、「よっしゃ!押し目買いのチャンスや!」「いまのうちに米国ETF買っとこ」みたいな感じにもなりそうです。

根本的に解決するには、やはり金融緩和をやめて金利を上げるしかなくなるとは思いますが、そうするとこれまで大量乱発してきた国債の利息が上がってしまい、結果的に我々の税金が上がるという、増税がさらにノンストップ状態になる未来が待っています。そりゃ健康保険料から金融所得税取りたくなるよねという話です。

金利が上がれば不動産も売れなくなり、つぶれる会社も多くなり、負のスパイラルがはじまってしまいます。とにかくインフレと増税で庶民の可処分所得がどんどん少なくなっていくので、景気よくなりようがない状況です。

金融緩和は景気喚起策にはなりましたが、どこかの段階でそのツケを払わなければなりません。いろいろなものを前借りしてしまったので、どこかでやはりそれを清算する必要があるのですね。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・円安はドル以外の通貨に対しても進行しており、世界的に安い通貨となっている。

・日銀の口先介入だけでだませる時期も終わった感がある。

・仮に為替介入したとしても、根本的な金利の引き上げができていないので、押し目買いを招くだけの可能性もある。

・金利引き上げには痛みをともなう。少なくとも国債の利息は上がるので、そのぶんの増税はまぬがれない。

・保険料上乗せの金融所得課税増税によって、現状の20.315%からさらに+10%ほどの税金が取れる(岸田ショック時の金融所得課税30%構想の実現にもなりますね)。保険料なのでNISAやiDeCoからも10%ほど取ることができる。

・金融緩和の副作用をいつ清算するかが日本に問われている。

となります。

そんなわけで金融緩和の構造が変わらないと、為替介入したところで、時間とともにまた円安に戻ってしまいます。構造的な問題なのですね。

しかし一方で、金利を上げればさらなる増税や不景気を招いてしまうため、けっこう詰んでいるような状況ともいえます。人口もどんどん減っていきますしね。

そんなわけで、我々は投資もしつつ、国に頼らないでなんとかやっていかないといけない感じですね。

ちなみに知人の台湾人で日本株を買っている方がいますが、「円安と株安のダブルパンチを食らってすごい下がってる」と言っていました。海外投資家で日本株を買っている方々も、いまは「円安・株安」のダブルパンチを食らっている状態ですね。

逆に日本から米国株を買っている方は、株安でも円安バリアによって下落が抑えられているというか、むしろ株安なのに円安で増えているような状況だとは思います。

そんなわけで今後のドル円ですが、日銀の口先介入はもはや限界というかもうだまされる人はいなさそうですし、実際に為替介入したところで金融緩和の構造が変わらないと効果は一時的とは思います。

日銀にとってはめちゃくちゃ難しい時期とは思いますが、日本国民の生活のためにも、うまくかじ取りしていただければと思います。