ゴールドETF「GLDM」はインフレに強い?金投資のメリット・デメリットやGLDとの比較も
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
まずいきなりですが、最初に重要な注意点です。GLDMを買うとあとで面倒なことになるかと思いますので、最初に話しておきます。
特定口座で株を管理している人にとってはかなり重要なことです。
GLDMホルダーなら連絡が来ているかと思いますが、2月23日に、特定口座から一般口座への払い出しがおこなわれます。
ようするに、特定口座でGLDMを持っている人は、2月23日になったら、強制的に一般口座に移されてしまうのですね。
なぜかというと、2株を1株にするという株式合併がおこなわれるからです。ようするにいまあるGLDMの株数は半分になります。ただし価格は2倍になりますので、トータルの金額自体は変わりません。
2株が1株になるので、端数の分は現金で払い戻しされるかと思います。1株しか持っていない方は、株が無くなることになるでしょう。それで2株が1株になったあとの新株は、一般口座へと払い出しになるということです。
じゃあどうしたらいいのかという話ですが、一般口座での管理が面倒だという方は、2月23日までに売却するのがいいでしょう。新株売却可能日がその翌日の2月24日なので、それ以降に特定口座で買い戻せば、特定口座で管理することができます。
もしくは売却して、すぐに別のゴールドETFである「GLD」を買い付けるという方法です。
ただすでに利益が出ているばあい、20%の税金を取られてからの買い直しになるので、投資効率は悪くなりますね。売るとき買うときに売買手数料もかかりますので、往復で1%の資金が削られることになります。
この機会に、「しばらくゴールド投資やめるか」という方は、2月23日までに売却すればいいかと思います。
仮に一般口座に移動したばあいですが、いまのうちにGLDMの平均取得価格を記録しておいてください。株式の損益は外国株であろうと日本円換算なので、平均取得価格に対する平均取得レートも必要になります。1ドル115円とかですね。これらをすべて記録しておく必要があります。
一般口座で売却した場合は、平均取得価格との引き算になります。あくまで日本円で計算しなくてはなりません。そして確定申告の分離課税の欄に書かなければなりません。書かなったから脱税になりますので気をつけてください。
それと米国株やETFから得られる分配金も、個人事業主の方は、基本的には為替損益の確定申告が必要なので気をつけてください。為替損益の計算の仕方はこちらの記事を参照してください。これもやらないと脱税になります。
グレーゾーンとかありませんので、個人事業主の方は気をつけてください。何年後かに、急に税務署の人が来たりします。
ぶっちゃけ為替損益は相当な大金にならないかぎりは小銭レベルですが、その小銭を申告しないことで面倒ごとを起こさないほうがいいでしょう。
とくにFIREして事業所得が無くなった方は、分配金の為替損益には注意してください。申告しなければいけない条件を満たしていたばあい、しっかり確定申告したほうがいいでしょう。とにかくあとあと面倒がないようにしたほうがいいかと思います。
それでは今回は、ゴールド投資をETF化した「GLDM」についてです。前回は米国ETF全般について述べましたが、ゴールドの話はしていなかったので、今回まとめておこないます。よろしければ前回の記事もご覧ください。
また先ほども述べたGLDとの違いについても述べていきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
金投資とは?
金(ゴールド)の価値は不変
相場が荒れてきたり、インフレになったり、戦争になったりすると、株よりも金(ゴールド)への投資が注目されていきます。
これはなぜかと言えば、金というのは価値が変わらないという前提があるからです。
たとえば、適当な例ですが、100円で100gのグラムの金が買えるとします。
しかし1年後に10倍のインフレになったとします。
そうなると、以前の100円は、いまの1000円とおなじ価値になりますので、現金でそのまま100円を持っていた人は、価値が10分の1になることになります。
しかし金の価値は変わりませんので、100gの金を1年前に買っていたら、現在は1000円=100gになっています。
これは10倍になって大儲けという話ではまったくなくて、金の価値自体は変わらないということです。
つまり通貨の価値は変わりますが、金の価値は不変ということですね。
つまりゴールドを持っているということは、インフレを怖がらなくていいということです。
もうかっているというわけではなくて、価値が変わらないということです。
そのため金はあくまでインフレに対するヘッジですね。つまり金投資というのは、基本的にはディフェンシブな投資になります。もうけようという投資ではないのですね。
とくに戦争なんかが発生して、その国の通貨が紙くずになってしまったとしても、金を持っていれば他国に逃亡して、それを売って他国の通貨に変えることができます。
この普遍性が金のよいところなのですね。
そのため昔の人は、金やら宝石やらを指輪や首輪、腕輪、イヤリングなどにして、戦争があったらそれを身につけて逃げるということをしていました。腕輪とか指輪は装飾品ということ以外にも、いざというときに身に付けて逃げられるという利便性があります。
そんなわけで、金というのは地域や時代に影響されず、価値が変わらないという特徴があります。
金によるマネーロンダリングについて
この特徴を活かしてマネーロンダリングもできます。
ヤバイお金でいったん金の延べ棒を購入して、別の地域でその金を売ればきれいなお金が手に入ります。資金洗浄完了というわけです。
近年はマネーロンダリングの舞台は、金から暗号通貨へとシフトしてきています。
有名どころでは「Bitcoin Fog」というビットコインを使った資金洗浄サイトがありましたが、昨年4月に管理人のロシア系スウェーデン人が起訴されました。10年間も野放しだったみたいですね。ちなみに管理人が逮捕されたにもかかわらず、サイトはまだ稼働中らしいです。
またつい最近では、4200億円相当のビットコインの資金洗浄を共謀した疑いで、ニューヨーク市の夫婦が逮捕されています。
そんなわけで、金の役割が、近年は暗号資産へとシフトしてきている部分があります。
しかしそれでもやはり金は根強い人気があります。現物が存在するというのがやはり大きいですね。
ただ、実物の金を買うと、戦争があったときに持って逃げられるという利点がありますが、売りたいときに手軽に売れないという問題点もあります。
そこで金を手軽に売買できる方法として、金のETFがあります。有名なところでは「GLD」「IAU」ですね。
GLDMとGLD、どちらを買ったらいい?
GLDはけっこう高くて、現在は1枚170ドル以上します。
そこで買いやすいGLDとして、ミニサイズのGLDMが登場しました。今は18ドルちょっとぐらいですね。およそ10分の1の価格で買えますから、金投資の初心者にはちょうどいいETFかと思います。しかも楽天証券だと取引手数料が無料なのですね。
ただ、先ほどもいったように、2月23日に2株が1株になります。値段は倍になりますが、それでもGLDに比べたらまだ安いですね。
ポイント1 総資産
GLDとGLDMのどちらを買ったらいいかという話ですが、ポイントその1は総資産です。
総資産で見ると、GLDMが5000億円ほどに対して、GLDは6兆7000億円ほどになります。10倍以上違いますね。
安全性を考えればGLDですが、ただ総資産5000億円もあれば、流動性の面でも大丈夫とは思います。
以前、総資産50億円程度のQYLG,XYLGを10万円分売ったときに苦戦したので、米国ETFの総資産は100億円以上が最低ラインかなとは思ってきました。できれば1000億円以上ですね。
XYLDが1000億円ラインなのですが、これも出来高少なめかなという感じです。1000億円ラインでもチャートがけっこうスカスカなのですね。そのため1000億円以上が安心ラインかなとQ太郎はは思います。
とにかく売りたいときにさっと売れるものがいいですね。QYLG、XYLGの売却についてはこちらの動画を参照してください。
そんなわけで総資産的には5000億円あるGLDMでも十分かと思います。
ポイント2 経費率
ポイントその2は経費率です。
GLDが0.40%に対して、GLDMは0.18%です。半分以下の経費率ですね。
経費率だけで見ればGLDMのほうがいいでしょう。安ければ安いほどいいですね。
ポイント3 買いやすさ
ポイントその3は買いやすさです。
GLDは170ドルぐらいからになりますが、GLDMは18ドルぐらいからです。株式合併後は36ドルぐらいになるでしょう。
価格が小さいほうが調整しやすいですし、買いやすさがあります。
あと楽天証券のばあいは、GLDMは売買手数料が無料なので、これも大きいですね。
そんなわけで、Q太郎としては、総合的にはGLDMのほうがいいかなとは思います。
ただ流動性や総資産の大きさによる安心感を得たければ、GLDでもいいとは思います。
正直なところ、大きな違いはありませんしね。ちなみにQ太郎はGLDも10万円分持っています。
金投資のメリット・デメリット
つぎに金投資のメリット・デメリットについて述べていきましょう。
メリット
金投資のメリットですが、先ほども言ったように「価値が変わらないこと」ですね。もうける投資というか、守りの投資です。
現在のチャートを見てみると、こんな感じです。連日上がり続けていますね。
「株が暴落した時に金が上がる」といわれていますが、正確には株の価値が落ちただけで、金の価値は変わってはいません。
そのため、株や現金など、他のものの価値が落ちていっても、金は金としての価値を保ち続けます。
そのため、アセットアロケーションの一部に価値の変わらないものを組み込んでおくことで、いざというときの、資産全体のボラティリティを下げることができます。
つまり金と言うのは買ったらそのまま置きっ放しにしておくもので、売ったり買ったりするものではないとQ太郎は思います。
あくまでアセット全体が下げを食らうのを防ぐためのものですね。
現金の価値が落ちても、金の価値は変わりません。そのため、現金の価値が下がってしまうインフレに強いのです。強いというか価値が変わらないということですね。
もうけるためのものではなく、あくまで防御のための投資です。
これがそのままデメリットにもつながります。
デメリット
価値が変わらないので、もうけるのは難しいのですね。
昔に比べて価格が上がっているといっても、ぶっちゃけそれは現金の価値が落ちてるだけだからという話になります。
もうけるための投資ではないとQ太郎は思っています。資産自体をふくらませる効果は弱いと思いますね。
そのため、若い人は株式だけで十分と思います。
ただ年齢が上がってくると、
「よーし、株が暴落したから10年間耐えよう」
とか言うわけにはいかなくなってくるので、資産の一部に価値の変わらないものを組み込んでおいてもいいのではないかとQ太郎は思います。
債券はぶっちゃけ現金に毛が生えたようなものなので、現金の価値が落ちれば債券の価値も落ちます。
そのため、債券以外に価値の変わらないゴールドを少し組み込んでおくことも、年齢が上がったら考慮する必要があるかなとは思います。
とくに資産が大きくなったら、一部の資産をゴールドにして価値を守っておくということは重要かなとは思いますね。
たとえば100億円あったら、10億円ぐらいゴールドにしておけば、なにかあってもゴールドを買った当時の10億円の価値は守られます。ハイパーインフレがあっても安心ですね。
さらに金の延べ棒にでもしておけば、戦争があったり、国が滅びたりというのにも対処できますしね。実際そこまでしなくてもいいとは思いますが。
まとめとQ太郎の見解
そんなわけでまとめると、GLDとGLDMはコストパフォーマンスではGLDMが優れている。GLDMを手数料無料の楽天証券で買うのが良いかと思います。
ただ2月23日に株式統合がありますので、特定口座で購入しても、強制的に一般口座に払い出しされます。
そして一般口座の株は特定口座に移動することはできません。
特定口座で運用したい方は24日以降に購入したほうがいいでしょう。
一般口座での運用でもかまわないという人は、売却時の確定申告のために、いまのうちに平均取得価格と平均取得レートを記録しておいてください。
そして金投資のメリット・デメリットですが、「価値が変わらないこと」ですね。
これはメリットにもデメリットにもなります。
インフレ対策など資産を守るためなら少し買っておくのもいいでしょう。
資産が少ない状態で、資産拡大が目的なら、ゴールド投資は不要かと思います。まだ若いのであれば、ぜんぶ株式でもいいとは思いますね。
資産の一部に、価値の変わらないものを入れておくという意味での、守りの投資として、ゴールドは悪くないかと思います。年齢が高くなったり、資産が多くなったりしたときには考慮したほうがいいかもしれませんね。ハイパーインフレにも対応できると思います。
すごくお金があるなら金の延べ棒でも買ったらいいとは思います。戦争があったり国が滅びそうなときは、自国の通貨は紙くずになるので、金の延べ棒を持って他国へでも逃亡してください。