JEPI投資信託「JPM米国株式・プレミアム・インカムETF」とは?メリット・デメリット
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
今回はリクエストのあたったJEPIの投資信託「JPM米国株式・プレミアム・インカムETF」について、そのメリット・デメリットについてです。さくっと説明していきます。
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「JPM米国株式・プレミアム・インカムETF」とは?
さて、販売開始されたJEPIの投資信託「JPM米国株式・プレミアム・インカムETF」についてです。
現在はSBI証券から購入可能になっています。
JEPIを投資信託で買えるようにしたものですね。日本円で100円から買えるのが魅力です。値段調整もしやすいですね。JEPI自体についてはこちらを参照してください。
購入手数料・信託報酬について
現在のところ購入手数料は無料ですが、今後最大3.3%(税込)を上限に変更があるばあいもあります。日本の典型的なぼったくり投資信託みたいですね。最近は競争も激化しているので、しばらくは大丈夫とは思います。
信託報酬ですが、
2024年6月10日まで 0.1848%
以降 0.3498%
となっています。
これにJEPIの経費率0.35%も加わりますので、実質
2024年6月10日まで 0.5348%
以降 0.6998%
となります。
これ以外にも、監査費用として0.0132%がかかってきます。
合わせれば、だいたい0.7%ぐらいはとられることになりますね。JEPIの2倍の経費率になります。
これをどう見るか、「日本円で買えるからべつにいいや」と思うのか、「普通にJEPI買ったほうがいいや」と思うのかは、個々人の価値観や判断になるでしょう。
Q太郎的には、普通に高いなとは思いますね。
信託期間
信託期間ですが、2045年6月9日までです。あと22年ぐらいでしょうあk。
この信託期間というのも、日本の毎月分配型ぼったくりファンドでよく使われている手法で、その期間でマイナス運用になっていればそのまま償還して終わりになります。
毎月分配型は元本減らしながら配るたこ足配当がほとんどなので、信託期間を設けて、適当に運用して信託報酬だけとって、時期が来たらそのまま償還と、責任をとらなくていいという、ぼったくりファンド側にとってはとてもよい制度です。
運用がうまくいったばあいは延長もありますが、ぼったくりファンドは最初から延長する気なんてないですね。
それで本投資信託ですが、構造的にはJEPIをそのまま横流ししているだけなので、そんなに大きな問題はない気もします。
ただJEPIを横流ししているだけで最終的にはJEPIと同等の0.35%相当を、信託報酬として自分のふところに入れるというのはどうなんだという気もします。まあ、たっぷり中抜きは日本の伝統文化ですけどね。
分配金
分配金についてはどのていど払われるかわかりませんが、毎年6月と12月の2回支払いになります。
毎月分配がいいばあいは、もとのJEPIを買った方がいいですね。
パフォーマンス
はじまったばかりなのでパフォーマンスもくそもないですが、鳴り物入りのIPO株のように順調に下落トレンドに入っています。開幕からすでに3%ちょい下がっていますね。ただこれは円高方向への為替変動のせいですね。
メリット・デメリット
つぎにメリット・デメリットについてです。
メリット
メリットその1は、日本円で買えることですね。ドル円交換をしなくてよいので、米国株に慣れていない人によいかと思います。投資しやすい環境をつくってくれるのはよいことです。
メリットその2は、いちおう分配金が出ることです。受け取るか再投資するかを選べますので、自分のスタイルに合わせた選択をするのがよいでしょう。
メリットその3は、少額から買えることです。100円から買えますので、少額投資にはよいでしょう。値段の調整もしやすいですしね。
デメリット
デメリットその1ですが、信託報酬が高いことです。最終的にはJEPIの0.35%の2倍である0.7%ぐらいになります。これだと為替手数料とJEPIの購入手数料を自分で払ったほうが長期的には安いですね。
日本版QYLD「GXNDXカバコ」(2865)のばあい、購入手数料無料、経費率は本家が0.6%に対して、カバコは0.6275%とちょっと上乗せしているだけなのでまだ許容範囲なのですが、JEPI投資信託は容赦ないぐらい取ってきますね。いかにも日本の証券会社的だなとは思います。カバコについてはこちらを参照してください。
デメリットその2は、はじまったばかりなので不明点が多いことです。分配金がどれぐらい出るのかとか、JEPIとパフォーマンスがどれだけ違うのかといったデータがないので、なんともいえません。
ETFは少なくとも4年運用できるかどうか様子見をしたほうがいいともいわれますが、この投資信託もしばらく様子見したほうがいいかもしれません。
デメリットその3は、トラッキングエラーの問題です。ちゃんとJEPIをトレースできているかどうかですね。資金が少ないとエラーの幅がけっこう大きくなるので、「いったいなにを買わされているんだ」ということにもなりかねません。
まとめ
そんなわけでメリットは、
・日本円で買える
・分配金が出る(年2回)
・少額購入可能(100円から)
デメリットは、
・信託報酬が高い。
・はじまったばかりで不明点が多い。
・トラッキングエラーの問題。
です。
Q太郎としては、すでにJEPIは持っていますし、わざわざ2倍の信託報酬を払ってこちらを買うかといえば、微妙なところはあります。
日本版QYLDのカバコは経費率的に許容できるのですが、こちらはそうではありませんしね。
とくに長期投資になると、経費率はパフォーマンスに大きく響いてきますしね。
さらにいえば、トラッキングエラーがあるとなんのために投資しているのかよくわからなくなります。
米国株を買うのに慣れている人は、わざわざこちらを買う必要がないかなと。カバコと違って高くつきますからね。
ただ日本円で少額から気軽に投資できるので、「ちょっと小銭があるから投資しよう」というときにはいいとは思います。
はじまったばかりなので本当になんともいいようがないため、しばらく様子見がいいんじゃないかという気はします。