【米国株/ETF】為替損益の確定申告ー配当金のドルで米国株購入のケース補足

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新NISA一括投資→即毎月定率取り崩し運用中のQ太郎です。

前回、米国株の売買・配当金受取を円貨決済にした理由の動画で、為替損益の確定申告についての質問が多く寄せられました。

今回はそれらについて、前回カバーできなかった部分を補足していきます。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

 

為替損益の確定申告

さて、米国株・米国ETFにおける為替損益の確定申告についてです。

まず基本的な部分ですが、為替損益とはなにかというと、日本円換算したときの差額ですね。

たとえば1ドル100円のときに100ドルを手に入れたとしたら、これは「ドル購入」になります。配当金を100ドルで受け取った場合も、「ドル購入」です。日本円換算では1万円ですね。

そして1ドルが120円になったときに、100ドルで米国株を買ったら、これはドルが消失しますので「ドル売却」になります。日本円換算では1万2000円になります。

すると為替損益は、1万2000円ー1万円ですので、+2000円になります。

この利益は雑所得となり、場合によっては確定申告が必要です。

ビットコインの利益もある意味為替損益でして、基本的には「入手時(購入時)の日本円価格」と「消失時(売却時)の日本円価格」の差になります。

米国株や米国ETFもおなじで、米国株を購入したときの日本円換算価格と、売却したときの日本円換算価格の差ですね。米国株がドルでいくらかは重要ではなく、日本に直すといくらかが問題になります。

すべての売買は、日本円に換算して、その差が利益になったり損失になったりします。つまるところ、「すべて日本円に換算して損益考える」、これが基本です。

ドルだろうがビットコインだろうが米国株だろうが、ぜんぶ一緒です。日本円に換算してその差額を考えます。

ドルで米国株を買う

この基本的な部分を抑えて、やはりまだまだ質問の多かった「配当金をドルで受け取って、それで米国株を買うと為替損益が発生する」という部分を考えていきましょう。

まず1ドル100円のときに、米国株の100ドルの配当金を受け取りました。先ほども言ったように、すべて日本円に換算するのが大前提なので、これは「1万円のドルを購入した」ことになります。

それで1ドル120円のときに米国株を100ドル分買った場合、これは「1万2000円でドルを売り、その1万2000円で米国株を購入」したことになります。

そのあと、米国株が値下がりして、日本円換算で8000円になったときに売却したら、損失は-4000円になります。

わかりやすくまとめると、

ドル購入(配当金受取)1万円
ドル売却(米国株購入)1万2000円
+2000円

米国株購入 1万2000円
米国株売却 8000円
ー4000円

となっており、ドルで米国株を直接購入したわけではなく、実際はドルをいったん売却し、その売却したときに得た日本円で米国株を買ったという処理で考えます。

すべて日本円ベースで考えないといけないのですね。だから保有している米国株を見るときも、ドルではなく日本円で見る癖をつけておくといいでしょう。

よくこれを混ぜて論じてしまう方がいるのですが、ドルはドル、米国株は米国株で別物ですので、それぞれで計算しなければなりません。

ドル購入→ドル売却→得られた日本円で米国株購入→米国株売却

という流れですね。すべて日本円換算で計算します。

計算上はドルから直接米国株を買っているわけではないので、その点に注意してください。

これは前回にいった「利益の出たビットコインでモナコインを買ったら、翌年モナコインが暴落したけど多額の税金を取られた」のケースもおなじです。

簡単に説明すると、ビットコインを1億円買って、それが2億円になりました。

その2億円のビットコインでモナコイン2億円を買います。

そのモナコインが、翌年暴落して2000万円になりました。この場合の税金はどうなりますかという話です。

ビットコイン購入 1億円→2億円
2億円のビットコインで、2億円のモナコイン購入
翌年 モナコイン2億円→2000万円で売却

さきほどの配当金で米国株を購入したときのように、これを正しい処理で置き換えると、

ビットコイン購入 1億円
ビットコイン売却 2億円
+1億円(税金約5000万円)

モナコイン購入 2億円
モナコイン売却 2000万円
ー1億8000万円(課税なし)

と2つの別々のことになります。ビットコインをドル、モナコインを米国株に置き換えていただければわかるかと思います。

基本的に海外通貨も外国株もすべて日本円で換算し、その差額を損益として計算することになります。

利益が出た場合は、雑所得として確定申告が必要です。雑所得というは副業とかの利益もこれにあたりますね。

雑所得で確定申告が必要な場合

雑所得で確定申告が必要な場合ですが、大前提として、雑所得には確定申告が不要となる制度はありません

そのため、基本的には所得があるなら確定申告が必要となります。

ただ会社員が為替損益や仮想通貨の利益を含めた副業での収入合計が20万円以下ならば、確定申告が不要です。

確定申告が不要になるのはこの場合だけです。それ以外は、所得が発生したら原則確定申告が必要です。

収入合計というのは雑所得だけでなく、一時所得も含みます。一時所得とは、生命保険の一時金や満期払戻金、競馬の払戻金なども含みます。

そのため雑所得10万でも、一時所得10万円以上だったばあい確定申告が必要になります。

注意が必要な人

ここで注意が必要なケースですが、まず個人事業主など、事業所得の確定申告がある方たちです。

事業所得の確定申告が必要である以上、雑所得が1円でも発生すれば合わせて申告しなければなりません。

そのため、当然為替損益の計算が必要になりますので注意が必要になります。

それから危険なのが、会社員だけど副業している人たちです。

先程もいったように、給与所得以外の所得合計が20万円を超えていれば、確定申告が必要になります。

たとえば副業をしていて20万円以上の利益が出ていれば、当然ですが為替損益が1円でも発生していた場合、申告する必要があります。

たとえば会社員でユーチューバーをやっている方とかで、20万円以上利益を出していれば、当然為替損益が1円でも出ていれば申告が必要になります。

為替損益計算の面倒を避けたければ、前回の動画で言ったように、配当金はすべて円貨受け取り、米国株の売買もすべて円貨決算するのがいいでしょう。Q太郎は計算が面倒になったので、昨年の暮れからそうしています。為替損益の計算についてはこちらの動画を参照してください。

配当金を受け取った日に外貨MMF購入

そして前回でも説明したのですが、もう一度きちんと説明します。

「配当金をドルで受け取り、その日のうちに外貨MMFを買った場合、為替損益が発生しない」という話ですが、これは解釈が難しいところです。

というのも、配当金が発生した日と、そのお金があなたの証券口座に振り込まれた日が違うからです。

たとえば米国高配当ETF「QYLD」の分配金ですが、持っている方がいれば取引報告書を見ていただければわかりますが、分配金が発生した現地支払日は2月28日になっています。

しかしそこからすぐに口座に入ってくるわけではなく、受渡日は3月1日になっています。2日ほどラグがあるのですね。

当然、2日もラグがあればドル円レートは動いています。そのため、口座に分配金が入ってからすぐに外貨MMFを買っても、実際はその2日前に分配金が発生してしまっているので、為替損益が発生してしまうことになります。

確定申告は、基本的には利益が発生した日に、利益を計上します。これを「発生主義」といいます。

たとえばユーチューバーが12月に出した利益が現金で支払われるのは翌月の1月ですが、確定申告では12月に利益(売掛金)が発生したとして記帳します。その年内の収入になるのですね。

そして1月に現金が入ってきたときには、12月の売掛金を回収したという処理になります。これは昨年収入としてすでに申告したので、この年の収入にはカウントされません。

この「発生主義」の原則に合わせれば、外国株の配当金が発生した日が「ドル購入」になります。

つまり、配当金を受け取ってすぐに外貨MMFを買っても、実際に配当金が発生しているのは2日前なので2日後に「ドル売却」となっているわけです。

つまりどうあがいても為替損益は発生してしまいます。

たとえば米国株の配当金100ドルが3月4日に入ってきました。これですぐに外貨MMFを買ったとします。この日のレートが1ドル120円だとします。

しかし実際、取引報告書を見ると配当金が発生したのは3月2日で、その日が1ドル100円だったら、為替損益が+2000円発生していることになります。

「発生主義」の考えからすれば、口座に入ってすぐ外貨MMFを買ってもだめなのです。

ちなみに現金を実際に受け取った時点で記帳する方法として、「現金主義」というのがあります。つまり「口座に入った時点」で記帳する方法ですね。

ただこれを使うには、青色申告者で、小規模事業者であり、「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」を提出しなければなりません。

しかもこの現金主義で計算していいのは、「不動産所得」および「事業所得」のみです。

そんなわけで、発生主義の考え方からすれば、配当金を受け取ってすぐに外貨MMFを買っても、配当金発生から入金まですでに2日経っているので間に合わないわけです。

そんなわけでQ太郎はこれを昨年までちまちま為替損益の計算をしていたのですが、さすがに面倒になってきたので、楽天証券でドルの配当金を円貨受け取りにしました。これで為替損益の計算をしなくてすむようになりました。

ただそれでも、楽天証券はドルを口座に突っ込んでくることもあるため、完全に避けられたわけではありません。詳しくは前回の動画を参照してください。

ドル転してから米国株を買う

ともかく、以上のことから、配当金に関しては、口座に入金されてから外貨MMFを買ったとしても、発生主義の考え方からすれば間に合っていないわけです。かならず為替損益が発生します。

それでもう一つのケースとして、「日本円をドル転して、その日のうちに米国株を買う」というものです。

これはその日のうちで決済しているので、為替損益は発生しません。ただしあまったドルを後日につかうと為替損益は発生しますので、その日のうちに外貨MMFを買って使い切るという方法で対策はとれます。

Q太郎も昨年までは、為替手数料をケチるために自分でドル転していましたが、円安のせいで1ドル25銭の手数料の影響も0.16%ほどになってしまいましたし、米国株を買うタイミング次第で0.16%ぐらい簡単に動いてしまうので、いまは日本円で直接購入しています。とにかく面倒を減らすようにしています。

配当金の利益は特定口座ですでに計算されている

ここで「配当金の利益は特定口座で自動的に計算してくれるんだからよくない?」というようなコメントがありました。

配当金の利益は計算してくれますが、それで受け取ったドルがどうなったかについてはまた別の話です。

たとえば配当金を100ドル受け取りました。このとき、1ドル100円だとします。すると1万円ですね。仮に税金が、外国税あわせて30%だとしたら、3000円が税金でひかれます。残ったのは7000円ですね。

ここまでは特定口座がやってくれます。この7000円を日本円で受け取れば話はここで終わりになります。

が、ドルで受け取ったら話は変わってきます。

つまり、この配当金7000円を使って70ドル購入→証券口座に70ドル入金ということになります。

「配当金7000円を日本円で受け取らず、7000円使って使ってドルを購入した」ということになるのですね。

そのため、ドル受け取りというのは「ドル購入」になるのです。

あくまでベースは日本円なのです。べつの通貨で受け取った時点で、それはその通貨を日本円で購入したことになります。これは理解しておいてください。

 

まとめ

そんなわけでまとめると、

・配当金を日本円以外で受け取った場合、日本円で別の通貨を買ったことになります。

・配当金のドル受け取りは「ドル購入」、そのドルで米国株を買ったら「ドル売却」となり為替損益が発生する。

・ドルも米国株もビットコインも、すべて日本円換算して損益を計算する。「日本円に換算していくらで手に入れたか」と「日本円に換算していくらで手放したか」の差額ですね。

・配当金が発生するのと、それが口座に入るまでには2日ほどのラグがある。そのため発生主義の考え方では配当金が発生した日が「ドル購入」になるので、口座にドルが入ってからすぐに外貨MMFを買った(ドル売却)としても間に合わない。為替損益は発生する。

・ドル転したドルで、その日のうちに米国株・外貨MMFを買えば為替損益は発生しない。ただしドルを余らせて、後日に使った場合は為替損益が発生する。

となります。

また確定申告については、

・大前提として、雑所得には確定申告不要となる制度がない。

会社員の方は、給与所得以外の所得合計が20万円以下なら確定申告をしなくてよい。ここでいう給与所得以外の所得は、副業で得た所得や、保険金の一時金・払戻金、為替損益など、すべて含めた所得になります。

・個人事業主は事業所得の確定申告があるため、雑所得は1円でも発生すれば申告する必要があります。そのため、為替損益の申告は基本必須と思ったほうがいいでしょう。

となります。

そんなわけで、こういう面倒なことをQ太郎はこれまでちまちま計算してきたのですが、さすがに疲れたので昨年の暮れから、配当金はすべて円貨受け取り、米国株の売買はすべて円貨決済にしたのは前回の動画で述べたとおりです。

そんなわけで、個人事業主や、会社員だけど副業で20万円以上稼いでいるという方で、できるだけ楽したい方は、日本円でのやり取りにしたほうがいいとは思います。もしくは投資信託を使って、必要なときに取り崩すのがいいですね。