【米国株】リセッション(景気後退)入りでさらなる株価下落の可能性は?今後の米国市場まとめ

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QYLD全力太郎ことQ太郎です。

荒れた展開となった先週ですが、今週もどうなるかといったところです。

先週はS&P500が5日間で-4.25%、NASDAQは5日間で-1.72%になりました。NASDAQは週末に森化したことで、下落幅は小さくなっていますね。

とにかくボラティリティの高い展開が続いています。先週の動きについては、前回を参照してください。

さて、リセッション(景気後退)により、ここから株価がさらに一段と下がっていく可能性もあります。

以前、ITバブル時と似た動きになっているので、ITバブル時で計算するとあとどれぐらい落ちるかという記事を出しました。

S&P500は現在地からあと-20%、為替は114円まで円高に進むので、日本円換算であと-33%下がることになります。詳しくはこちらを参照してください。

米国市場は弱気相場入りしましたが、実際の経済においてもリセッション(景気後退)入りの懸念が出てきました。

株式と言うのは、実体経済を先取って動きます。

ニュースとかで街頭インタビューをすると、

「経済は悪いのに、株だけが高くなっている」

という街の人たちの意見がよく出てくるかと思います。

これは当たり前のことで、株式のほうはこれからの経済回復を先に織り込み始めているからです。

株が高くなるのは経済の回復前なのです。

それで今回はその逆になります。

米国の実体経済のほうはまだ堅調ですし、企業業績も悪くはありません。

しかし株式はその向こうの景気後退を織り込みはじめています。

株はつねに先に先にと動くものなのですね。今の状態がどうかを考えるのではなくて、未来の状態がどうかを考えなければなりません。

とくに債券投資はこのあたりがシビアで、ちょっとでも金利が動けば早いタイミングでしっかり織り込んできます。債券ETFのAGGやBNDも、今年に入ってから金利上昇によって大きく落ちましたね。

株式のほうは、まだ楽観論があるかなという気がします。そうなるとまだ十分に織り込まれていないことから、さらなる下落も考えられます。

BTC

さらにつられて暗号資産のほうでは、ビットコインが2万ドルを切りました。

「年末には10万ドル」とか毎年毎年言ってる人いましたけど、現状厳しいとは思いますね。

一方で、イエレン米財務長官が「リセッションは全く不可避というわけではない」との発言もあります。

今回はリセッション入りの可能性と、今後の米国市場がどうなるかについての有識者の意見を見ていきましょう。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

米国経済の現状と今後

さて、金利上昇と米国のリセッション入り懸念から株価は下落トレンドになっていますが、実際のところ、経済自体はまだまだ堅調です。

ただ株価は未来を織り込みますので、今後の経済が悪くなるということの予兆とも言えます。

イエレン米財務長官の発言

19日、イエレン米財務長官は、ABCニュースが日曜の朝にやっている政治討論番組「This Week」で

「インフレは高止まりしており、今年いっぱいは続く」

との発言をしました。

ただ、新型コロナウイルスで消費が落ち込んだことから、国民のお金が貯まっているし、失業率も低いどころか人手不足状態なので、リセッションは「全く不可避というわけではない」とのことです。

しかしこの発言、言い方を変えると

「インフレはどうにもならないから、貯金で乗り切ってくれ」

みたいな話にもなってきます。

短期的には大丈夫かもしれませんが、インフレが長期になると、それこそ不況の時代が来るかもしれません。

そうなった場合、株式はそれこそさらに一段の下げになる可能性は高いでしょう。

リセッション懸念の要素

現在のインフレ要因としては、やはりウクライナ問題や、中国のゼロコロナ問題、そして「インフレは一過性」として放置してきたパウエル議長の問題が大きいとは思います。

さらにパウエル議長は

今回の0.75%の利上げが普通になるとは思っていない

と言いながらも、

来月に今月の規模の利上げがあり得る

との見解も示すなど、「どっちやねん」状態になっています。

これを受けてかどうかは知りませんが、アメリカのクリーブランド連銀のメスター総裁は、

金融政策はもっと早く何とかできたはずだ。当局の行動が遅れたことで、リセッションのリスクは高まっている

と批判しています。

これまで放置してきたツケが一気に出てきた感じですね。

米国市場の反応

インフレは進みますし、利上げもどういうペースになるかは不明。

こんなわけのわからない状態ですので、米国市場はもはや方向性がつかめない状況になってきています。

いまの時期は投資と言うか、もはやギャンブル状態ですね。

買い材料が無いので、とりあえず全部売って様子見という人も増えている感じです。

Q太郎も今年の年始にいろいろ売却してキャッシュポジション増やしまくっていました。キャッシュポジションの使い方についてはこちらを参照してください。

ちなみに昨年の予想だと、今年はS&P500が5%アップ、米10年債利回りは2%との予測がありました。

また「ビットコインが10万ドルになる」みたいな話もありましたね。

この「年末にビットコイン10万ドル」説って何なんでしょうね。だいたい毎年毎年のように聞きますね。

株式と違って、ビットコインは価格の根拠になるものがないので、トークで煽って値段を上げるぐらいしかやることがないといったところもありますね。イーロン・マスク氏もTwitterで煽って値段吊り上げていましたしね。

そんなわけでビットコインは現在2万ドルを割っての下落になっています。

とりあえず「株も債券もビットコインも売れ」みたいな流れになっていますね。

高騰するインフレ率と金利

ちなみに現在のインフレ率ですが、5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月と比べて8.6%アップと、40年ぶりのすごい数字を叩き出しました。

ガソリンでは48.7%、食料品では10.1%上昇していますね。

目標インフレ率は2%なので、かなり厳しいことになるとは思います。達成までに2年ほどかかるんじゃないかいわれていますので、それまで年単位でダラダラと株価が下がり続ける可能性もあります。

ITバブルやリーマンショック時がまさにこんな感じでしたね。上がったり下がったりしながらだらだらと下がり続けて、楽観論も消えてみんなが投資に興味を失った頃にゆっくり回復していくみたいなパターンです。

ちなみにITバブル時のS&P500は-50%ぐらい、リーマンショック時は-60%近く下げました。

現在のS&P500は年初来で-23.39%なので、下値余地はまだまだあるかなといったところです。

恐怖指数はまだ低い

VIX

市場のボラティリティを現わすVIX指数、恐怖指数とも言われているものですが、現在31.13と、まだまだ大したことないかなといったところです。

ちなみにコロナショック時は80以上まで行きました。

まだ楽観論が多そうなので、まだまだダラダラ下げていくという展開は十分にあるとは思います。

 

まとめとQ太郎の見解

そんなわけでまとめとして、

・経済自体はまだ堅調。

・インフレは進み過ぎ。インフレを目標の2%にするには2年ぐらいはかかりそう。

・そうなるとリセッション入りする確率も高くなるし、インフレ退治の高金利で株価もだらだらと落ちていきそう。

・現在、S&P500はせいぜい-20%程度なので、下値余地は十分にある。

といったところで、インフレ退治の高金利で「株買うより銀行あずけたほうがよくね?」という話になってきますので、将来的に株式の旨味が減っていくことから、ダラダラと下げていく展開は十分にありえるかなとは思います。

ただ高配当投資としては、さらに下げていただければ利回りはよくなりますので、納得できる利回りになったときにでもちょこちょこ拾っていけばいいかなとは思います。