米国高配当ETF「RYLD」メリット・デメリット【分配金12%】

高配当ETFRYLD, VTWO

RYLD

今回はリクエストのあったラッセル2000のカバードコール商品「RYLD」について、その中身と、メリット・デメリットを述べていきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

RYLDのメリット・デメリット

さて、RYLDのメリット・デメリットです。

RYLDとは?

まずRYLDについてですが、これはラッセル2000のカバードコール商品です。現在は楽天証券でも買えるようになりました。カバードコールについては過去動画を参照してください。ここでの説明は省略します。

ラッセル2000についてですが、米国の小型株指数ですね。S&P500が大型株の指数なので、その小型株版のようなものです。

小型株ですのでそれなりにリスクは高く、それなりにボラティリティも高くなります。

ヴァンガード社はS&P500ETFとして「VOO」を販売していますが、ラッセル2000ETFとして「VTWO」も販売しています。ラッセル2000に投資したければVTWOを買っておけばいいでしょう。経費率は0.1%です。

VTWO

それで実際に小型株のラッセル2000のパフォーマンスがどんなものかというと、S&P500と比べるとボラティリティが大きい割にはリターンが低いという、ちょっと残念な感じになっています。

小型株だから上がるときはすごい上がるんじゃないか、10倍株もあるんじゃないかというイメージはありますが、指数として見た場合はそこまでパフォーマンスがよくなかったりします。普通にS&P500のほうが上がっています。

というわけで、あまり期待しすぎないほうがいいラッセルさんですが、これを利用したカバードコール商品がRYLDです。

RYLDはグローバルX社の商品ですが、他社商品であるVTWOを3割ほど組み込んでおり、残り7割はラッセル2000のほぼ全社を個別株として均等配分で保有しています。2000社近くの個別株があるので、QYLDやXYLDよりは面倒なことをしています。

純資産総額ですが、約2000億円と、まあまあOKな水準です。

経費率はQYLDよりちょっと高い0.7%ですね。ただ2023年3月1日まで0.6%の割引になっています。

分配金利回りは現在のところ12%で、グローバルX社のカバードコール商品のルールである「一カ月の上限は1%まで」の上限近くまで払っていることになります。

RYLD chart

チャートはこんな感じで、カバードコール商品の例に漏れずの右肩下がり傾向です。設定日は2019年4月なので、まだまだ日の浅いETFですね。分配金も右肩下がり傾向です。カバードコール商品なので、基本的に株価が低くなるのに比例して分配金も低くなっていきます。

RYLDのメリット・デメリット

RYLDのメリット・デメリットですが、まずその1として、ラッセル2000というちょっとマニア向けの指数の、さらにカバードコールというマニア向けな投資の仕方ができるという点です。

これがメリットかどうかは議論が分かれるところですが、ちょっと違った投資をしたい人にはよいかもしれません。

その2ですが、経費率が割引中です。実際は0.7%だったのですが、2023年3月1日まで0.6%になっています。今後このまま割引が続くかどうかは不明です。

その3ですが、高配当ですね。現在のところ、毎月1%ぐらいは出ています。もちろんそのぶん、配当落ちで基準価額が1%下がりますので、自分で取り崩すか他人に取り崩してもらうかの違いともいえます。

デメリットのほうですが、その1はラッセル2000自体がそんなにパフォーマンスが良くないといったところです。

S&P500に比べるとボラティリティは高く、リターンは低いので、「小型株にこだわりたい」という人以外にはそんなに魅力は無いかなとは思います。

爆発力だと、QQQのNASDAQ100のほうが爆発力がありますしね。

デメリット2は、株価・分配金は右肩下がりの傾向です。

カバードコール商品自体の問題ですが、上りはちょっと、下がりはドカーンのコツコツドカーンの動きになってしまいます。

株価の上昇を捨てる代わりにオプション代を受け取るという戦略なので、当たり前といえば当たり前ですね。

デメリットその3ですが、ボラティリティが高いことです。QYLDが16%ぐらいだとすると、RYLDは21%ほどあります。小型株の集まりなのでしょうがないですが、下がるときはQYLD以上に大きく下がる傾向にありますね。

配当を安定的に受け取りたいという目的の場合は、できるだけ株価のボラティリティが低い方がいいですしね。

 

まとめとQ太郎の見解

そんなわけでまとめると、メリットは

・ラッセル2000のカバードコール商品
・経費率割引中(0.6%)
・高配当

デメリットは、

・ラッセル2000が微妙
・株価・分配金は右肩下がりの傾向
・ボラティリティが高い

です。

商品としては、「小型株のカバードコール」というマニアックさがあって面白いのですが、人にすすめられるかといわれると「うーん」といったところですね。

Q太郎ですが、観測用に20万円分ほど持っています。

積極的に投資したい商品でもないのですが、QYLD/XYLD以外のカバードコール商品の選択肢としては面白いと思います(儲かるかどうかは別問題ですが)。