【分配金12.8%】世界高配当株ETF「SDIV」メリット・デメリットーそもそも大丈夫?|米国ETF

一般ETFSDIV, 高配当ETF

SDIV title

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

昨夜はリセッション懸念の金利低下から、Nasdaqが大きく上げてきました。

NASDAQ

NASDAQは前日比で+1.75%、年初来では-28.49%です。

SP500

S&P500は微増といったところ。前日比+0.16%、年初来では-20.12%と、-20%を抜けきれません。

それで今回は、リクエストのあった、世界の高配当銘柄の上位100銘柄にまとめて投資できるETFの「SDIV」の紹介です。

ズドンしたことで、分配金利回りが12.8%と脅威の高さになっています。果たして大丈夫なのかどうか、そもそもまともな投資対象なのか、メリットデメリットについても見ていきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

SDIVとは?

さて、世界の高配当銘柄の上位100銘柄にまとめて投資できる「SDIV」です。

SDIV

株価下落から、分配金利回りが12.8%と、「大丈夫かこれ」レベルの数字になっています。年初来では-26.11%の下落になっています。

純資産総額

さて、まずはSDIVの内容を見ていきましょう。当然最初は純資産総額ですね。これが少ないと、株価以前に流動性リスクを抱え込むことになります。

現在の純資産総額ですが、約1000億円ほどです。米国ETF的にはギリギリOKといったラインですね。

経費率

経費率は0.58%と、けっこういいお値段です。QYLD並みの経費率ですね。

組み入れ銘柄

SDIV meigara

組み入れ銘柄の上位10銘柄ですが、香港市場に上場している中国企業が目立ちますね。

1位のLOGAN GROUP、 2位のMIDEA REAL ESTAT、3位の YUEXIU PROPERTY、ぜんぶ中国の不動産会社です。

「あっ」と思った人は、そのとおりです。

前回、中国不動産バブルの元凶であるシャドーバンキングの話をしましたが、つまりはそういうことなのですね。高利回りなのもつまりはそういうことなのです。詳しくは前回の動画を参照してください。今後の人生で損しないためにも、この知識は持っておいたほうがいいです。

ただ100銘柄あるので、一つあたりは1~2%程度になっていますね。銘柄分散自体は利いているのですが、次に問題になるのがセクター比率です。

セクター比率

SDIV SECTOR

セクター比率ですが、1位は金融で29.3%、2位は不動産で24.7%、3位は素材で10%と、4位はエネルギーで8%と、景気敏感セクターが70%以上を占めているような状況です。これらはだいたい同じ動きをしますし、ズドンしやすいです。高ボラティリティが保証された、心臓にはあまりよろしくないセクターの偏り方ですね。

国別比率

SDIV nations

国別の比率で見ますと、1位はアメリカの24.7%と、4分の1はアメリカですね。2位は中国で16.5%、3位は香港で15.7%ですので、実質中国は30%以上を占めており、実際の1位はアメリカではなく中国ですね。

4位はブラジルになっています。ブラジル投資についてはこちらを参照してください。

ブラジルETFも分配金8%はありますね。

ロシアも2.2%組み込まれていますが、取引停止問題がありますね。

バックテストによるリスク・リターン

SDIV CHART

SDIVの分配金再投資無しの長期チャートですが、QYLD同様、順調に右肩下がりです。

SDIV CHART2

分配金高いから何とでもなると思うかもしれませんが、分配金再投資有りでもこのチャートです。ほぼ横ばいかマイナスですね。

ちなみに全米株式ETFのVTIのばらつきが14%、Nasdaq100ETFのQQQが16.5%だとすると、SDIVは20%と、かなりの高ボラティリティです。景気敏感セクターがたっぷり入っているので、それなりにジェットコースターですね。

分配金推移

SDIV DIVIDED

分配金の推移ですが、下落傾向にあります。とくに2020年のコロナショックを境に、大きく落ち込んでしまっていますね。長期的には厳しいものがあるかもしれません。

 

SDIVのメリット・デメリット

それではSDIVのメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリット

メリットの1つ目は、やはり高配当でしょう。

現在12.8%というのは、安全かどうかはともかく、かなりの高配当になっています。

とにかくたくさん配当が欲しいという人の願望を十分に満たせる水準でしょう。安全かどうかはともかくとして。

メリットの2つ目は、世界の100の高配当株にまとめて投資できる点です。自分で探さなくていいとのは便利ですね。安全かどうかはともかくとして。

デメリット

デメリットの1つ目は、やはり経費率の高さでしょう。ただでさえ株価が落ち込んでいる上に、0.58%の経費を毎年払わなければなりません。

デメリット2つ目は、高ボラティリティですね。

さきほど述べたように、QQQの16.5%を超える20%です。景気敏感セクターにかなり偏っています。

値動きが激しいですし、ことあるごとにズドンもあるので、それなりに覚悟しておいたほうがいいでしょう。

デメリット3つ目は、長期的な下落チャート+分配金も下落傾向です。

中国の不動産が多く含まれているので、連鎖倒産などがあるとダメージも大きくなるでしょう。

デメリットの4つ目は、株価が10ドルを切ってしまったことです。現在9.14ドルですね。

10ドル以下は、基本ボロ株レベルのものです。アメリカの機関投資家は、「10ドル切ったらとりあえず投げ売れ」みたいな感じなので、10ドル以下になると急に出来高が大きくなります。

SDIV dekidaka

実際、10ドルを切ったとたんに大きな出来高が発生しています。

株としては危険領域かなとは思います。最悪、早期償還もありますので、注意が必要かなとは思います。

あと株価が低いと、ちょっとした動きで乱高下するので、ボラティリティもさらに高くなってしまいます。

 

まとめとQ太郎の見解

そんなわけでまとめると、

メリットは

・高配当

・世界の高配当株に分散投資できる

ことです。

デメリットは

・経費率が高い(0.58%)

・QQQ以上の高ボラティリティ。

・長期的には株価も分配金も下落傾向。

・株価が10ドル以下の水準。

です。

高配当は魅力的ですが、そのぶんリスクも高めになっていますね。中国が30%以上を占める点や、中国不動産が多めなのも気になる点です。

リスクは高めとは思いますので、買うにしても損していいような金額にしたほうがいいかなとは思います。

そもそも高配当化している銘柄と言うのは、だいたい問題があるものが多いです。

ズドンして一時的に利回りが高くなっていたとしても、そのあとで配当も落ちてしまうということは多々あります。

つられ安として安くなっているなら買い場とも考えられますが、その銘柄自体に問題がある場合は注意したほうがいいでしょう。

SDIVですが、基本的には金融・不動産セクターの高配当銘柄をまとめて買うETFと思ったほうがいいかと思います。

景気悪化でさらにダメージを受ける可能性もありますし、すでに10ドル以下なので、先ほども言ったように、投資するにしても損していい範囲内でおこなったほうがいいかと思います。