QYLDへ投資する人が知っておきたい不都合な真実ーQYLD全力太郎はQYLDに全力?
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
前回、QYLDを1600万円分売却したという記事をアップしました。
「QYLD全力太郎はQYLDに全力?」と質問が多かったので、今回新規の方用に記事をつくりました。
さすがに毎回同じ質問をされるのもあれなので、次回質問があったときには、「この記事をご覧ください」ですませることができるかと思います。本時期をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
「QYLDに全力」とは?
さて、Q太郎はQYLDを購入していますが、以前から観ていただいている方はわかると思いますが、QYLDを褒め称える記事や動画を作ったことは一度もありません。
早期償還リスクがあることや、ヤバくなればいつでも逃げる気満々と、ことあるごとに発言しています。
なぜかといえば、「投資しているから」です。
大切なお金をあずけているのです。
以前もいいましたが、投資という行為は、知らないおっさんに自分のお金をあずける行為です。
当然、あずけていいのか、あずけたあともずっとあずけっぱなしでいいのかなど、つねに考え続ける必要があります。
とくに仕組みの複雑な銘柄は、本当に大丈夫なのかと何度も検証する必要があります。仕組債なんかがそうですね。
銘柄を信じたり、思考停止をするのが一番危険です。
QYLDに投資する以上は、高配当や毎月分配などという耳障りのよい話ではなく、自分にとって都合の悪いことや聞きたくない事実を知る必要があるのです。
そしてヤバくなればすぐに売却しなくてはなりません。
我々がやっているのは投資であって、QYLDをめでるという宗教ではないのです。
むしろQYLDに投資するのであれば、全力で向き合って、欠点もすべて洗い出して、それでも購入やホールドをするかを決めなければなりません。
投資するからには、それを全力でやらないといけないのです。
QYLDの不都合な現実
「QYLD最高!」「FIRE後はQYLD一択!」などは、自分にとって都合のいい事実を垂れ流しているだけであって、完全に思考停止です。
投資の世界は、あなたの都合では動いてくれません。
QYLDはFIRE後にもいろいろ問題をかかえています。問題点についてはこちらをご覧ください。
毎年切り下がる元本
以前から言っていますが、そもそもQYLDはQQQが好調な時期においても、元本が毎年-1.8%ほど切り下がっています。
これはFIRE後に、元本が毎年徐々に切り下がっていくということでもあるのです。これはちゃんと理解してください。
何度も言っているので耳にタコができているかもしれませんが(タコ足銘柄だけに)、QYLDは長期的には厳しい銘柄なのです。
QYLDの分配金はQYLDの株価にスケールしますから、分配金は株価縮小とともに毎年減っていきます。
分配金の分だけ株価は下がる
それと株価低下による早期償還リスクもあります。
とくにQYLDは株価が低くなった時にボラティリティが高くなってしまうと、そのぶん大きな分配金を吐き出さなくてはなりません。これがかなりまずいです。
「株価が下がってもたくさん配当金が出てラッキー」じゃないんです。
株価の低い状態で大きな分配金を吐き出すと、その分配金分だけ株価がさらに下がります。これがカバードコール商品の大きな問題なのです。
どこからともなく分配金が出てきているわけではありません。出した分配金だけ、しっかり株価は下がります。他人に取り崩してもらっているだけなのです。ここは間違いないでください。
分配金も配当金も、どこからともなく湧いてきているわけではないのです。あなたが受け取ったぶんだけ、株価は下がるのです。
コールオプションがかならず売れるわけではない
そしてボラティリティが上がって、オプション代が高くなったとしても、それがすべて売れるわけではありません。
オプション代が高くなることと、それが売れるのかということはまったく別問題です。
とくに下降トレンドの時期は、多くの人が買いたいのはコールオプションではなく、値下がりを期待するプットオプションです。
カバードコール戦略は、コールオプションを売って、そのお金を我々に配るという泥臭い商売をしているのです。
ボラティリティが高くなってオプション代が上がっても、買う人がいなければ、配れるお金はありません。そこで理論値にするためにたこ足配当が行われますが、それにも限度はあります。結果、早期償還になる可能性があるのです。
コツコツドカーン銘柄の悲劇
そしてカバードコール商品なので、下げはQQQと同じレベルを食らいますが、上げはオプション代だけです。いわゆるコツコツドカーン銘柄です。
一度大きく下げると、上昇力がないことから、回復までに時間がかかります。今回乗り換えをおこなったのもこれが理由です。
これはコロナショック時のQQQ(赤)とQYLD(青)のチャートです。QYLDはQQQと同レベルの下げを食らっているのがわかるかと思います。
そして問題は、その回復力です。
QQQは半年足らずで回復したのに比べ、QYLDは結局現在まで株価が戻りませんでした。
上昇力が無いので、大きなズドン後に株価が戻らないのです。
こうやって、コツコツドカーンを繰り返しながら、どんどん株価が切り下がっていきます。
毎年元本が-1.8%になるのもこれが理由です。上昇と下降のバランスが違うので、ちょっと考えればわかるとは思います。
そのため、大きく落ちた後は、上昇力のあるものを組み込まないと、資産全体の回復に時間がかかってしまうか、コロナショック時のように二度と株価が戻らないという状態になります。
性質上、今後もどんどん株価が下がっていくという銘柄です。
Q太郎が、QYLDは長期投資に向かないので、短・中期で運用をするといっているのもこのような特性があるからです。
「QYLD最高!」「ガチホ!」などというのは思考停止の宗教です。
ちゃんと特性を理解した上で運用をするべきです。
まとめとQ太郎の見解
そんなわけで、本ブログではこのようにQYLDについて全力で向き合い、自分の判断において、適切に運用することを目標にしています。
「QYLDを持ったままFIRE後に入るとどうなるか」など、現実も知らなければなりません。
QYLDは心配する必要のない、バラ色の不労所得ではありません。
人は耳障りのよい話を好みます。「いくらもうかった」とか「分配金がいくら出た」とかそういう話ですね。
Q太郎もそういう話は嫌いではありませんが、リターンの裏にはそれ相応のリスクがあることも知らなければなりません。
QYLDはカバードコールという金融派生商品です。一般株やETFに比べて、予期できないリスクも抱えています。
商品が複雑になればなるほど、リスクと脆弱性は増えていくのです。
本ブログではそのような不都合な事実にも向き合っていきます。
人は耳障りのよい情報を好みますので、視聴者数を増やしたかったら「QYLD最高!」「ガチホ!」とかいうかもしれませんけど、それで間違った投資判断を視聴者様がしてしまうほうがQ太郎にとっては問題です。
そんなんで視聴者数が増えても、気分的に嫌です。
QYLDの問題点を指摘して視聴者数が減ったほうがまだましというものです。
我々がやっているのは宗教ではなくて「投資」なのです。
問題点をしっかり把握して、それでも投資するかどうかの判断の材料が提供できれば、Q太郎にとっては幸いです。
当然、最後に投資判断をするのはあなた自身です。
ぜったいに他人に判断をゆだねてはいけません。
鬼滅の刃でいうところの、「生殺与奪の権を他人に握らせるな」ですね。
おのおのが、おのおののスタイルに合った投資をするというのが理想的ですね。