新興国政府債券ETF「VWOB」を50万円分すべて売却した理由
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
今回は、米ドル建て新興国政府債券ETF「VWOB」を売却した理由についてです。
Q太郎は債券ETFとして、BNDに100万円、AGG,TLT,VWOBにそれぞれ50万円投資していました。
それで1月4日に、このうちの新興国債券ETF「VWOB」をすべて売却しました。他の債券ETFはホールドしています。
それではまず簡単に、VWOBについてざっくり説明します。YouTube動画で見たい方はこちらのリンクから。
VWOBとは?
VWOBは、みんな大好きバンガード社の米ドル建新興国政府債券ETFです。
これはブルームバーグ米ドル建新興国市場国債RICキャップト指数に連動するように作られたものです。
だいたい4%強の分配金がもらえますね。
組み入れ国債について
どの新興国かですが、具体的にはこの表のように、
1位がメキシコの9.6%
2位がサウジアラビアの8.9%
3位がインドネシアの7.0%
と、いかもにもな新興国が揃っています。
トルコは以前まで4位だったのですが、現在は6位まで順位を落としていますね。
中国は7位で、比率は4.2%とそんなに大きくはありません
まあ、なんにしろ、ぱっと見ただけでもリスクが高い感じの国がそろっています。
ただ「ドル建て」なので、通貨の影響は受けにくい形になっています。
VWOBのチャート
こちらが再投資なしでのVWOBのチャートになりますが、基本的には横這いですね。
ばらつきは7.59%ほどなので、株に比べればなだらかです。
分配金の再投資ありにすると、なだらかな右肩上がりになっていますので、悪くはないかと思います。
年間リターンがだいたい4.78%。5%弱といったところですね。
次にVWOBと、米国債券ETF「BND」を比較してみます。
VWOBとBNDの比較
上のチャートは、青がVWOB、赤がBNDです。
BNDと比べると、けっこう値動きはあります。どっちも再投資有りですね。
BNDの年間リターンは3.32%ですが、ばらつきは3.33%となだらかです。
BNDの素晴らしいところは、やはり下落耐性の強さですね。
下落耐性を表す数字であるソルティノレシオを見ると、VWOBは0.77なのに対し、BNDは1.39と1を超えています。1を超えたら結構安全と考えてください。
それとシャープレシオ、ソルティノレシオは切り取る期間で変化しますので、あくまで比較に使う数字だということは忘れないでください。
同じ期間で複数のものを比較するときに使うのですね。
そんなわけで、安全性をとるならBND、リターンを取るならVWOBといったところでしょう。
VWOBとBNDの分配金
VWOBの具体的な分配金についてですが、Q太郎が50万円分(55枚)を買ったときの分配金はこうなっています。
税引き後で10ドル強でしょうか。けっこう安定して入ってくるんですね。
100万円投資すれば、毎月20ドル強がもらえますね。日本円で税引き後毎月2千円強といったところです。
以前、BNDを100万円買ったときの分配金の記事を書いたので、以下のリンクを参照してください。
BNDは100万円で、毎月10ドル弱といったところですね。
そのため、VWOBは2分の1の投資額で、BNDよりちょっと多めにもらえるという感じです。分配金目当てでは悪くはないかと思います。
次にVWOBのNISA口座での運用を考えてみます。
VWOBのNISA口座運用
米国株や米国ETFで注意しなければならないのは、NISA口座では外国税は戻ってきません。
非課税枠なので、確定申告で取り返すこともできないので注意してください。
そのため、人によっては、東証の1566「上場新興国債券」を利用する人もいるようです。
これは分配金5%ぐらいで、外国税はかかりません。VWOBよりもさらに分配金が多いですね。
為替手数料もかかりませんし、楽天のいちにち定額コースを利用すれば、100万円以下の取引なら無料で行えます。
ただ注意してほしいのは、VWOBはドル建てに対して、1566は自国通貨建てになっています。そのぶん分配金も多くなるのですが、リスクも多くなるということです。
元本の安全性でいうと、ドル建てのVWOBのほうがいいですね。ただそのぶん、分配金は低くなります。
今後のアメリカの利上げを考えると、VWOBのほうが安全かなとは思いますね。そもそも利上げになったら、債券自体がリスク有りますけど。
次にVWOBを売却した理由です。
VWOBを売却した理由
Q太郎が売却した理由ですが、新興国からいったん手を引こうかなと思っています。
Q太郎は新興国ETFをけっこう持っていたのですが、去年ほとんど処分してしまいました。
中国ニューエコノミーETF「CXSE」や、トラッカーファンドオブ香港(2800)などですね。
新興国は、右肩上がりではなく、基本的には日本株のようなうねりを取るタイプの投資になります。
安いところで買って、高いところで売るというやつですね。けっこう見張らないといけないのですね。
正直、Q太郎は、値動きの激しい新興国投資からは一歩引いて、市場がまともに機能している米国中心に移行しようと考えています。
中国では政府の命令で一気に株価が落ちたりなど、こういう事態が、市場がまともでない新興国では当たり前に行われるのですね。
企業業績と関係のないところで変なことが起こるので、博打をやっているのとあまり変わらないかなとQ太郎は思ったりします。
うねりを取りに行ける人には、一獲千金の市場かもしれませんが、Q太郎はもう無理に資産を増やす段階ではないので、リスクを押さえながらの投資に移行しようと思っています。
また管理する銘柄も減らしていきたいので、新興国からの距離をとるため、VWOBからは離れることにしました。
まとめとQ太郎の見解
VWOB自体は、Q太郎がホールドしていた範囲では、分配金はしっかり吐き出してくれましたし、コロナショック時もけっこう早く戻してくれましたので、高配当投資としては悪くはないとは思いますね。
分配金目当てなら、株よりは安定感があります。
あくまでQ太郎がポートフォリオのシンプル化を目指していることとの方針に合わなかったというだけですね。
債権自体のリスクについては、後日記事にしようと思います。