QQQ(NASDAQ100)は危険なのかーリスクをわかりやすく解説【QYLD/QYLG/レバナス】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
今回は、これも質問の多かった「NASDAQ100」の危険性やリスクについて、できるかぎり専門用語をつかわずに、わかりやすく解説していきます。「暴落時の3つの対処法」については前回の記事を参照してください。
最近、QQQはいったん大きく下がったあと、また少し盛り返してきていますが、これもITバブルのときにあった動きですね。下がって、ちょっと上がって期待を持たせつつ、さらに下がるという動きに今後もなるかもしれません。
しかも1~2年この動きを繰り返し、じわじわ下がっていくという、わかりづらくて嫌な下がり方です。
ナスダック100ですが、米国ETFでいうとQQQが、ナスダック100指数に連動した商品になっていますね。
また、Q太郎の扱っているQYLDとか、これらを混ぜたQYLGとかも、ナスダック100の関連商品です。 QYLGについては以下の記事を参照してください。
ほかにも、ナスダック100にレバレッジをかけた、いわゆるレバナスもありますね。元本保証レバナス実験もしているので、こちらも興味があれば以下のリンクを参照してください。
それではまず、ナスダック100について、ざっくりと説明していきます。
ナスダックとは?
アメリカの株式市場は、大きく分けると2つになります。
ひとつはニューヨーク証券取引所ですね。NYSE(ニューヨーク・ストック・エクスチェンジ)と書かれているものです。「ビッグ・ボード」という呼ばれ方もします。
世界最大の証券取引所で、証券取引の老舗ですね。審査が厳しく、約2000社が上場しています。
それともう一つの株式市場が、ナスダックです。
こちらは新興企業、ベンチャー企業向けの株式市場で、3000社以上が上場しています。IT企業が多いですね。
アップル、マイクロソフト、Amazon、アルファベット(Google)、メタ(フェイスブック)、テスラ、そして「謎の企業」として名高いエヌビディアですね。
そういう、いまをときめく企業がそろっています。
ナスダック100とは?
それで「ナスダック100」ですが、これは3000を超えるナスダック上場企業の中から、代表的な100社を選び抜いたものです。
この100社の株価指数がナスダック100指数になります。
アメリカの代表的な指数として有名なのに、S&P500があります。アメリカ企業の代表的な約500社の株価指数ですね。
そしてS&P500とナスダック100は、銘柄が40%ほどかぶっています。
これはS&P500ETF「VOO」と、ナスダック100ETF「QQQ」のチャートですが、だいたい似た動きになりますね。
株価の変動の大きさをボラティリティといいますが、QQQのほうがボラティリティが高いため、上り局面では強さを見せます。
ばらつきを見てみると、VOOが13.3%に対して、QQQは15.34%とけっこう違いがあります。
ボラティリティが高いということは、下がり局面でのリスクも大きくなるということでもあります。
それでここからナスダック100のリスクについてです。
ナスダック100の3つのリスク
リスク1 高ボラティリティ
その1はボラティリティが高いことです。
リスクは表裏一体なので、大きく上がるということは、大きく下がるということでもあります。
QQQに関しては、ここ10年間のチャートしか見ていないという方も多いかもしれませんが、ITバブルがあった時期、2000年ごろから切り取りはじめると上の画像になります。
ITバブル期の頂点で買っていた場合、これが元本を取り戻すまでに必要な時間は約15年です。
いまのあなたの年齢に15歳を足してください。それまで耐えられますか、という話ですね。
それに今後、15年でいまの価格に戻る保証はありません。
ボラティリティの高い物は、もうかるときはもうかりますが、Q太郎はできるだけボラティリティの大きなものは扱わないようにしています。エネルギーセクターETF「VDE」も手放しました。VDEはQQQよりもさらにボラティリティが高いです。QQQが15%なら、VDEは20%以上もあります。扱う場合は注意した方が良いでしょう。
ボラティリティの高い銘柄は、もうかるときはもうかりますが、損する時は大きく損する可能性もあるので、あなたがどれだけリスクを取れるかも、合わせて考えたほうがいいでしょう。
リスク2 セクターの偏り
次のリスクはセクターの偏りです。
株には、景気サイクルに合わせて、上がりやすいもの、下がりやすい物があります。
たとえば景気拡大期、低金利の期間には、ハイテク株が買われやすい傾向にあります。
NASDAQ100はここ数年の低金利と、コロナ禍での金融緩和――政府がお金をジャブジャブ世の中に流すことですね――で、「なんか投資しようか」ってなったときに、「普段買わないハイテク株でも買ってみようかな」って話になって、どうでもいい銘柄にまで資金が注入されて株価が上がっていきます。
金があまると、人は手堅い銘柄以外に、いろいろなものに投資したくなるのですね。
たとえば「VTIに投資しておけばいい」という最適解があるのに、お金が余るとあれこれ変なものに手を出してしまうということです。
そのような経験はないでしょうか。Q太郎はあります。
で、テーパリングや利上げが始まって、世の中のお金の量が減り始めると、ハイテクとかのハイグロース株から先に資金が引き上げられます。
ふわふわしたものから、実態のあるものへと、人は資金を移していくのですね。現在がそういう状況ですね。
エネルギーとか、生活必需品とか、人が生活するのに必要なものへと、資金が流れていきます。
NASDAQはある意味、ITというセクターのETFとも考えることができます。
いちおうヘルスケアや生活必需品の企業も入っていますが、構成銘柄の約50%がIT、約20%が通信サービスと、ほぼITセクター銘柄と考えてしまってもいいかと思います。
そのため、全米をまるっと買ってしまうVTIと違って、景気サイクルの影響をもろに受けることになります。現在の利上げの局面では下がりやすくなりますね。
ナスダック100インデックスのQQQが下がれば、関連商品であるQYLD、QYLGも下がります。
とうぜんレバレッジをかけたナスダック「レバナス」も下がります。
こういうセクターETFは、景気サイクルに左右されやすいということも覚えておくといいでしょう。
景気サイクルとか面倒だという方は、すべてがまるっと詰まっているVTI、もしくはそれに関連した投資信託を買うことをおすすめします。
VTI最強伝説も、この景気サイクルを考えなくていい点ですね。投資している人は何も考えなくていいという超お手軽ETFです。
いまだったら手数料もいらなくて、再投資もしてくれる楽天VTIとかSBIVTIとかの投資信託を買ったほうがいいでしょう。100円から投資できますしね。
まとめとQ太郎の見解
というわけで、まとめると、
・ボラティリティの高さ
・セクターの偏り、というかほぼセクターETF
というリスクがあり、安定感という面では、全米をまるっと買ってしまうVTIにはかなわないでしょう。
リスクを取りたくない人はVTI1本でいいかと思います。
ただ今後、ITはずっと伸び続けるというシナリオを信じるのであれば、長期投資としてのQQQはありかなとは思います。
Q太郎はQQQを10万円分と、eMAXIS NASDAQ100インデックス の投資信託を100万円分買っています。
ボラティリティをおさえた運用に移行しているので、これ以上投資する気はありませんね。
関連商品のQYLDは、ボラティリティはそれほど大きくないので、Q太郎にはあつかいやすいかなとは思います。
VTIのばらつきが14%、QQQが16%だとすると、QYLDは10%程度ですしね。
ただQYLDは、そもそものものが消滅してしまう償還リスクがあるので、長期投資には注意してください。
元本も切り下がっていきますので、長期的な投資には向いていないかと思います。
長期投資ならVTIかVOO、保守的にしたければVIGかVYM、トッピングとしてQQQをちょっと入れてもいいかもしれませんね。
高配当投資は、資産拡大という意味では本当に遅いので。配当金で税金とられますし、効率は悪いですね。
QQQの今後ですが、いまは利上げでバタバタしている状態ですが、それを乗り越えたあとにまた伸びてくるかもしれません。
将来的にITを使わない世界と言うのは考えられませんしね。
ただセクターの偏りがありますので、いつでもイケイケというわけではありません。
不安な人はVTIだけでいいかと思います。全米をまるっと買ってしまえるので、一番面倒がありません。