損切りの具体的な判断方法ー注意点も【投資の基礎知識】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
「損切り」についての質問をいくつかいただいていたので、今回は具体的な損切りの判断方法について述べています。
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具体的な損切り方法
さて、具体的な損切りの判断方法についてです。
パーセントで決める
まずよくあるのが、パーセントで決める方法です。
投資の本にもよく書いていますが、「5%上がったら利益確定、3%下がったら損切り」みたいなやりかたですね。
たとえば1000円の株を買ったら、
・1050円になったら利益確定
・970円になったら損切り
みたいなシステム的な方法です。
証券会社によっては、利確と損切りを同時設定できるW指値が使えますので、これを使って自動化するという方法ですね。
書店に並んでいる株の攻略本みたいなのによく載っていますし、短期取引をしている人でこの方法を使う人も多いとは思います。
ただ、Q太郎的にこの方法はあまりオススメできません。
そもそもどういうつもりでその株を買ったのか、何で上がると思ったのかなど、そういう理由を抜きにして、ただ上がった下がったみたいな話だとバクチと変わらなくなります。
さらにいえば、その5%とか3%とかの利確や損切りの根拠が何かがまったくわかりません。
なにを根拠に5%で利確、3%で損切りと決めたかということですね。
人によっては10%で利確、5%で損切りとかいろいろありますが、とにかくその数字の根拠がまったくわかりません。
有名な株のコピペで、
「お前ら金欲しいいなら株やれ株
株なんか簡単だよ
安いときに買って高く売る
高く売って安く買い戻す、それだけで利益でる
簡単に言えば買った値段から機械的に-5%で損切り+8~10%で利食いで十分
俺はこの方法で500万円を85万円にした」
みたいなのがありますが、実際にこうなる確率は高いと思います。
いわゆる「損切り貧乏」というやつですね。
株と言うのは、短期的にズドンしたり、急激に上がったりといったこともあります。
とくに出来高が少ない株だとボラティリティが大きいので、急激に下がったあとに急激に上がるみたいな動きをすることもよくあります。
そのため、システム的にやると、不要な損切りや、もっと伸ばせたかもしれないのに利確してしまったりなど、不必要な動作をしてしまうこともあります。
システム的にやる以前に、「そもそもなんでその株を買ったのか」という理由を考える必要があります。
投資スパンで考える
株を買う理由として考えてほしいのは「投資スパン」です。
どれぐらいの期間の投資を考えているかですね。
簡単にいえば、長期投資なのか短期投資なのかというところです。
たとえば20年とかの単位の長期投資であれば、これは定期預金と変わらないので、いっさい売却せずに淡々と積み上げていけばいいでしょう。
逆に短期投資であれば、上がると思う株だけを買ってください。
上がると思った株が下がったら、そもそも自分の考えと逆の方向へ進んだということなので、さっさと負けを認めて損切りすればいいでしょう。
そのあとで上がることもありますが、基本的に自分の目論見が外れた時点で負けですので、できるだけ早く撤退をする必要があります。何パーセントとかは関係ありません。
たとえば「今度この企業の新作発表があるので、株価が上がるはずだ」と思ったのに、「新作発表後にどんどん株価が下がっていく」のであれば、それは目論見が外れています。さっさと切ったほうがいいでしょう。
基本的に、短期的には上がると思ったのに、毎日どんどん下がっていけば、その時点で目論見は外れていると思ったほうがいいでしょう。
とにかく、「なんでその銘柄を買ったのか」を考えて、その目論見があたってるのか外れてるのかで判断するといいでしょう。
逆に上がった場合は、悪材料が出るまでは利益を伸ばせるとは思いますので、伸ばせるだけ伸ばしていくのがいいでしょう。
+20%とか+50%とかなんでもいいですが、とにかく「小さな損失、大きな利益」を目指してください。短期投資のうまい人は、これが徹底されています。
10回負けても1回の勝利で全部取り返すみたいな感じですね。上手い人はとにかく撤退が早いです。
このあたりは何度もやって、感覚をつかんでいくのがいいかと。
リアルマネーを使う前に、自分でシミュレートしてみるのもいいとは思います。
ただ短期投資はいうほど簡単ではなく、時間的にも精神的にもつらいので、投資にあまり時間をかけたくない人はインデックスでの長期投資をしたほうが精神的にもいいでしょう。
短期投資は「6割勝てれば名人」みたいな世界なので、損失におびえないメンタルが必要になります。
運要素も強いですし、お金を数字だと思って、淡々と取引できる人でないと厳しいです。とにかくメンタルとの戦いになるので、簡単ではありません。
まとめ
そんなわけでまとめると、
・〇%で利確、〇%で損切りの方法は、思わぬ株価の上下で不要な利確や損切りが起こりかねない。損切り貧乏になりやすい。
・利確・損切りの判断は、投資スパンによって変わる。
・長期投資は定期預金とおなじなので、ひたすら売らずに積み立てればよい。
・短期投資は自分の目論見が外れた時点でさっさと損切り。
・逆に伸びていったら、利益を伸ばせるだけ伸ばす。
となります。
まず短期投資・長期投資を意識して、長期投資なら定期預金と思って引き出さない(売却しない)、短期投資なら買った理由を考えて、その目論見が外れたらさっさと損切り、目論見が当たったら利益を伸ばせるだけ伸ばすのを意識すればいいでしょう。