配当成長ETF『DGRW』のメリット・デメリットー毎月分配&VTI並みのリターン!
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
前回はVTIより低リスク、かつ高リターンのポートフォリオとして、QQQ+VIGの組み合わせを紹介しました。
今回は「他の高配当ETFも紹介してほしい」というリクエストがあったので、VTI並みのキャピタルゲインに加え、毎月分配で、かつ配当が毎年平均12%成長していくという配当成長ETF「DGRW」についてです。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
DGRWとは?
さて、話を戻しまして、SPYDもHDVも分配金は多いのですが、キャピタル的な難点がありますね。
特にSPYDはボラティリティが激しく、上がったり下がったりを繰り返すため、良いときは良いのですが、悪いときはズドンになってなかなか回復しないみたいなことにもなります。
老後に爆弾を抱えることになるかもしれません。分配金も安定しませんしね。
買う時期も、ズドン後に一括購入みたいなことをしなければいけません。
そこで、VTIのように毎月積み立てが出来て、しかも毎月分配、かつその分配金が年平均11%成長していき、さらにキャピタルも成長していくというのが、今回紹介する配当成長ETF「DGRW」です。
高配当ETF好きな人には有名な銘柄だとは思いますが、今回は知らない方のためにわかりやすく解説していきます。
本当に大丈夫なのか、チェックポイントを見ていきましょう。
チェックポイント1 総資産
チェックポイント1は、総資産です。
以前から言っていますが、まずETFや投資信託を購入する時は、その商品が良い悪い以前に、総資産は大丈夫なのかということを調べる必要があります。
そこがアウトだったら、どんなに良い商品でも買うべきではないとQ太郎は思います。
流動性リスクと早期償還リスクをいきなり抱え込むことになりますしね。
そして総資産が少ないETFというのは、人気がないETFということにもなります。
そういうわけで、とにかくまずは総資産です。流動性確保のため、最低1000億円以上ですね。
それで「DGRW」ですが、だいたい8000億円以上あります。
タコアシ高配当ETFの「QYLD」と、連続増配ETFの「VIG」、SPYDが現在8000億円弱ぐらいなので、これらより資金が集まっていることになりますね。
そのため、とりあえず総資産はクリアです。
チェックポイント2 構成銘柄
チェックポイント2は構成銘柄です。
VIGと何が違うかと言うことですが、VIGは「連続増配」銘柄を集めてつくったETFに対して、DGRWは連続増配にはこだわらず、増配率の高い優良株を集めたETFになっています。
配当金が高いのではなくて、増配率が高いというのがポイントですね。
配当金が高くても、ボロ株をつかまされてはズドンがありますしね、
トップ10銘柄はアップル、J&J、マイクロソフト、P&G、コカ・コーラ、フィリップモリス、アルトリア、ユナイテッドヘルスなど、Q太郎の好きな手堅い銘柄が並んでいます。
アップルが入ってきている辺り、将来のVIGの構成銘柄を見ているような感じですね。
増配の良い銘柄を集めているということは、自然と手堅い銘柄になってしまうのは、当たり前と言えば当たり前かと思います。
セクターですが、通信、生活必需品、資本財、ヘルスケア、消費財がトップ5を占めており、ズドンの原因になる金融やエネルギーなどは5%以下に抑えられていますね。
不景気に強いセクター比率なので、不景気には強い形になっています。
VTI、VIGとの比較もしてみましょう。
これは分配金再投資無しのグラフですが、キャピタルでVTIを上回っている時期が結構あるのですね。優良株がそろっているのでアウトパフォームしやすいというのがあるかと思います。
年間リターンがVTI 10.77%、VIG 9.52%に対して、DGRWは10.31%とVTIに肉薄した数値になっています。
しかもばらつきは、VTI 14.39% 、VIG 12.84% に対して、DGRWは13.65%と、VTI以下のボラティリティを実現しています。
もう一度いいますが、これは分配金再投資無しのグラフです。そのキャピタルだけでVTIに肉薄しているわけです。
コロナ後の金融緩和でグロース優勢になってVTIに抜かれていますが、それまではVTIをアウトパフォームしていた時期が多いということは、今後金利が上がる局面やインフレ局面においては、VTIを再度アウトパフォームする可能性があります。
分配金の伸び率ですが、青がVTI、赤がDGRW、黄色がVIGです。
2014年の段階では階段状の並びでしたが、赤のDGRWがどんどん突出して伸びているのがわかるかと思います。平均で年12%ぐらい伸びていますね。
将来の配当金生活を目指したければ、今のうちにDGRWに投資しておくのもいいかもしれません。
DGRWのメリット
そんなわけでメリット・デメリットを話します。
メリット1 低ボラティリティ・高リターン
メリット1は低ボラティリティ、かつVTIレベルのリターンです。
先程も述べたように、VTIの年間リターンが10.77%に対して、DGRWは10.31%です。
ばらつきは、VTI 14.39%に対して、DGRWは13.65%です。ボラティリティがおさえられていますね。
VTI型でしたら、SPYDと違って、毎月積み立てという形で購入することができます。
高配当ETFは資産拡大には向いていないので、資産拡大もしたいうえに分配金を毎月受け取りたいという欲張りさんにはよいのではないかと思います。
メリット2 毎月分配
メリット2は、毎月分配です。
ただ毎月安定して入ってくるわけでは無くて、3,6,9,12月に多めに出る感じになっています。あくまで企業の配当金が入るタイミングですね。
逆にたこ足をしていないことの証明でもあるので、これはOKかと思います。しっかり配当金を原資として払われています。
メリット3 将来の増配
メリット3は、将来の分配金に期待できる点です。
ここまでいろいろ言ってきましたが、現在の分配金利回りは1.8%ぐらいです。
SPYDやHDVと比べれば低いですが、優良株を集めれば、分配金が低くなるのは当たり前ですね。
今から買っておけば、将来的に分配金が伸びていって、老後にセルフ4%ルールを発動してくれる可能性もあります。
SPYDは高配当とはいえ、分配金は横這い、もしくは減配ですから、ズドンも含めて将来的な怖さはありますね。
目の前の分配金でしたらSPYDかもしれませんが、老後まで見据えればDGRWも一考してみたほうがいいかと思いますね。
DGRWのデメリット
デメリット1 分配金が少ない
次にデメリットですが、先ほど述べた分配金の低さがそのままデメリットになります。
「未来なんかどうでもええねん。いまは直近の分配金が欲しいねん」
という方は、SPYDやHDVのほうがいいでしょう。
ただSPYDは年4回に対して、こちらは毎月分配ですから、毎月喜びがあるという意味ではDGRWのほうがいいという人がいるかもしれません。
デメリット2 経費率が高い
デメリットの2つ目ですが、経費率が高いことです。
VTIが0.03%に対して、DGRWは0.28%と、けっこういい値段です。
株のスクリーニングとか、毎月分配とかでコストがかかってくるのでしょうね。
効率重視だとVTIになりますね。そもそも効率重視にしたければ、できるだけ分配金は出さないほうがいいですしね。
デメリット3 名前が覚えにくい
デメリット3は、名前が覚えにくいです。
たぶんこの記事を読み終わったあと、
「あのETFの名前、なんだっけ?」
となると思います。
すごい覚えにくいですよね。SPYDはスパイダーみたいに覚えられますけど、DGRWってゴロ悪すぎます。
いまひとつ日本で知られていないのも、この覚えにくさのせいかもしれません。
まとめとQ太郎の見解
そんなわけでまとめると、
メリットは、
・VTI並みのリターン、かつ低ボラティリティ
・毎月分配
・将来の分配金に期待が持てる
の3点です。
デメリットは、
・分配金が少ない。
・経費率が高い(0.28%)
・名前が覚えにくい
です。
そんなわけで「DGRW」、VTIのように積み立てていけて、なおかつ毎月分配で、分配金も伸びていくため、老後のセルフ4%ルールの自動発動ができそうな可能性を持つETFです。
SPYDのようにズドンを待って一括で買うみたいな必要はないので、興味のある方は積み立て購入していくのがいいかなとは思います。
今後、リセッションに突入すると、株の質が問われますので、VIGやDGRWのような質のよいETFも持っておくと、不景気になっても防御力を発揮してくれるのではないかと思います。