Swiftからロシア排除後の米国ETFの動き
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
ロシアがSwiftから排除された後の、米国ETFの動きを見ていきましょう。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
S&P500とナスダック
S&P500は横這い。前日比で-0.24%となりました。
グロース減速・バリュー優勢の前回とは違って、売り買いに迷いが見られ始めています。
一方のナスダックですが、前日比+0.41%です。
ロシアのSwift排除による経済悪化の可能性が出てきたことから、利上げ観測が遠のいたことで、グロース上げは継続ですね。出来高も伴った上げになっています。
ただ今後、また「利上げ普通にするわ」みたいな話になってくるとまた落ち始めますので、伸びは限定的で、迷いの見られる展開になっています。
けっきょく金利がどうなるかで、投資戦略は変わってきてしまうため、いまの時期はとくに株価の動きが敏感になります。
3月はとくにいろいろなイベントに振り回されて、ボラティリティが高い展開になりそうですね。
投資における相場のサイクルについては、前回の記事を参照してください。とくに投資をはじめたばかりの方には、今後の投資方針を決めるために役立つ知識かと思います。
インデックスETF
米国ETFの動きを見ていきましょう。
いつものごとく、インデックス四天王のVTI、VOO、VIG、VYMからです。
VTI
みんな大好き、全米株ETFのVTIですが、上下にヒゲをつけた、完全に迷いの見られる陽線です。前日比では-0.11%の横ばい状態です。
買い向かうのもむずかしい、売るのも難しいという苦難があらわれていますね。出来高もさらに減っています。
200日移動平均線まではまだちょっと距離がありますが、トレンドラインが意識されてくるので、上値が重い展開になる可能性もあります。
トレンド自体は、下降トレンド真っ最中というところですね。
VOO
次にS&P500ETFのVOOですが、こちらも似たような動きになっています。前日比-0.25%の横這いですね。
200日移動平均線が近づいてきていますので、上値は限定的かと思われます。
VIG
バリュー多めの連続増配ETFのVIGですが、こちらも横這い。-0.62%です。
200日移動平均線が近いので、買い進むのも難しいかなといったところですね。出来高は微増です。
VYM
高配当ETFのVYMですが、こちらも横這い。前日比で-0.53%です。
出来高は下がっていますね。
このまま下降トレンド入りするか、それとも50日移動平均線を超えて上昇トレンドに戻るかといったところでしょう。
次に高配当御三家の残り2つであるSPYD、HDVも見ていきましょう。
SPYD
高ボラティリティ銘柄の問題児SPYDですが、ぎりぎり50日移動平均線の上で残りました。前日比-0.84%です。
エネルギー需要で伸びるか、それともこのあたりで頭打ちかといったところですね。
分配金的にはおいしくない銘柄になっています。
HDV
ディフェンス銘柄の多いHDVですが、50日移動平均線の上にしっかり残りました。前日比-0.46%の横這いです。
出来高も増えていますし、このまま順調に上昇トレンドを描いていただければと思います。分配金的には、SPYD同様おいしくはないですね。
ナスダック100ETFのQQQ、QYLDも見ていきましょう。
QQQ
QQQは前日比+0.30%の横這いです。出来高も下がっています。
200日移動平均線まではまだ距離がありますが、トレンドラインが意識されてきていますね。しばらく荒れる展開が続きそうです。
QYLD
我らがタコアシ高配当銘柄のQYLDですが、こちらも似たようなもので、前日比+0.10%の横這いですね。
出来高も減っています。
20.12ドルなので、20ドルラインを割らないでいただきたいものです。
債券・ゴールド・エネルギー・コモディティ
債券・ゴールド・エネルギー・コモディティも見ていきましょう。
BND
債券ETFのBNDですが、窓を開けて、ポンと株価が跳ね上がりました。前日比+0.74%です。
利上げ観測が後退したことと、安全資産に資金が逃げているといったところでしょうか。
しかしボラティリティの高い時期の債券とか、Q太郎的にはあまり買いたくはないかなとは思います。
キャピタルを取るための投資ではないので、ボラティリティの高い時期に買う物でもないですしね。
ついでに債券に似たようなもので優先株というのがありますが、そのETFであるPFF・PFFDも上がり基調です。PFF・PFFDについてはこちらの記事を参照してください。
GLD
ゴールドETFのGLDですが、前日比+1.04%の長い下ヒゲです。
ウクライナ侵攻後の大陰線の頂上にはまだまだ届きませんね。
ゴールドは投資しても増えはしませんが、資産が多くなった時には、その価値を守るという意味での投資は悪くないかと思います。詳しくはこちらの記事を参照してください。
VDE
エネルギーセクターETFのVDEは上昇トレンドを継続中。前日比で+2.77%です。こちらは迷いがないですね。
ロシアがSwiftから外されたことで、今後のエネルギー価格高騰を見越しての買いが入っています。出来高も伴った上げですね。
ただアメリカが備蓄を放出するみたいな話になると大きく下がるかもしれないので、買い進むのも難しいところかと思います。
ヨーロッパは天然ガス輸入量の約40%をロシアに頼っているという状況なので、今後はこのロシア依存体質の転換をはからなければいけなくなるとは思います。
もともとヨーロッパは、ロシアにこれほどの資源依存をする必要がなかったのですね。
ただ脱炭素やらSDGsやらでシェールガスも採掘禁止になって、その代わりをロシアから輸入するという話になりました。
環境保護は大切ですが、やりすぎた結果、ロシアにヨーロッパをコントロールされることになってしまったのですね。
昔の社会主義国でありがちな、きれいごとの政策の結果、全国民が被害をこうむるというやつです。理想と現実のギャップですね。
DBC
コモディティETFのDBCですが、こちらもゴールドと同じ動きです。
前日比+1.70%で上昇トレンド継続中ですね。
資源不足への危惧はまだまだ継続中です。
レバレッジETF
レバレッジETFも見ていきましょう。
SOXL
半導体株の3倍レバであるSOXLは前日比-1.84%の横這い。売り買いに迷いの出ている上下ヒゲです。
出来高は伴っていますが、上値は重そうですね。
TECL
テクノロジー株の3倍レバETFであるTECLも-0.56%の横這い。
こちらも上下にヒゲをつけての、売り買いの迷いが見られます。出来高は増えていますね。
まとめとQ太郎の見解
まとめですが、
VTI,VOO,VIG,VYM,SPYD,HDV,QQQ,QYLD,SOXL,TECL 全部横這い
BND 大きく上げ
GLD,VDE,DBC 上げ
という結果になりました。
株式はグロース・バリュー関係なしに、ほぼ横ばい状態ですね。
状況を見極めようという投資家の感情が働いているものと思われます。
売りも危険、買いも危険みたいなにらみ合い状況ですね。
そんな中で、債券ETFのBNDが窓を開けて上がりました。
ただ債券でボラティリティが高くなってもらっても困るのですけどね。今後の利上げ状況次第でまた下がるとは思います。
ゴールド、エネルギー、コモディティはこの状況ですので、上がってきています。
ただエネルギーセクターは、いつ梯子をはずされるかわからないので、短期投資は注意が必要です。
今後の動きについてですが、やはりしばらく売り手・買い手のにらみ合いが続きそうですね。
とうとう3月に入ってしまいましたが、利上げがどうなるのか、注意深く見守っていく必要があります。ナスダックの運命を決めることにもなりますしね。