ロシア、ウクライナ侵攻後の米国ETFの動きは?
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
さて、ロシアがウクライナ侵攻してから一夜が明け、米国市場も大きく動きました。
Q太郎的にどう動くかがけっこう楽しみな展開なので、2日連続の米国ETFの動きウォッチです。開戦前と開戦後の比較ですね。よろしければ前回の記事も観ていただければと思います。
その結果と言えば、寄り付き後の暴落に対する反発に加え、
「戦争起って経済ヤバくなるから、利上げ先延ばしするんじゃね?」
という楽観論から、利上げに弱いグロース銘柄に買いが入りました。
市場の引けにかけて大きく上げたことは上げましたが、ただ前日の始値には届かない状況です。
今回の上げは、利上げ楽観論による短期的な動きの可能性が高いので、ITバブル時やリーマンショック時にあった、10%ほどのだまし上げ後のズドンが正直怖いです。詳しくはこちらの動画を参照してください。
一方でバリュー銘柄が下げ基調になっていますね。とくにSPYDはズドンといきましたね。
またロシアのアルミ大手ルサールに対する経済制裁で供給が少なくなることから、アルミニウムの価格が過去最高額になりました。
開戦前、開戦後という株価の動きとしては面白い状況なので、昨日と同じように見ていきましょう。
ただ今回話すことや上げ下げの話は、あくまで短期的な話なので、そこは注意してください。インフレが去ったわけでも利上げが去ったわけでもありません。根本的な部分は何も変わっていません。短期と中・長期は分けて考えてください。
それではまず、S&P500とナスダックを見ていきましょう。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
S&P500とナスダックの動き
S&P500の5分単位のチャートです。開始直後の投げ売りからの押し目買いですね。
結果的に前日比+1.50%となりました。ただ前日の始値にはほど遠いですね。
全体で見れば微妙に反発した程度です。
ナスダックも投げ売りからの押し目買いで反発しました。「戦争して経済やばいから、利上げ先延ばしじゃね」の楽観論も入っての買いもあるかと思われます。
前日比で3.34%の上げですね。ただこちらもやはり、前日の始値には届きません。
今後の動きとしては、しばらく楽観論で上げていったあとに、「はい、利上げしまーす」からのズドンが来る可能性もありますので注意したほうがいいかもしれません。
基本的に下げトレンドは、大きく下がって少し上がって、また大きく下がるの繰り返しです。
バブルがどうして当事者にはわからないかといえば、こういうふうにわかりづらく落ちていくからです。
下がって、上がって希望をもたせつつ、また下がるですね。これが長期的に繰り返されます。
結果的に、終わったあとに「あれはバブルだった」とわかるわけです。
短期でのうねり取りの場合は、逃げるタイミングを決めておいたほうがいいでしょう。
インデックスETF
それでは各ETFを見ていきましょう。開戦前、開戦後の変化なので、貴重な資料とも言えます。
まずはインデックス四天王のVTI、VOO、VIG、VYMからです。今回は開戦前・開戦後の動きのウォッチなので、テクニカル的・中長期的な話は前回の記事を参照してください。
VTI
VTIは寄り付きの下げからの大陽線です。前日比+1.68 %ですね。
しかし前日始値には届きませんでした。このチャートで買い向かうかと言われれば、「うーん」ですね。
前日の陰線を包む長さの陽線ならまだよかったのですけどね。
今晩の動きも注目したいところです。
VOO
VOOの方も似た動きですが、VTIに比べて出来高の増え方が大きいですね。前日比+1.41 %です。
やはりVTIよりボラティリティがちょっと低いですね。
VIG
保守的なVTIである守りの連続増配ETF「VIG」ですが、こちらはバリュー銘柄の下げにひきずられて、前日比+0.35 %のぎりぎりプラスとなりました。
VTIよりもボラティリティが低いので、下げにくいけど、上げにくいといったところですね。
大きな値動きを嫌う投資家には、VIGがいいのではないかと思います。
ボラティリティの大きさ的にはVTIが一番大きくて、その次にVOO、VIG、VYMですね。そのため、資産拡大目的ならVTIがいいでしょう。保守的に運用したければ、ボラティリティ低めのVIGやVYMがいいですね。
VYM
高配当ETFのVYMですが、グロース銘柄買い、バリュー銘柄売りの状況なので、大きく窓を開けての下げになりました。前回の底値を割ってしまっていますね。前日比-0.68 %です。
下ヒゲがついているのでしばらくはもみ合いになるか、窓を埋めにいくかになるかもしれません。
さて、高配当銘柄のSPYDとHDVも見ていきましょう。
SPYD
みんな大好き、高配当ETFのSPYDです。寄り付きから大きく下げていきましたが、引けにかけて回復しました。長い下ヒゲをつけた状態になっていますね。出来高もかなり多いです。ただ窓を開けての、前日比-1.14 %です。
VYMと違って、前回の底値は死守しました。ただ上値はかぎられているので、このまま横這いが続くか、じわじわ下がるかといったところかもしれません。
HDV
HDVのほうですが、こちらは陽線ではなくて陰線ですね。長い下ヒゲをつけながらも、バリューが売られる展開なので、引けにかけては下がっていきました。前日比-1.14 %です。
高配当御三家の中では、VYMの下げがもっとも小さくて、SPYDとHDVは同等ですね。
ナスダック100ETF
つぎにナスダック100銘柄のQQQとQYLDを見ていきましょう。
QQQ
QQQは大陽線を付けており、前日比+3.36 %です。ただ前日の始値には届いていませんね。
前回の底のラインでとどまってしまっているので、今晩ここを突破できるかどうかが焦点になります。
このまま買いが続くのか、「やっぱり下りるわ」みたいなやつらが多いのか、注目していきたいと思います。
QYLD
QQQと似たようなチャートを描く、我らがタコ足高配当ETF「QYLD」ですが、寄せの暴落から大陽線で上げていったものの、20ドルラインに届かずの19.90ドルで引けてしまいました。
しかも出来高が下がったときよりも少ないのが気になります。前日比+2.05 %です。
こちらも前回の底値を突破できるかどうかですね。20ドルを突破できないと、20ドル以下が常態化しそうな感じになってきます。
とにかく利上げが問題ですね。QQQ、QYLDは利上げに対して敏感ですからね。しばらく頑張ってほしいものです。
債券・ゴールド・エネルギー・コモディティETF
次に債券・ゴールド・エネルギーを見ていきましょう。
BND
債券ETFのBNDですが、横這いですね。開戦前・開戦後でとくに大きな変化はありません。前日比+0.22 %です。
開戦の影響はあまりない感じですね。
GLD
次に株とは真逆の動きをしたゴールドETFのGLD。
寄せの高騰からの大陰線で、結果的に前日比-0.62 %で引けました。「開戦のゴールドは売り」という教科書通りの動きともいえますね。
それとGLDMのほうは、株式合併が終わって、昨日から特定口座での買い付けが可能になりました。詳しくはこちらの記事を参照してください。
Q太郎は一般口座で管理するのが面倒なので、株式合併前にGLDMをすべて売り払ってしまいました。また機会を見て買い直そうと思います。
VDE
エネルギーセクターETFのVDEですが、横這いですね。前日比-0.41 %です。
やはりこのあたりが頭打ちでしょうか。
売り手・買い手、どちらにも迷いが見られます。
DBC
ついでなので、コモディティETFのDBCも見ていきましょう。
こちらもゴールドとおなじように、寄せの高騰からの大陰線です。前日比+0.42 %ですね。
年初から堅実に右肩上がりしてきた銘柄で、Q太郎も以前に買っていたことがありますが、経費率がくそ高いのですね。経費率が0.82%と、「レバレッジ商品かよ!」というレベルで高いです。
ちなみにすでに売り払っています。
レバレッジETF
ついでのついでなので、レバレッジ商品も見ていきましょう。
SOXL
半導体株の3倍レバレッジであるSOXLですが、大陽線ではあるものの、全体で見ると厳しい物がありますね。
しかしレバレッジだけあって、前日比+11.11 %です。
TECL
次に テクノロジー株の3倍レバであるTECLです。こっちも似たようなもので、前日比+9.86 %です。
ただどちらも、前日の始値には届いていない状況ですね。
まとめとQ太郎の見解
開戦後の動きをまとめると、
グロース銘柄 寄付に大きな下げ。寄り付き後に大きな上げ。
バリュー銘柄 寄付に大きな下げ。寄り付き後に下げたあとに上げ。
債券・エネルギー 横這い
ゴールド・コモディティ 寄付に大きな上げ。寄り付き後に大きな下げ。
といった動きになりました。
歴史的にも面白い時期なので、明日もウォッチ動画をアップしていきたいと思います。