Apple決算で株価下落、Amazonは大幅上昇【米国株投資】2023年8月
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨日、AppleとAmazonの決算が発表されました。これによって、Appleは大幅下落、Amazonは大幅上昇と、明暗の分かれる結果になりました。今回はこのことについてです。
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AppleとAmazonの決算
さて、発表されたAppleとAmazonの4~6月決算です。
Appleの決算
Appleは今回の決算を受けて、株価が前日比で-4.8%下落しました。
ただ決算自体はそんなに悪くないとは思いますね。
具体的に見ていくと、売上高は818.0億ドルで、これは市場予想の815.5億ドルを超えました。
一株あたり利益のEPSも1.26ドルと予想1.20ドルを超えています。
さらに売上高総利益率も44.52%と、予想の44.36%を超えています。
じゃあなにがだめなんだといえば、そもそもの株価のバリュエーションが高すぎる問題がありますね。そのため、下落リスクがけっこう大きくなっています。バリュエーションについてはこちらの動画を参照してください。
現在の一株当たり利益からPERを算出すると、だいたい31倍を超えています。
アップルの通常のPERはだいたい20倍ぐらいなので、株価は現在値から35%ぐらいの下落余地があります。下方向へのリスクがけっこう大きいのですね。
コロナショック以降のコロナバブルから30倍を超えるようになっていましたから、企業自体の業績はよくても、それ以上に株価が過剰評価されている感じはあります。
ようするに未来の成長を織り込みすぎているのですが、その未来の成長にかげりが出てきたのが今回の株価下落です。
まずAppleの売上高は、予想を超えたとはいえ1.4%の減少となっています。しかも次の四半期の売上高も減少が見込まれていますので、未来を織り込んだ高すぎるバリュエーションの根拠が崩れることになります。
主力商品であるiPhoneの売上高も2.4%減少し、397億ドルとなりました。市場予想は398億ドルだったので、それを下回ったこととなります。スマホ市場での、iPhoneの苦戦ぶりが数字になってあらわれた形ですね。
Q太郎はiPhoneを使っていませんが、中古市場がしっかりしすぎているのも売り上げが伸びない原因じゃないかなという気がします。
iPhoneは中古でもけっこういい価格で売れますから、1年ぐらいつかってすぐ売って、その資金でまた新しいのを買うということをしている知人がいます。
すると中古市場には状態のよいiPhoneが出回りますので、Apple製品にあまり熱心でない消費者は「中古でもじゅうぶん」みたいな感覚になってきているのかもしれません。
こうなると新製品購入者がどんどん少なくなってきますので、売り上げも落ちていきます。
ただ、権威主義の中国だと、iPhoneはいまだに大人気ですね。
「iPhone=社会的ステータスの高さ」となっているので、金持ちと見栄っ張りはiPhoneを買いたがります。
PCのほうですが、Macも苦戦中です。売上高は-7.3%の68億4000万ドル。ただ市場予想は63億7000万ドルだったので、それをけっこう上回ったことになります。
ニュージーランドだとMacを使っている人がけっこう多かったのですが、個人的には「Windowsのほうが汎用性があっていいかな」とは思います。ゲームもMacで遊べないものがけっこうありますしね。
一方でAppleストアとかのサービス関連は好調で、サービス収入は8.2%増の212億ドルと、市場予想は208億ドルを超えました。
Apple、そこまで悪くはないのですが、やはり株価が実際のバリュエーションと比べて高めかなとは思います。
Amazonの決算
一方のAmazonですが、大きく株価が下落したAppleとは対照的に、昨夜は一気に+8.26 %のすさまじい上昇です。
売上高ですが1343.8億ドルと、予想の1316.3億ドルを大きく超えてきました。
営業利益で見ると76.8億ドルと、予想47.2億ドルを大幅に上回っています。
さらにいえば、来期の見通しのほうも、売上高が1380~1430億ドルと、予想の1383億ドルを上回っています。
営業利益見通しも55億ドル-85億ドルと、予想の54億1000万ドルを上回っています。
Amazonの2年前に就任したアンディ・ジャシーCEOがかなり有能ですね。大規模な人員削減をおこない、中核事業への投資を継続しつつも、支出を抑制しました。今期の経費削減がかなり成功したので、予想を大幅に超えるすさまじい営業利益が出せたのでしょう。
個別で見ていくと、販売・マーケティング費用が+6.5%ていどで済んでいるのも見事なところです。これまでは平均+35%とかなりの金額が投入されていましたしね。
売り上げが減少傾向のAppleとは逆に、Amazonは今年下期もさらに伸びるものと予想されます。
懸念点としては、アマゾンの主力であるAWSです。AWSが221.4億ドルと、予想の217.1億ドルを超えていますね。ただAWS自体の増収率はどんどん鈍化しています。頭打ち感は出てきていますね。
まとめ
そんなわけで、来期も振るわなそうなAppleと、来期も好調なAmazonで明暗が分かれた状態になりました。
昨夜のS&P500ですが、前半は+1%まで上がるなどの好調でしたが、後半は一気に崩れる展開となりました。前日比で-0.53%です。
とにかく市場が不安定ですね。決算期ということもあり、極端に上がったり下がったりする時期です。
株は決算見てから買っても十分間に合いますので、決算前にばくちをするのは避けたほうがよいでしょう。
そんなわけで、ボラティリティの高い時期なので、慎重な投資を心がけるのがいいとは思います。