S&P500下落、ナスダックから資金引き上げー日本含め利益確定の売り相次ぐ【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
これまでは調子のよかったS&P500ですが、今週は5日間で-2.09%となり、週間ベースで3月以来の下げ幅となりました。4400を割ってしまいましたね。
NASDAQのほうも5日間で-2.64%の下げとなり、AI関連銘柄の利益確定の動きが相次いでいます。
とくにNASDAQ100をベースにしたETF「QQQ」からも、先週と今週合わせて40億ドルほどの資金が引き上げられています。
今回はS&P500下落、ナスダックからの資金引き上げ、日本も含めた利益確定の動きについての話題です。
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S&P500下落とナスダック資金引き上げ
AI関連銘柄の下落
さて、週間で3月以来の大幅安となったS&P500とナスダックです。
世界中でインフレ抑制のために追加利上げが必要になるとの懸念が高まり、アメリカにかぎらず、欧州でも株式の下落が始まっています。
今年に入って伸びていたマイクロソフトやエヌビディアなどAI関連銘柄も、「さすがに上がり過ぎ」との懸念が強くなってきて、利益確定の動きが出てきました。
そもそもAI絡みで収益をどれだけ出せるのかがまだ不透明ですしね。期待が先行しすぎている部分があります。
NASDAQ100をベースにしたETF「QQQ」も、先週の16日に31億ドル、今週の21日には13億ドルの資金が流出したとの記事がブルームバーグありました。
21日の流出については、パウエル議長が21日に「インフレと闘うために金利上昇が必要になる」との考えを示したことが原因ですね。
これまでの上昇は、将来的な利下げ観測も含めての上昇だったため、利上げという話になれば、金利に影響されるテクノロジー銘柄が勢いを失うのもある意味当然といえば当然とは思います。「今後、あと1~2回利上げがあるんじゃないか」というのが、市場での大方の予想となっています。
6月総合購買担当者指数(PMI)
かといって、やばいのAI関連だけでなく、製造業などはもっとやばいです。
というか、これまであまりよろしくなかったため、高配当銘柄は年初来から下落をつづけていました。
昨日発表された6月の米総合購買担当者指数(PMI)の速報値ですが、総合PMIは53と、先月から1.3ポイント下落しています。
PMIは50以上で企業活動の拡大(ようするに好景気)、50以下で活動縮小(ようするに不景気)を示します。
総合PMIはポイントが落ちているとはいえ、まだ50以上なのでましなのですが、製造業のみのPMIは46.3と50を割り込んだ状態になっています。ちなみに市場予想は48.5だったので、市場予想を大幅に下回る数値となりました。
逆にサービス業は54.1と、市場予想の54を上回る結果となっています。好景気・不景気かかわらず、サービス業は強さがありますね。
日本でも、サービス業の一角であるオリエンタルランドの経営する東京ディズニーランドが、従来の9400円から最大1万900円まで値上げすることが決定されました。中高生の最大料金も7800円から9000円に引き上げるなど、1000円前後の大幅な値上げがされています。
こういうことが平気でできるのが、やはりブランド力の強みですね。
多くの日本企業だと「値上げすると客が離れる」と考えてしまうため、なかなか値上げには踏み切れないところがあります。逆に言えば「味とか質とかではなく、安いから売れていた」ということなので、安売りでなんとかする商売より、ブランド力でなんとかする方向にもっていかなければならないかなとは思います。
日経平均の下落
アメリカが下がれば、当然そのあとを日本が追い掛けます。
これまで好調だった日経平均ですが、相場をけん引してきた商社株に利益確定売りが続き、現在は3万3000円を割り込んでの3万2782円です。
ただ現在、日本での金融緩和継続と、アメリカでの利上げ懸念から日米金利差が意識され、ドル円は現在1ドル143.7円と円安方向へ進んでいます。21日のパウエル議長の発言以降、一気に上がりましたね。
ただ円安は、輸出関連企業にとっては追い風になりますので、日経平均がある程度下がったところで押し目買いが入りそうな感じもあります。しばらくは円安を背景に上がっていくんじゃないかと気もします。
米国株が落ちても、日本からの投資だと円安バリアで守られる部分が大きいので、米国株投資としては長期ホールドが一番良い戦略でしょう。
上がり過ぎ感がある株式市場なので注意が必要な時期になりますが、時間分散でゆるゆる投資していくのがよいかと思います。