米国株投資をやめる個人投資家が急増!買い時?

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QYLD全力太郎ことQ太郎です。

昨夜の米国市場は微妙に回復しました。

SP500

S&P500は前日比で+0.95%です。

ただ年初来で見ると、まだ-20.87%と、弱気相場の状況は変わりません。

NASDAQ

NASDAQの方は前日比で+1.62%と、なかなかの回復。

年初来でも-30%ラインを戻しての29.06%となりました。

VDE

この状況で打撃を受けているセクターETFですが、年初来からブイブイ言わせていたエネルギーセクターETFのVDEですね。景気後退によってエネルギー需要が低下するとの思惑から、売りが続いています。

ただガソリン価格自体は高止まりしたままですね。

そこでバイデン政権は22日に、上昇を続けるガソリン価格への対策として、「ガソリン税を3か月間停止する措置」を議会に要請すると発表しました。

日本でも減税はやってほしいですね。日本はガソリン税に対して消費税が課税されているという、2重課税状態になっていますしね。

ただ日本の場合、一度上げた税金は下げないみたいな状況になっていますしね。

そんなわけで今回は、個人投資家が弱気相場に屈し、2020年9月以来の、2年ぶりの売りの大きさになったニュースについてです。

このことから、むしろ今が買い時なのかどうかについても、合わせて考えていきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

個人投資家の売りが急増

さて、いま株式市場が軟調なのは、インフレ退治のためにあと何回来るかわからない利上げと、利上げによる実際の経済へのダメージから、リセッション(景気後退)入りの懸念があるからです。

株式は未来を織り込みますので、利上げと経済へのダメージがどの程度になるかの読み合いで、上がったり下がったりみたいな相場が繰り返されています。

リセッション懸念は現在も継続中で、昨日発表された6月の総合PMI(総合購買担当者指数)の速報値は、前月から2.4ポイント低下51.2となり、予想値の52.8を下回りました。

PMIとは、企業の購買担当者らの景況感についてアンケート調査をおこない、それを集計して指数化したものです。

景気の方向性を示す指数として注目されており、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退になると言われています。

現在はまだ50以上ですが、減少傾向にありますので、このままずるずる下がると50を割ってしまう可能性もあります。

消費者物価指数CPIは逆に上昇傾向で、こちらが上がり続けると、利上げを継続せざるを得ません。詳しくはこちらを参照してください。

それで個人投資家の株式売買の状況ですが、JPモルガン・チェースの見積もりだと、個人投資家の過去1週間の売却規模は、2020年9月以来の、およそ2年ぶりの大きさになったとのことです。

個人投資家の売り

ブルームバーグの記事では

個人投資家は、今年に入って売りが15兆ドル(約2020兆円)に膨らむ中でも株式を手放さなかった

とありますので、6月あたりまではしっかりガチホを続けていたということですね。

それで今月6月に入ってからのズドンや、予想を上回るCPIの数字など、今後の先行きに不安を感じて株を手放してしまったといったところでしょう。

ブルームバーグの記事の最後には、

「実際には、リテール投資家は株価ピーク時での購入が最も多く、底値での購入は最も少ない傾向がある。こうした傾向はドットコムバブル崩壊を含む、これまでのほぼ全ての相場サイクルで見られた」

との皮肉めいた言葉で締めくくられていたため、これの逆をすればもうかるんじゃないかと思うかもしれません。

実際のところ、昨年末に厚切りジェイソンさんの本がブームになり、VTIや米国株投資をはじめたという人も多いと思います。

ぶっちゃけ高値圏でしたが、「ガチホすれば絶対に上がる」というシナリオのもと、今年の半ばまでガチホをキープしていましたが、ついには降参してしまったということにもなります。

靴磨きの少年が株の話をはじめたら売れ」というように、テレビや雑誌で米国株投資が大々的に取り上げられるようになったら注意と言うはたしかに当てはまるものがあります。

今売るのはありなのか?

ただ今の時期に売るという判断自体は、そこまで間違っているものでもありません

そもそもの先行きが不透明過ぎるので、キャッシュポジションが低いのであれば、いったん仕切り直しというのはありとは思います。

実際、アメリカのインフレが続く限り、利上げを続けないといけませんので、来月、再来月以降もCPIが上がり続けるような展開になれば、大幅利上げでさらに一段の下落ということにもなりかねません。

そのため、それを予測しての売りで、あとでまた買い直すという話であれば、それも一つの投資判断かなとは思います。

実際のところ、今はキャッシュポジションを膨らましておいたほうがいいかなとも思いますし、実際Q太郎も年初からキャッシュポジションを厚めにしています。

市場のボラティリティが高い時期は、キャッシュポジションを厚めにしておいたほうが、資産全体の変動を抑えることができます。キャッシュポジションについてはこちらを参照してください。

とくに年齢が高くなってきたら、資産全体のボラティリティは抑えたほうがいいかなとは思います。将来的に株価は上がるかもしれませんが、命は有限ですしね。

ITバブル時のS&P500

ITbubble

たとえばQ太郎が投資をはじめたITバブルのあたりから見ると、S&P500は14~15年ぐらい上がったり下がったりの低調な時期が続いてきました。

ITバブルを抜けたと思ったら、次はリーマンショックでしたしね。しかも円高も重なっています。

仮に毎月積み立てしたとしても、ボックス相場内で購入価格が平均化されるだけなので、10年以上利益がほぼ出ないかマイナスになるみたいな展開が続くとは思います。

そうなると、やはり精神的には厳しくなるとは思います。10年以上、資金が遊んでいるという話にもなりますしね。

そんなわけで、実際のところ、インフレもどうにもなっていませんし、今後どれだけ利上げするのかなど先行きが不透明過ぎるので、いったん手放すというのはアリな判断とは思います。

そのため、「個人投資家が売ったから、一気に買いに行こう」みたいな判断は、いまの時期は危険かなとは思います。

とりあえず利上げを何度かこなして、CPIがしっかり下がっているのを確認しないと、投資しづらい環境かなとは思います。

押し目買いについて

こういう下落トレンドの環境で、

毎月の積立以外に、押し目買いをしていく

という強気の投資をする個人投資家もいます。

資金力があればいいのですが、Q太郎的にはあまりおすすめしない投資の仕方です。

上昇相場ならいいのですが、下落相場で押し目買いをやると、しばらく上がるかもしれませんが、結局下がるので、含み損がどんどん拡大していくことになります。

落ちるナイフはつかむな」というやつですね。

とくに投資に慣れていないと、そのような含み損に耐えられなくなる可能性が非常に高いです。

しかも年単位で下落相場が続くと、本当に厳しいことになるとは思います。

そのため、資金力がうなるほどあるというのなら別ですが、投資をはじめたばかりの人は、とにかく淡々と毎月積み立てだけでいいとは思います。

リターンを求めすぎると、だいたいろくなことはありませんので、積み立て投資の金額で十分かなとは思います。

とにかく資金を枯渇させないようにし、投資の場に居続けるようにしてください。

 

まとめとQ太郎の見解

まとめると、

・これまでガチホしていた個人投資家の売りが、6月半ばになってから拡大傾向。

・ただ投資判断としては、そこまで間違った行動でもありません。そもそも利上げがあとどれぐらいあるのか不透明です。来月以降のCPIが下がらないと、大幅利上げがあと何回も来る可能性がありますしね。

・キャッシュポジションを厚くするのはいいですが、相場から完全撤退してしまうことだけは避けるようにしてください。売るにしても、かならず少しは残すようにしたほうがいいでしょう。

まだ下げ相場がはじまって半年ほどですが、ITバブルやリーマンショックのころは、下げ相場が2~3年とか続きましたからね。上がったり下がったりしながら、全体的にはダラダラと下げ続けるという、非常にわかりづらい下げです。

そんな感じで、下げ相場は2~3年におよぶ場合もあるので、あせらず気長にやるのがいいかなとは思います。

積立は淡々とやっていけばいいとは思います。

押し目買いは、自分の資金と相談するのがいいかなとは思います。資金のある人のまねをして押し目買いをし、途中で資金が尽きたみたいな人も見てきましたしね。こればかりは結果論ですが、リスク管理はしっかりしたほうがいい時期とは思います。

インフレ、ウクライナ問題、中国のゼロコロナ問題など、不透明なことが多すぎますしね。