米国株が大幅反発、1日で+80%超の銘柄もー米雇用者統計堅調【米国株投資】2023年

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QYLD全力太郎ことQ太郎です。

昨日、発表された4月の米雇用者統計が堅調だったことから、リセッション懸念が和らぎ、空売り勢の踏み上げも手伝って米国市場は大幅上昇。

S&P500は5日ぶりの反発となり、前日比で+1.85%の上げとなりました。

今回は米雇用者統計の内容と、その後の米国市場の動きについて見ていきます。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

4月米雇用者統計

さて、発表された4月の米雇用者統計です。

非農業部門雇用者数は前月比で25万3000人増となり、市場予想の18万5000人増を大きく上回りました。

平均時給前月比0.5%増で、予想の0.3%を上回りました。前年同月比では4.4%の増加となっています。

失業率のほうも3.4%に低下し、予想の3.6%を下回っています。

さらに言えば、25-54歳の労働参加率は83.3%に上昇し、2008年以来の高水準となっています。

米国経済がかなり堅調なのがうかがえますね。

良いことである一方、インフレがおさまっていないことが、高金利維持につながっていく可能性があります。とくに賃金インフレはしぶといですね。

5月のFOMCで利上げ停止がほのめかされていましたが、いまの状況だと実際どうなるかといったところです。5月FOMCについては前回の動画を参照してください。

イートロの米投資アナリスト、キャリー・コックス氏は

「現在のところ、今回の統計は金融当局が米経済をまだ破壊していないことを示唆する新たな兆候だ。

弱気筋にとって最も都合の良い論拠は「リセッションが間近に迫っている」というものだが、雇用のデータで実際に証拠を目にするまでそう主張するのは厳しいかもしれない」

として、現在の弱気派劣勢の状況を分析しています。

S&P500

S&P500は前述したように5日ぶりの大幅反発となりました。前日比では+1.85%、年初来では+8.16%となります。4100を下に突っ切っていましたが、また4100台に回復しましたね。ただ、やはり鬼門なのは4200の突破なので、しばらくは横這いが続きそうな気もします。

SP500

パックウェスト・バンコープは1日で+80%超

とくに今回、売られれ過ぎていた米国地銀のパックウェスト・バンコープ(PACW)は、前日比で+81.70%の大幅上昇となりました。もともと3ドル台のボロ株になっていたので、2.6ドル上がるだけで+80%超という状態ですね。

PAWC

もともと経営が悪化していて、身売りするやらなにやらでズドンしていましたが、さすがに売られ過ぎということでの反発となります。

ちなみに年初来で見ると、-74.59%の下落となっています。全体で見ればスズメの涙ほどの上昇ですね。

PAWC2

サスケハナ・インターナショナル・グループのクリス・マーフィー氏は、

「現時点で地銀の状況を好転させるきっかけは見当たらない。

しかし地銀ショートは非常に人気があり、多数が参加しているので、いずれ踏み上げに遭うだろう」

と述べています。シリコンバレーバンク破綻以降、地銀株への売り浴びせが続いてきましたしね。

なんにしろ、ボロ株遊びはあまりおすすめはしません。

為替

為替の方ですが、前回のFOMCで円高方向へズドンし、移動平均線を下に突っ切ったものの、今回の雇用者統計を受けてまたちょっとドル高方向へ進みました。現在は134円台後半で、移動平均線上に戻りましたね。

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債券

一方、FOMC後に上昇して、利回り低下していた債券ですが、今回の雇用者統計を受けてまた利回り上昇しました。綱引きが続いている状況ですね。

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まとめ

ドル高・債券安の背景には、やはり堅調な雇用者統計から、次回6月FOMCでも利上げがあるのではないかとの観測が強まってきたことが挙げられます。

また「年内の利下げは無理っぽい」との観測も強まってきました。

利下げ観測で年初から好調なゴールドも下げており、みんな大好きゴールドETF「GLDM」も昨夜は-1.5%ほど下げましたね。

一方で、ずっと下げ続けていた原油のほうは、堅調な雇用者統計を受けて反発しましたが、依然としてリセッション(景気後退)懸念がくすぶっており、年初来から低調ですね。

景気敏感銘柄をがっつり組み込んでいる、みんな大好き高配当ETFのSPYDさんも昨夜は2%近く反発しましたが、年初来で見ると-6.68%の下げとなっており、依然として弱含みの状況です。

SPYD

そんなわけで、まだまだインフレがおさまっていないことが今回の雇用者統計で明らかになったため、次回のFOMCもどうなるかわからなくなってきました。

読めない状況が続いており、「セール・イン・メイ(5月に売れ)」の米国株の弱い季節にも突入していますので、上がった下がったのボラティリティにひきずられないよう、淡々と時間分散での投資をしていくのがいいとは思います。