米PCE予想越えでS&P500下落ードル円は1ドル136円突破【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨日、アメリカの1月個人消費支出(PCE)価格指数が発表されました。
結果、総合もコアも市場予想を上回る形となり、市場の見通しの甘さが露見されました。
これによってインフレ懸念がさらに強まり、年内利下げどころか、さらなる利上げとその長期化も懸念されはじめてきています。
当然高金利は、米国株にはダメージになります。S&P500も下落しました。ドル円も金利差が意識されて1ドル136円一気に突破しましたね。
今回は米PCEの予想越えとS&P500の下落、今後の米国市場やドル円についてです。
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予想越えの米PCE
さて、発表された1月の米個人消費支出(PCE)価格指数です。
この指数は、FRBがインフレ指標として利用していますので、高い数字が出れば当然インフレ引き締めのための利上げ圧力が強まります。
それでPCE価格指数ですが、市場予想が前年同月比で5.0%だったのに対して、ふたを開けてみると5.4%となかなかいい数字が出てしまいました。個人の消費熱は衰えておらず、インフレがいかにしぶといかということを見せつけてきました。
変動の大きなエネルギーと食品を抜いたコアPCEですが、前年同月比で4.7%と、予想の4.3%を超えてきています。
昨年末からCPIなどインフレ指標の鈍化が見られたことから、「2023年の年末には利下げもあるんじゃね?」という市場の楽観主義に支えられてS&P500は上昇。
しかし2月に入ってからの、1月雇用統計やCPI発表での予想を超えた数字が出たのを受け、S&P500は下降トレンド入りしています。詳しくはこちらを参照してください。
今回のPCE発表を受け、S&P500は-1.15%、NASDAQは-1.69%の下げとなりました。
とくにS&P500は2月に入ってからいったんピークをつけ、そこから雇用統計やCPIなどの発表を受けて下落に転じています。
その一方で、ドル円は勢いよく136円突破していきました。アメリカの高金利への懸念だけでなく、日本でも黒田総裁の後任の植田氏が金融緩和継続を表明したことにより、日米金利差が開いての上昇になりましたね。
ただ米国株投資の場合、日本円換算だとトントンか、うまくいけば利益が出ている人もいるでしょう。
まとめとQ太郎の見解
ドル円の今後については、三菱UFJ銀行のリー・ハードマン氏がリポートで、「近い将来、円の投機需要を再燃させるような、明確なタカ派シグナルはなかった。米国をはじめ各地の主要中銀がインフレ沈静化のため追加利上げを余儀なくされると想定され、日本以外で利回りが再び上昇する中、円は下落方向に一段と調整されやすい状況が続く」としており、今後の円安を示唆しています。
また現在の高インフレについて、ブルームバーグ・エコノミクスのアナ・ウォン氏は「サプライチェーンのボトルネックがほぼ解消されたことで、最近のインフレは需要主導型となっている。この傾向が続けば、米金融当局は5.25%を超える水準への利上げを余儀なくされるかもしれない」と、さらなる利上げを示唆しています。
またアライのシニア市場ストラテジスト、ブライアン・オーバービー氏は「今回のインフレデータと1月の上昇を受けた現在のバリュエーション、そして低調な第4四半期の決算シーズンを踏まえると、現時点で株式に上振れ余地はほとんどない」と述べ、株式市場の低調が続くとの見方を示しています。
米政策金利についても、「6.5%以上に引き上げられる」との予測も出てきており、高金利時代突入となるかもしれません。これだけ高金利だと、みんな株買わないであずけてるだけでいいですしね。
日本からの投資だと円安による日本円換算メリット、通称円安バリア―もあるので、とりあえず外貨MMFを買っておくみたいな手もありとは思います。いま利回り4%ぐらいですしね。
毎月の積立投資なら、下がっているときほどチャンスになるので、淡々と積み立てていくのがいいでしょう。