「厚切りジェイソンさんのTwitter全消し」に対する見解ーVTIへの投資は正しい?

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JASON

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

今週に入って、S&P500の4000割れが常態化し、昨夜は3900も割れましたね。

SP500

終値では3930.08まで戻しましたけど、前日比-0.13%、年初来では-18.06%です。

NASDAQ

NASDAQの方ですが、こちらはむしろ、昨夜は微妙にプラスで引けているのですね。前日比+0.06%でした。ただ年初来で-28.18%と、もうすぐ-30%に届きそうな形です。

今回の問題として、コロナショック時のように金融緩和でお金をジャブジャブ市場に流したり、金利下げたりというのはもうできません

というか、それやってしまったせいで、テーパリングと利上げの金融引き締めを行わなければならず、上値が重い展開が続くとは思います。

コロナショックあたりから投資をはじめた方には実感がないかもしれませんが、こういう軟調な下落トレンドは数年単位で続くことがあります。

コロナショック時の急激な回復は、金融緩和でお金ジャブジャブ状態だったため、あれだけの速さで回復したのですね。

ただ今回はそれがないので、厳しい状況が年単位で続く可能性はあります。

それでこういう米国株下落の状況で、全米株式ETFのVTIをすすめていた厚切りジェイソンさんが、Twitterのツイートを全消ししました。

この件に関して、おそらく批判が殺到して、Twitterをするのがイヤになってツイートを消したのかもしれません。

今回はこの件についてと、メディアこぞって盛り上げた米国株ブーム、Q太郎の見解について述べていきます。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

 

厚切りジェイソンさんとVTIへの投資

さて、最初に断っておきますが、Q太郎は厚切りジェイソンさんのファンでもなければ、信者でもありません

Q太郎は芸能界に疎いので、そもそも厚切りジェイソンさんがなにをやっている人なのかすらよく知りません。

過去に「厚切りジョンソン」と名前を間違えて言っているレベルです。

そんなわけで、あくまで第三者的視点から述べていきます。

まず厚切りジェイソンさんが投資界で有名になったのは、昨年11月に出版された「ジェイソン流お金の増やし方」の本でしょう。

この本自体は「全米株式ETFであるVTI1本に投資しろ」というような内容をずっと話しているわけではなくて、「節約して投資しろ」というのが本書の本質の部分だとは思います。

何に投資するかは個人個人が自分で考えればいいだけであって、VTIが最良の投資とはQ太郎は思っていません。

というか、VTIより低リスクで高リターンのものは多数あります。詳しくは「VTIよりいいものあるんじゃないかシリーズ」をご覧ください。

ただ厚切りジェイソンさんは、VTI1本への投資を強くすすめており、本書以外でも、たとえばテレビや雑誌などのメディアでもたびたび発言してきました。

Q太郎的には、アメリカの利上げが控えているタイミングでちょっとどうなんだろうという気がしていましたが、結果的に軟調な相場が続き、言うとおりにVTIに投資して、資産を減らしてしまった人から批判が多かったのか、厚切りジェイソンさんはツイートを全消ししてしまいました。

それで今日のツイートにはこのようなコメントが出されました。

VTI

SNSが嫌になっただけ」とあるので、やはり批判や抽象が多く寄せられていたのでしょう。

Q太郎の見解

Q太郎的には、人の言うとおりに投資するのは、まずありえないと思っています。

他人はあなたのお金がどうなろうと、気にはしません。

「鬼滅の刃」でいうところの、「生殺与奪の権を他人に握らせるな」というのは投資の大原則です。

レバナスを推奨するユーチューバーに対して、

「レバナスが儲かると聞いて投資したら半額になった。どうしてくれる」

とか批判を言うのは、正直どうなんだろうとは思います。

そもそもレバレッジ商品はボラティリティが50%とかそれ以上ぐらいありますので、半額当たり前の世界です。それを承知で買っていないのであれば、ただの勉強不足としか言いようがありません。

そもそもITバブルのときはS&P500も半額ぐらいはいきましたし、NASDAQに至っては-70%以上にもなりましたしね。

長期投資というのは、それぐらいの下げに出会うこともあるのは当たり前だと思ったほうがいいでしょう。

長期投資の限界

あと何でもかんでも長期投資でもうかるわけではなく、あくまでもうかるのは右肩上がりの銘柄だけです。

VTIやVOOなどですが、これは株を買っているというよりも、人口とGDP増加による経済の上昇を買うという長期的な計画のもとでの長期投資なのです。

ただ人口増加が続くのは2050年あたりまでとも言われているので、そこがVTIの最終ラインとは思います。

それ以降はVTIやVOOに長期投資しても報われづらくなりますので、安い所で買って高い所で売るという「うねり取り」の投資に移行する必要があるのでしょう。

2050年あたりまでが、長期投資のゲームオーバーラインですね。

あと30年弱ありますので、それまでしっかりホールドしておけば、経済成長の恩恵にあずかれるかと思います。

ただ2050年超えると、これまでみたいに「長期投資しておけばOK」とはなりませんので、そこからは実力勝負になってくるでしょう。

インデックスの長期投資で稼げるのは、正直いまのうちだけです。

そのためいまからVTIに投資するのは間違いではありませんし、2050年までは長期投資でOKとは思います。

そのため、「今年下落したから損した」というのはあまりに短期的な視点です。

そもそもインデックス投資は短期で儲かる投資ではありません。せいぜい年間リターン4%とかそんなレベルの話ですし、お金持ちになるにはやはり元本の大きさと時間が必要になります。

そんなわけで、「今年落ちたからダメ」というのは、完全に長期投資の目線ではないのですね。

ITバブルの時のようにあと3年ぐらいだらだらと下がり続けるかもしれませんが、それでも淡々と投資を続けるのが長期投資です。

そんなわけでインデックス投資を短期的な視点で考えないようにしていただければと思います。

VTIは最高の投資先なのか

そういう意味で、厚切りジェイソンさんがVTIに投資するように言っていることは、人口増加の続く2050年までは間違いではないかと思います。

それ以降は、すべての銘柄でガチホは通用しなくなるとは思いますので、注意が必要です。

言い方を変えると、何も考えずに長期投資できるというチャンスは、もうこの30年弱しか残っていないのです。

ただ長期投資において、「VTI最高」という考えは、Q太郎的にはどうかなとは思います。

というのも、VTIはS&P500のVOOと違って、中小企業を含みます

そのため、値動きがVOOに比べて激しくなり、ボラティリティが高くなってしまうのですね。

ようするに高リスクになります。

投資の基本は、成長する銘柄に投資をすることです。

なんでもかんでも分散するとリスクは高くなるし、リターンは低くなります。

金利上昇局面において、中小企業はお金を借りづらくなるため、必然的にパフォーマンスが落ちてしまうのですね。下手すれば潰れまくります。

そのため、大企業500社で占めるVOOより、中小含めたVTIの方がリスクが高いというのは感覚的にもわかるかとは思います。

実際VOOの方が高リターン低リスクになっています。詳しくはこちらの記事を参照してください。

そんなわけでVTIは2050年までの長期投資は悪くありませんが、中小企業を含めるため、それなりにボラティリティをかかえることになります。

そのあたりのリスクの説明を厚切りジェイソンさんはしていないので、どうかなという気がしました。

 

まとめ

まとめると、

・そもそも投資は自己責任。人の意見は参考程度。

・厚切りジェイソンさんのVTI長期投資は、人口増加の続く2050年までは大丈夫だけど、それ以降は注意が必要。

・VTIは中小企業を含むので、VOOに比べて高リスク。とくに金利上昇局面ではパフォーマンスに差が出てくる。

といったところでしょう。

とにかく投資と言うのは、自己責任の世界です。

人はリスクの話より、リターンの話を好みます。再現性があるかないかという部分も重要です。

リスクの話は多くの人が聞きたくないのですね。そのため、本ブログを見てくださっている方は、どちらかといえば少数派になるとは思います。

「QYLD全力太郎なのにQYLDをディスっている」

と言われますが、ディスっているわけでなく事実を話しているだけです。

特にQYLDは経費率が0.6%と高額です。今後下落トレンドに入ると、この経費率が大きな重しになるとは思います。

何にしろ、「これ買えばもうかる」という話にそのまま乗っからずに、リスクの面も十分に考慮してから、どれぐらいポジションを持つかを考えるのがいいでしょう。

VTIの長期投資にしても、フルポジションは避けた方が良いですしね。

Q太郎は基本的に暴落時に買うタイプなので、キャッシュポジションは厚めです。

キャッシュポジションの使い方についてはこちらの記事を参照してください。