高配当シニア債ETF「SRLN」とは?AGG/BNDとの比較、メリット・デメリット【米国ETF投資】

高配当ETFSRLN

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

今回はちょっとマイナーな高配当ETF、リクエストのあった毎月分配型シニア債ETFの「SRLN」についてです。

本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。

 

「SRLN」とは?

さて、シニア債ETFの「SRLN」です。

シニア債とは?

シニア債というのは、比較的リスクの少ない高格付けの債券ですね。

債券を発行するにしてもいろいろ種類がありまして、なんかあったときのリスクがそれぞれ違います。

たとえば最近のアメリカの銀行破綻騒ぎでよく名前が出てくる「AT1債」ですが、これは銀行が破綻したときに、元利金(元本と利息)の返済が普通債に比べて後回しになります。その代わりに高い利回りが設定されているのですね。高リスク・高リターンの債券です。

それに以外にも、社債やローンなどを担保として発行されるCDO(債務担保証券)、ようするに債券をポートフォリオ化したパッケージを発行するとき、そのリスクの大きさによって三分割されます。

一番リスクが高いのがジュニア債と呼ばれるもので、その次がメザニン債、一番リスクが低いのがシニア債です。

当然リスクの高いジュニア債は、利回りも高くなっています。そのかわり、なんかあったときの返済はあとまわしにされます。

シニア債はその逆ですね。なんかあったときには、優先的に返済がおこなわれます。低リスク低リターンの債券パッケージです。

「SRLN」はこのシニア債を利用した、比較的安全性の高いETFということになります。安定した分配金を配るという戦略ですね。

構成要素・設定日

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構成要素ですが、当然債券ばかりです。アメリカ国債のMMFとか社債とかですね。書かれている年度は償還期限です。

設定日は2013年4月3日なので、そこそこ長く運用が続いていますね。

純資産総額・利回り・経費率

純資産総額のほうですが、49億ドルと、流動性の安全ラインと思っている10億ドルはクリアしています。

現在の分配金利回りですが、株価が落ち込んでいることから6%ぐらいになっています。通常は5%前後ぐらいですね。ちなみに毎月分配です。

そして経費率は0.70%とかなりの高額となっています。メジャーな債券ETFのAGGやBNDは0.03%ですしね。

パフォーマンス比較

それではAGG、BNDとパフォーマンスの比較をしてみます。

AGGAGGはBNDほぼおなじなので重なってしまっているため、AGGだけで考えます。オレンジのラインがAGG青がSRLNです。再投資有りなので分配金を含めたグラフですが、いい勝負といったところですが、ところどころで逆の動きをしていますね。

コロナのときはSRLNがズドンしています。逆に現在はAGGのほうが落ち込んでいますね。

ばらつきですが、SRLNが5.80%に対して、AGGは4.52%です。SRLNのほうがボラティリティが高いですね。ただS&P500の15%SPYDの20%越えとかと比べれば比較的穏やかなほうです。

リスクに対するリターンを現わすシャープレシオですが、SRLNが0.31に対して、AGGは0.18と、正直この期間内だとどちらもよろしくありませんが、SRLNのほうがちょっといいかなといったところです。

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分配金の推移を見ていきます。青がSRLN、赤がAGG、黄色がBNDです。SRLNは伸びてはいますね。逆にAGG,BNDは分配金が減ってきています。

 

SRLNのメリット・デメリット

つぎにメリットデメリットを見ていきます。

メリット

メリットその1は、毎月分配で高配当で比較的安定した分配金が受け取れていること。また右肩あがりな感じはありますね。

メリットその2は、株式ETFに比べれば低ボラティリティです。

メリットその3は、シニア債という個人では買いにくい債券を手軽に購入できることです。優先株ETF「PFFD」みたいな感じですね。PFFDについては以下の動画を参照してください。

デメリット

つぎにデメリットです。

デメリットその1は、経費率が高いことです。AGGが0.03%のところ、こっちは0.7%ですしね。

デメリットその2は、低ボラティリティとはいえ、コロナ禍のような景気悪化局面でのズドン的な動きもあります。社債が多く組み込まれているからですね。

デメリットその3は、構成要素がわかりづらいことです。シニア債ということで、一般にはなじみのないものですね。

 

まとめ

そんなわけでメリットは、

・安定した高配当(いまのところは)
・低ボラティリティ
・シニア債に手軽にアクセス

デメリットは、

・経費率が高い(0.7%)
・低ボラティリティ
・わかりづらい

です。

ETFをつかってシニア債へアクセスするという、ちょっと特殊なETFなので、人を選ぶETFとは思います。

似たようなETFばかりなので、ちょっと違った感じのETFが欲しい」というニッチな要求には答えられるのではないかと思います。